2023年4月から年金額がアップします

2023年4月からの年金は、昨年度と比較して原則1.9%~2.2%アップします。昭和31年4月1日以前生まれの68歳以上相当の人で1.9%アップ、昭和31年4月2日以後生まれの67歳相当の人2.2%アップです。4月分の年金は5月分と合わせて2か月分が6月15日に支給されますのでそこから反映されます。これらについて説明します。

2023年度の年金額の例

昨年の2021年度の年金額は前年度比▲0.4%、一昨年の2020年度の年金額は前年比▲0.1%と暫く年金額の減少が続いていましたが、2023年度年金額は昭和31年4月2日以後生まれの67歳相当の人で前年比2.2%アップ、昭和31年4月1日以前生まれの68歳以上相当の人で1.9%アップと、久しぶりの上昇となりました。

区分2023年度
(月額)
2022年度
(月額)
2021年度
(月額)
国民年金 ※老齢基礎年金(満額)66,250円64,816円65,075円
厚生年金 ※夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額224,482円219,593円220,496円
【2023年度の年金額の例(67歳相当以下の場合)】

表中の国民年金(老齢基礎年金)は加入期間480月の満額の値です。また、厚生年金は先の老齢基礎年金を含み平均的な収入(賞与含む月額換算の平均標準報酬43.9万円)と夫婦2人分の老齢基礎年金(満額)を合わせた年金額です。

また、2023年度の68歳以上(昭和31年4月1日以前生まれ)の老齢基礎年金(満額)は、月額66,050円となり、前年比1.9%アップされた年金額です。同様に夫婦2人の標準的な厚生年金額を前年比1.9%アップで計算してみると月額223,766円程度となります。

年金額改定の仕組み

2023年(令和5年)4月分からの年金額は、名目手取り賃金変動率(+2.8%)および物価変動率(+2.5%)がともにプラスとなり、かつ、名目手取り賃金変動率が物価変動率を上回るため、67歳以下の人(昭和31年4月2日以後生まれ)は名目手取り賃金変動率68歳以上の方(昭和31年4月1日以前生まれ)は物価変動率を用いて改定されます。

また、2023年度のマクロ経済スライドによる調整率(▲0.3%)と、2021年度・2022年度のマクロ経済スライドの未調整分による調整(▲0.3%)が行われます。このため、2023年4月分からの年金額は、原則前年度から、67歳以下の人で2.2%の引き上げ68歳以上の人で1.9%の引き上げとなりました。

年金額の改定ルールについては次のサイトをご覧ください。

なお、2023年度(令和5年度)の参考指数は次のとおりです。

  • 物価変動率:+2.5%(令和4年の値)
  • 名目手取り賃金変動率:+2.8%
    ※「名目手取り賃金変動率」:前年の物価変動率に過去3年度分平均の実質賃金変動率と可処分所得割合変化率(0.0%)を乗じたもの。
  • 実質賃金変動率:+0.3%(令和元年度から令和3年度の平均)
  • マクロ経済スライドによるスライド調整率:▲0.3%
  • 前年度までのマクロ経済スライドによる未調整分:▲0.3%
    ▲0.1%(令和3年度のマクロ経済スライドによるスライド調整率の繰り越し分)+ ▲0.2%(令和4年度のマクロ経済スライドによるスライド調整率の繰り越し分)

さいごに

物価上昇が続いており、現役世代は給料アップが期待されています。しかし、あまり給料に期待できず、主な収入を年金に頼っている私のような世代には、これから先が心配になってきます。それでも今回のような年金額アップの改定があると、少しとは言え、明るい気持ちになってきます。

とはいえ、マクロ経済スライド調整のような制度があると物価上昇以上の年金額アップは望めません。年金だけに頼るのでは無く、比較的安全な資産運用等もしっかりやって大切なお金の延命も図ることが重要とあらためて考えさせられました。

まだまだ長い人生ですので、余力をもって続けていきたいと思います。

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