遺言信託の費用の比較、やはり資産家しか利用できないのか

遺言信託の主な信託銀行等の商品について支払う費用の面から調べて見ました。 超高齢社会に臨み、信託銀行等各行は介護や相続に係るサービスに力を入れており、そのようなサービスの一つに遺言信託があります。
ネットバンキングがまだ手薄な分野のためなのか手数料は高めです。サービス内容を絞り費用を抑える事が可能な商品もありますが、今回は、比較的面倒見の良い商品の比較で説明します。

遺言信託とは

相続税の基礎控除が2015年の改正で、次のとおり下がっていますので、相続税の対象者が大幅に増えおり、 自分が万一の場合の関心が高まっていると思います。

・相続税の基礎控除=3,000万円+(法定相続人×600万円)

その対策の一つが遺言信託で、万一の時に後に残された奥さんや家族が困らないよう、あらかじめ信託銀行等に遺言書の作成や、亡くなった後のことを信託することです。

遺言信託の契約をしておくことで、信託銀行等は、遺言書作成の相談・サポート、遺言書の保管、相続財産の調査や、遺産分割手続きなどを行ってくれます。

ただし、次に説明するとおり結構費用が掛かりますので、限定したサービスだけをお願いして費用を抑える方法もあります。

各行の比較と特長

次の表は、主な信託銀行等の代表的な遺産信託商品の費用面でみた比較です。

段階としては次のように費用が対応します。

  1. 相談は無料ですね。
  2. 契約書を締結する時に基本手数料を支払います。
  3. その後、遺言書管理料が毎年かかります。
  4. もしも内容を変更する場合は変更手数料が必要です。
  5. 自分が亡くなった時に遺言を執行していただきますが、その時の費用が遺言執行報酬です。この報酬は、相続評価額により比率が異なりますので(額が大きいほど比率は低くなる)、各行一番下の区分の値を記載しています。
主な遺言信託の商品と費用の比較
【主な遺言信託の商品と費用の比較】

各行の補足説明をします。

三菱UFJ信託

商品名は「遺心伝心」で、100万円型プランと30万円型プランがあります。

100万円型プランは、相続人・受遺者一覧、財産明細、財産目録、分割案の試算等が記載された「遺言信託付属資料」が作成・提供されます。

30万円型プランは、上記の「遺言信託付属資料」の作成・提供が省略されたプランです 。

預り資産は、三菱UFJ信託銀行、三菱UFJ銀行、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、三菱UFJモルガン・スタンレーPB証券 のものが対象になります。

三井住友信託

商品は、「遺言信託執行コース」のプラン1とプラン2です。

プラン1は、初期費用(基本手数料)を低く抑え、その代わりに毎年の遺言書管理料を取るタイプです。

プラン2は、初期費用(基本手数料)を厚くして、その代わりに毎年の遺言書管理料を0にしたタイプです。

今回の表には載せませんでしたが、遺言者を保管して相続開始時には遺言書を相続人の方々にお渡しする「保管コース」もあります。

みずほ信託

商品は、「遺言執行引受予諾業務」のプラン100とプラン30です。

プラン100は、 初期費用(基本手数料)を110万円(税込)とし、遺言執行報酬の相続財産にかける比率を下げています。

プラン30は、 初期費用(基本手数料)を33万円(税込)と低く抑えていますが、遺言執行報酬の相続財産にかける比率を上げています。

りそな銀行

商品は、「 一般形遺言信託」の基本コースとオプションコースがあります。

基本コースは、初期費用(基本手数料)を33万円(税込)とし、遺言執行報酬の相続財産にかける比率を上げています。

オプションコースは、初期費用(基本手数料)を88万円(税込)と高くしている反面、遺言執行報酬の相続財産にかける比率を基本コースに半分に下げています。

一般形の他に、 一人だけに遺贈される場合に利用できる「パッケージ型遺言信託」があり、手数料が有利になる商品が用意されています。

注意すべき点

その他の注意すべき点を記載します。

  • 上記表の費用は、信託銀行等に支払う分だけです。その他の、公証人手数料、税理士報酬、 司法書士報酬、 不動産登録免許税、 戸籍・除籍謄本、固定資産評価証明書、登記事項証明書、 印鑑証明書等発行手数料 等の取り寄せ費用、 預貯金等残高証明書等発行手数料 、株式等を換金する場合の株式手数料等は含まれていません。
  • 遺言執行の費用計算の基になる「相続税評価額」は、課税価格の特例等(小規模宅地の特例等)により減額される前の評価額です。
  • 債務があった場合でもその債務額は減額されません。

さいごに

調べてみると費用が意外に高く驚きです。5千万円ぐらいでも150万円~200万円ぐらいでしょうか。信託銀行を活用することができるのは、やはりある程度資産を持っていないと実行する気にはなれません。

最近では、信託銀行等でもWebでの支援や簡易型の支援方法を用意していますので、一部だけサポートをお願いする手もあると思います。

終活のことを考えると、介護、遺産整理、成年後見制度、家族信託、生命保険信託等々いろいろあり大変です。今回の内容も自分用にまとめた感がありますが、引き続き、整理を続けていきたいと思います。

でも信託銀行等の商品を見ると殿様商売のように見えてくるのは私だけでしょうか。他人事とはいえ、心配になりますが。。。

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