日立製作所の株価から三菱電機の目標株価を考える

日立製作所の株価は、2024年3月1日現在で12,940円/株です。一方、同じ総合電機メーカーである三菱電機の株価は2,431.5円/株と出遅れているように見えます。日立製作所の株価を基に三菱電機の今後の株価を検討してみたいと思います。

日立製作所と三菱電機の株価指数等の比較

次の表は、日立製作所(以下、日立と称します)と三菱電機の主な株価指数等を比較したものです。比較項目の¥は円、M¥は百万円、億¥は億円の単位で、各々の指数等と最右列に日立指数/三菱電機指数の比率を記載しています。比率にあまり意味のないものもありますが、参考程度でご覧ください(極端に意味がないものは-としています)。

なお、元データは会社四季報(2024年1集)、Yahoo!JAPANファイナンス、SBI証券サイトから持ってきましたので、一部矛盾する部分があるかもしれません。

【日立製作所と三菱電機の株価指数等の比較】
※会社四季報、Yahoo!JAPANファイナンス、SBI証券サイトから抜粋。

主な気付きを次に示します。

株価と発行株式数

株価は日立が三菱電機の5.32倍ですが、発行株式数は日立が半分以下と少なく、次の時価総額で比較した方が良さそうです。

時価総額と総資産

時価総額(=株価×発行済株式数)は日立が三菱電機の2.30倍、総資産では2.36倍となっており、ほぼ同等です。これを見ると三菱電機の方が割安とはそれほど言えないのかもしれません。

利益剰余金と有利子負債

利益剰余金と有利子負債では、三菱電機の方が優れています。反面、事業投資の余地や株主還元を期待したいところです。

PBRとPER

PBR(株価純資産倍率)とPER(株価収益率)では、三菱電機の方が若干良い値です。ただし、東証プライムの平均では、PBR=1.4倍、PER=16.5倍程度ですので、三菱電機も少し高めです。

ROEとROA

ROE(自己資本利益率)とROA(総資産利益率)では、日本企業の特徴を現わしており、まだまだ低い状態です。

CFと現金同等物

営業CF(キャッスフロー)は日立の方が高く、稼ぐ力が強いことを示しています。

投資CFは三菱電機がマイナスですが、設備投資を行っている意味なので悪い事ではありません。

財務CFは日立・三菱電機共にマイナスですが、自社株買・配当・借入返済等を実施していることなので問題ありません。

また、現金同等物が共に大きな金額ですので(三菱電機の方が比率的に良い値ですが)、先の利益剰余金と合わせてリッチな企業です。より一層、投資や株主還元を実施し、企業価値を高めていただきたいと思います。なお、三菱電機は、保有する全てのルネサス株を放出するとのニュースがありました。これを実行すると約1,000億円上積みされることになります。

貸借倍率

両社とも将来の売り圧力はありません。

配当と配当利回り

株価の急上昇からか日立の方が劣る結果となっています。しかし、先の利益剰余金や現金同等物等が膨大ですので、まだまだ改善の余地がありそうです。

三菱電機の目標株価

時価総額の比率と総資産の比率を見ると三菱電機の方がまだ0.06程度アップできそうです。また、若干過熱感のある日立の株価ですが、PBRとPERの各々の比率から三菱電機の目標株価を算出すると次の表のとおりです。

算出元日立と三菱電機の比率三菱電機の目標株価
時価総額比と総資産比の差0.06アップ
(2.36-2.30)
2,581円
PBR比1.47倍3,582円
PER比1.16倍2,813円

時価総額の比率と総資産の比率は0.06と、誤差の範囲のような値ですし、その時々に置かれた状況により大きく変動しますので、あくまでも数字のお遊びのようなものですが、これからの三菱電機株価の目安として見ていきたいと思います。

さいごに

株式市場は、全体的に強気相場となっていますので、日立の株価が却って過熱気味の可能性があります。また、株価が1万円を超えると個人には購入が難しくなりますので、これから日立株価の分割なども考えられます。さらに、株式市場全体でも何度か調整局面が訪れると思います。

三菱電機の株価はそれほど割安というわけでも無い事が分かりました。しかし、中期的に日本株式市場全体の底上げが期待できそうです

三菱電機においては負の遺産である会計不正・検査不正発覚等のスキャンダルにより長く低迷していましたが、ガバナンス強化等によりやっと脱却しつつあります。財務をみると良好で、事業分野でも宇宙・防衛・FA・パワー半導体等これから大きく飛躍できそうな技術を数多く有しています。余裕資金は、事業への投資や株主還元を積極的に行っていただき、その果実である株価上昇を期待してこれからも応援していきたいと思います。

なお、本稿は株式購入を推奨するものではありません。株式購入については、あくまでご自身の判断でお願いします。

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