マイナンバーカードの機能がスマホに実装されます。時期としては、Android系で2023年5月11日にしたいとの発言がデジタル大臣よりありました。iPhoneについては決まり次第公表されるようです。いろいろな行政サービスが24時間スマホで手続きできるようになります。総務省主催の検討会の資料を基に概要を説明します。
マイナンバーカードの機能のスマートフォン搭載等に関する検討会とは
「マイナンバーカードの機能のスマートフォン搭載等に関する検討会」は総務省が主催しています。目的は、「スマホだけで、いつでもどこでもオンライン行政手続等を行うことができる環境の実現に向けた検討を行う」ことで、2020年11月から開催しています。
この検討会の内容は、第1次とりまとめの公表が2020年12月25日にあり、そして第2次とりまとめの公表が「第2次とりまとめ ~デジタル社会の新たな基盤の構築に向けて~」として2022年4月15日にありました。
詳細については次のサイトをご覧ください。
第2次とりまとめ公表の主な内容
次の図は、第2次とりまとめ資料に記載されている「マイナンバーカード機能のスマートフォン搭載」によって目指す姿です。
メリットの享受できるサービスとしては大きく次のとおりです。
- オンライン行政手続:手続きがオンラインになりわざわざ役所に行かなくとも子育て支援の行政サービス申請ができたり、納税記録や通院・薬剤情報等が取得でき確定申告等が簡単になります。
- 自己情報取得(マイナポータル):自己情報(税・年金・薬剤情報・特定検診情報等)や母子健康手帳等の情報を取得・確認し、様々なサービスに利用できます。
- 資格確認:健康保険証や運転免許証(予定)等の確認がマイナンバーカードで可能になり、必要に応じてコンビニから交付する事もできます。
- 各種民間サービス:マイナンバーカードを持ち歩かなくともスマホで本人確認が可能になり、民間サービスの本人確認等に活用できます。
実現する上での基本方針
スマホ搭載を実現しても、使い勝手が悪かったり、頻繁にシステム変更があると利用が広がりません。このため次のような基本方針を定めています(一部意訳しています)。
- スマホひとつで様々な手続やサービスが利用可能:マイナンバーカードを持ち歩かなくとも幅広いサービスに対応できます。
- オンラインで簡単にスマホに搭載:スマホからいつでも・どこでも申請・手続ができます。スマホ機種変更時の簡単に手続ができます。
- スマホならではの使いやすいUX(ユーザーエクスペリエンス):電子証明書利用時のパスワード入力に変えて生体認証(指紋・顔認証等)を活用し、継続的に操作フローを改善します。
- 安全・安心に利用できる高いセキュリティ:スマホ内ICチップの活用等重層的なセキュリティ対策を関係事業者と共に構築します。
- グローバルスタンダードに対応:国内外の技術動向と親和性を確保し、諸外国の基準を踏まえつつ、十分な信頼性を確保します。
悪用防止対策
マイナンバーカードの通院・薬剤記録や本人確認機能がスマホで実現されますので、(使い勝手はもちろんですが)特に上記④のセキュリティが重要です。スマホ機種変更した場合や最悪悪用された場合などは、スマホに実装された電子証明書がどうなるのかが気になります。
これらの防止対策として、現状記載されている内容は次のとおりです。
- リモート削除機能の実装:リモート削除機能を実装します。また、スマホ機種変更時の手続と連動してスマホ用電子証明書も連動失効するようにします。
- メール通知の実装:スマホで電子証明書を利用した場合に利用者にメール通知する機能を用意します。
- 関係事業者との連携:スマホの買取り・下取り・修理等時に、電子証明書の適切な失効・削除手続を促します。また、通信サービス中断時の対策を講じる等、今後具体的な対応フローを検討します。
さいごに
2022年10月13日(プレスリリース10月14日)の河野デジタル大臣の記者会見にて、「Androidのスマホによるサービスの提供開始を来年5月11日としたい。」と発言されました。また、記者の質問に答える形で「iPhoneにつきましては決まり次第お知らせをいたします。」という事でした。
マイナンバー機能のスマホ搭載となると、今後益々スマホが重要になってきます。いろいろな事情でスマホを保有していない人も居られますので、その点については国でも救済策を検討中のようです。
うちの奥さんもなかなかキャッシュレス決済すらほとんど使わない状況ですが、少しづつでも慣れて行かなければなりません。マイナンバーカードの普及率は総務省発表(2022年9月末)でまだ50%程度のようですので、まだの人は早めに取得した方が良さそうです。
にほんブログ村