FBA在庫保管制限で推奨商品が追加納品できない、その理由と対処方法

AmazonのFBA倉庫では、商品が長期間在庫として滞留すると推奨商品であっても追加納品できなくなります。私のような初心者には、よくありそうな話なので理由と対処方法を説明します。

突然追加納品ができなくなった

私はFBA(Fulfillment By Amazon)ネット問屋を利用してAmazonに出品しているのですが、ネット問屋から比較的売れ筋の良い商品を追加納品していただこうとしたところ、Amazonの在庫保管制限があり納品できないという連絡が入りました。

まだ始めてから1年強の初心者の私にとっては驚きでした。FBA倉庫の長期滞留品については、超過料金がかかるとは認識していたのですが、追加納品できないとは、(恥ずかしながら)初めて知った次第です。

そこで、Amazon担当者とのやり取り等で分かった内容をまとめてみた次第です。

在庫保管制限とは

FBA倉庫の保管スペースを効率的に管理・運用するために在庫保管制限が適用されることがあります。 在庫保管制限は在庫容量に基づき(m単位)、在庫の保管タイプ毎に設定されています。 これらは、在庫パフォーマンス指標として簡単に確認する事ができます。

普段から気を付けておかなければならない事は主に次の2点です。

  • 在庫パフォーマンス指標を確認する
  • 保管容量を確認する

以下、各々について説明します。

在庫パフォーマンス指標

在庫パフォーマンス指標とは、在庫保管制限の目安となるしきい値です。現在このしきい値は400で、下回ると在庫保管制限が適用されます(例外あり:出品期間が26週間未満の新規出品者と2回のスコアチェック対象週のいずれにおいて十分な売上データがある等場合は適用されない)。

次の画は在庫パフォーマンス指標の例です。FBAを利用しているとAmazonセラーセントラルで商品情報・売上情報等を管理しますが、これは、セラーセントラル・トップページメニューの「在庫>在庫健全化ツール」の在庫ダッシュボードから確認する事ができます。

FBAの在庫パフォーマンス指標の例

現在、在庫パフォーマンス指標は158としきい値の400を大幅に下回っています。この値を改善するためには、画右側の4つの項目(下記)を改善する必要がありますが、今回は特に「余剰在庫の割合」を減らす事が求められています。ただし、(残念ながら)在庫パフォーマンス指標の見積り計算式は利用者に開示されていませんので、対処的に実施・確認していかなければなりません。

  • 余剰在庫の割合:余剰在庫を減らす対応が必要です。在庫日数を90日間以内にするのが理想で、在庫日数180日以上から余剰在庫と見なされ、保管期間が365日に達する前に在庫の返送・廃棄処理をしなければなりません。
  • FBA販売率:広告や値引き等で販売率を上げる対応が必要です。FBA販売率2.0未満の商品を特定して対策を講じます。
  • 有効な出品情報がないFBA在庫の割合:商品情報を充実させる事が必要です。
  • FBA在庫ありの割合:良く売れる商品の在庫が途切れないようにする事が必要です。ただし、「在庫保管制限」が生じると追加納品が一切できなくなります。

保管容量

商品には保管タイプ毎に保管容量の制限があります。商品の保管タイプには、標準サイズ、大型サイズ、服&ファッション小物、シューズの4つのタイプがあります。

次の画は、保管タイプ毎の保管容量状況の例です。セラーセントラル・トップページメニューの「在庫>FBA納品手続き」から確認する事ができます。

FBAの保管タイプ毎の保管容量の例

この情報から、標準商品の保管容量がオーバーしており、他の保管タイプは問題ない事がわかります。標準商品の保管容量の在庫保管制限は1.61(mですが、次の四半期の在庫保管制限は1.33(mなので、この容量以下に抑える必要があります。

対処方法

とにかく在庫を減らす対策が必要です。主な対策は次のとおりです。

  1. 商品を値引きして売り上げる:商品を大幅値下げして売り上げ、在庫を減らします。
  2. 広告キャンペーンを出して販促する:上記①と同時に広告キャンペーンで売り上げ・在庫減を期待します。
  3. Amazon在庫処分セール・在庫処分タイムセールを活用する:Amazonの同セールを活用して売り上げ・在庫減を期待します。ただし、同セールは条件がありますので利用できない商品もあります
  4. 返送・廃棄処理を依頼する:とくかく在庫を減らすために自宅へ返送又は所有権を放棄して廃棄をしてもらいます。自宅に返送する場合は、保管場所が必要ですので、段階的に返送かもしれません。
  5. 返送の場合:上記④の返送を少し詳しくすると。
    • 再度納品する:自宅に返送すると商品が在庫から無くなり、直ぐに再納品しても倉庫保管日数カウントはリセットされます。ただし、在庫パフォーマンスの回復にはある程度の時間がかかります。(多分効果が出ると思いますが実施していないので不明です、これを実行される場合はAmazon担当者に確認されるのが良いと思います)
    • 別ルートで販売する(メルカリ等):自宅に返送後、メルカリ等で販売します。比較的長い間の保管場所が必要で、売上後は自分で梱包・送付をしなければなりません
    • 買取業者で買い取ってもらう:ネットで調べると中古品等の買取業者が見つかりますので、そこの買い取ってもらいます。ただし、お金が絡みますので安くても信用の置けるところに頼みましょう

順番としては、①②③を1週間程度実施し、その後に④⑤でしょうか。

留意点

今回の反省を含めて気付き事項を記載します。

  • ネット問屋への発注数は、数量が多いと値引きされますが、商品数が多いだけFBA倉庫に長く滞留する可能性がありますので、要注意です。今では最低発注数量で良いかなと考えています
  • 買取業者は、現在出張買取不可(コロナ禍が理由)で店頭買取のみ可の場合があります。この場合は、Amazonから商品を一旦自宅に返送してもらい、その後に買取業者の所へ持ち込む必要があります。例えばブックオフ系のハードオフでは現在出張買取不可です。さらに、取扱可能な商品と取扱いできない商品がありますので、事前に調べる事が必要です。例えば、ブックオフ系では次のとおりですので、電話等で確認しておくと安心です。特にペット用品は引取り先が限定されるのでご注意ください
    • ブックオフ:書籍、CD・DVD・レコード等
    • ハードオフ:家電、オーディオ、PC・スマホ・タブレット、工具、カメラ、楽器等
    • オフハウス:家具・インテリア、生活雑貨、スポーツ用品、キャンプ・アウトドア等

さいごに

FBAの商品長期滞留による在庫保管制限について説明しました。手痛い失敗事例です。しかし、商売全てそうなのでしょうが、難しいものでFBAではなかなか利益が出ません。やっと少し売れ筋の良い商品が見つかったと思ったら、急に在庫保管制限で追加納品NGです。

これでは、零細の個人事業としてはFBA利用が困難という結論になりそうです。これからAmazonに期待する事としては、①在庫パフォーマンス指標の見積り方法の開示、②保管クラス毎の制限の緩和(複数の保管クラスの合算とか)、③在庫保管制限が生じても推奨商品は納品可能、④在庫保管制限が生じる前に警告メッセージを発信、等の改善を期待したいものです。

個人的にはFBAを今後も続けるかの曲がり角かもしれません。

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FBA在庫保管制限で納品できないその理由と対応方法
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