Bank Payのメリット・デメリット、UNIQLO payやTOYOTA walletとも提携

銀行系コード決済サービスの一つであるBank Payの本格始動のニュースが2021年10月5日にありました。何を今更の感がありますが、あらためてこのサービスのメリット・デメリットについて考えてみたいと思います。

Bank Payとは

2021年10月5日のニュースリリースは、「オールバンクのスマホ決済サービス「Bank Pay」本格始動！～ご利用可能な加盟店や取扱金融機関も拡大中～」とのタイトルです。 「Bank Pay」 は日本電子決済推進機構（JEPPO）が提供しているスマホ決済サービスです、取扱金融機関が33行（2021年中に127行）、利用可能加盟店が13万か所以上に拡大しているとの事です。

特徴

主な特徴は次のとおりで、いわば、○○Payのコード決済機能とデビッドカード機能を合わせたようなサービスです。

• 金融機関が提供するスマホアプリのコード決済サービスです。
  • Bank Payアプリをスマホにダウンロードします。
  • 本人登録時にeKYC機能でセキュリティを確保します。eKYCとは、本人確認書類や顔写真撮影等によるオンライン本人確認方法です（犯罪収益移転防止法に従っています）。
• ○○Payのような操作で決済します。
  • 店頭での支払時にコードを表示して店員に読み取ってもらうか、掲示されているQRコードを読取り金額を入力して支払います。共に決済用パスワードの入力が必要です（生体認証できるところもあります）。
• Bank Payへのチャージが不要で、買物時に紐付けされている銀行口座から直接支払われます。
  • 金融機関口座を8口座まで登録できます。
  • 利用できる金融機関（2021年10月5日現在）：みずほ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、りそな銀行、埼玉りそな銀行、岩手銀行、群馬銀行、足利銀行、常陽銀行、千葉興業銀行、八十二銀行、清水銀行、十六銀行、三十三銀行、百五銀行、京都銀行、関西未来銀行、但馬銀行、広島銀行、阿波銀行、百十四銀行、伊予銀行、四国銀行、西日本シティ銀行、福島銀行、東和銀行、長野銀行、中京銀行、トマト銀行、徳島大正銀行、愛媛銀行、豊和銀行、宮崎太陽銀行
• Bank Pay自体のポイント還元はありません。提携している企業アプリ側でクーポン等特典を付けている場合があります。

利用できる店舗等

下図のBank Payマークがある店舗等で利用できます。また、藤田観光が運営する施設（ホテル椿山荘、箱根小涌園等）でも一部を除き利用できます。

企業独自アプリとの連携

企業が独自に開発・提供しているスマホアプリと連携する事ができます。ここでは、UNIQLO Pay、TOYOTA walletについて簡単に説明します。

UNIQLO pay

ユニクロのキャッシュレス決済サービスで、ユニクロとGUで利用できます。ユニクロアプリに銀行口座又はクレジットカードを登録し、レジにてユニクロアプリの「会員証QRコード」を提示して支払います。この銀行口座登録・支払機能を「Bank Pay」が行っています。

支払方法は、「Bank Pay」と連携しているのでチャージ不要で、レジにて会員証をスキャンし、画面に出てくる「UNIQLO Pay」を選択すると終わりです。簡単です。

また、キャンペーンがあり、今なら登録すると500円クーポンが貰えます（ただし5,000円以上の購入で使えます）。

TOYOTA wallet

トヨタ系のスマホ決済アプリです。この銀行口座登録・支払機能を「Bank Pay」が行っています。また、「Bank Pay」に登録している銀行口座からプレペイド型電子マネーである「TOYOTA wallet 残高」へのチャージも可能です。

決済方法は次の３つから随時選択できます。

• 即時引落型：今回紹介している「Bank Pay」です。レジでQRコード等支払時に銀行口座から直接引き落とされるので、チャージしておく必要がありません。なお、その他に紛らわしい「銀行Pay」もありますが、系列の異なる同様のスマホ決済サービスです（GMOペイメントゲートウェイが提供）。
• 事前チャージ型：「TOYOTA wallet 残高」にチャージする方法です。NTTドコモのiD（アイディ）やMastercard®コンタクトレス加盟店）で利用できます。レジで「iDで支払います」と伝え、読み取り端末にスマホをかざして支払完了です。チャージした残高内の支払ですので、使い過ぎずに安心です。
• 後払い型：トヨタ系で利用できるクレジットカードの「TS CUBIC CARD」と、このカードに紐付けてQRコード決済できる「TS CUBIC Pay」があります。これを利用すると1,000円につき10～20ポイントが付与されます。1ポイントは0.5円相当として「TOYOTA wallet 残高」にチャージされます。また、トヨタ販売店では1ポイント1円～1.5円相当でキャッシュバックができます。なお、現在は、利用金額の1.5％が「TOYOTA wallet 残高」にキャッシュバックされるキャンペーンを実施中です。トヨタ車を利用されている方には便利なカードです。

メリットとデメリット

メリットは、事前チャージが不要で銀行口座から直接支払う可能な事です。銀行残高の確認が（支払後も）スマホで直ぐに確認できますので、クレジットカードのように借金をしないで買物ができるので安心です。またPayPayや楽天Pay等たくさんの○○Payga出てきていますので、おのおのにチャージしておくのが面倒です。その内いくつかは残高があるのに利用しなくなるかもしれませんが、その心配が無くなります。

デメリットは、何と言っても 「Bank Pay」自体ではポイント付与が無い点です。提携先企業アプリのキャンペーン等でクーポンを貰える機会もありますが、それは○○Payも同様です。これでは、デビッド機能付きのクレジットカードで支払う方が良いと思います。

なんとなく「Bank Pay」は、企業と提携してその仕掛けを使ってもらい、それにより自行に利用者を誘導したいのかなと思えてきます。利用者としては、関係ありませんので、個人的には積極的に使うことは無いと考えています。

さいごに

今回「Bank Pay」について調べて見ましたが、利用者の立場から見るとメリットが見出せませんでした。ただでさえ○○Payが沢山出てきていますが、いくつかはその内淘汰・集約されていくのだと思います。

企業独自アプリと連携する事は大変重要ですが、利用者が真にメリットのある事についても強化をしていただきたいと期待します。

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