米国地方銀行の破綻や欧州クレディ・スイス経営不振後のUSB買収、ドイツ銀行金融不安再燃等が続き、国内外の株式市場が非常に不安定になっています。この状況において大切な資産を守り、次の飛躍につなげることを考えたいと思います。
資産配分の見直し
リスクを極力抑えるために資産分散(アセットアロケーション)が有効だと言われています。分散の形態としては資産(預貯金、債券、株式、コモディティの代表として金等)を分散する、投資地域(日本・米国・欧州や先進国・新興国等)を分散する、時間(積立、分散購入等)を分散するなどがあります。
主な資産に相当する商品について、投資地域を国内と海外に分け、整理してみたいと思います。また、商品については一括又は分散購入する個別投資と積立可能な投資信託で分けてみたいと思います。
国内の投資商品の一例
次の表は、資産区分(預貯金、債券、株式、金)と投資方法(個別投資、投資信託)で整理した国内の投資商品の一例です。個別投資では一括購入よりも可能であれば分割購入を、また投資信託でも積立で時間分散を図るのがリスクを抑える事になります。
なお、投資信託の[ ]は信託報酬を含む管理費用を表しています。
表のポイントを簡単に説明すると次のとおりです。
- 証券口座連携口座:ネット証券口座を自社グループの銀行口座と自動入出金連携させると金利優遇サービスが受けられます。SBI証券とNEOBANK(住信SBIネット銀行)のハイブリッド預金、楽天証券と楽天銀行のマネーブリッジなどがあります。
- 個人向け国債10年:変動金利でインフレになると金利も上昇していきます。ただし、預入期間は最低1年以上となります。
- 個別株式:個別株式はリスクが高くなりますので、底(この見極めが難しいですが)で購入し中長期保有が原則です。落ち着いて投資できるよう配当利回り3%以上の銘柄を狙います。
- 金:(現物)とは金の現物(金地金、コイン)を購入することです。この他に積立購入も可です。金は金利が付きませんので長期保有が原則です。
- 投資信託:インデックス型・ノーロードの投資信託の一例です。ドルコスト平均法のメリットを享受できる積立が原則です。
なお、証券口座連携口座、個人向け国債10年、そして次節の米ドル定期預金、米ドル建MMFについては、次の記事でもう少し詳しく説明していますので、ご覧ください。
米国地方銀行の破綻や欧州クレディ・スイス経営不振後のUSB買収等金融不安が続き、国内外の株式市場が非常に不安定になっています。我が家の資産形成を考えるうえで、一時的な縮小は仕方がないとしてもその被害を少しでも抑えて次の飛躍につなげたいもの[…]
海外の投資商品の一例
次は、海外の投資商品の一例です。
投資信託の[ ]は信託報酬を含む管理費用を表しています。
(JNK)、(AGG)、(VYM)、(VTI)、(IAU)、(GLDM)は米国ETFのティッカーコード(日本株式の株式番号に相当)です。これらは、米国株式として米ドルで購入しなければなりませんので、為替リスクが生じます。
表のポイントを簡単に説明すると次のとおりです。
- 米ドル定期預金:NEOBANK(住信SBIネット銀行)の6ヵ月物金利で4.6%です。NEOBANKはSBI証券と口座連携ができ、しかも外貨即時決済サービス(手数料はSBI証券が負担してくれるので無料)があり、外貨サービスが充実しています。
- 米ドル建MMF:米国株式の売却後や購入資金の一時保管に最適だと思います。例えばSBI証券の商品では現在4%前後の金利です。
- 債権・米国ETF:上記表のJNKやAGGです。JNKはいわゆるジャンク債なので、金融不安時には避けた方が良いかもしれません。
- 株式・米国ETF:上記表のVYMやVTIです。世界の株式市場は米国を中心にまわっています。しかし、個別株式はリスクが高くなりますので、米国ETFを保有します。
- 金・米国ETF:上記表のIAUやGLDMです。IAUの方が歴史がありますが、その分管理費用が高くなっています。これから購入するのであればGLDMでしょうか。
- 投資信託:投資対象を海外とした国内投資運用会社の商品です。一例で上げている金の投資信託も国内投資運用会社の商品ですが、金はグローバルなので国内・海外の両方に記載しています。
これからの方針
整理した表を基にこれからの方針を考えてみます。私の方針としては次のとおりです。
- 個別株式では、国内銀行株と米国市場個別株式を一旦売却する。
- 個別株式では、資金の余裕の範囲で高配当株式を長期保有する。
- 米国株式を売却して得られた米ドルは、米ドル定期預金6ヵ月物と米ドル建MMFで運用し、次のチャンスを待つ。
- 今後ダメージを受けそうな新興国・発展途上国株式やジャンク債への投資は避ける。
- 米国対応、世界対応、金の積立投資信託(インデックス、ノーロード)は継続する。
さいごに
いまの金融不安定な時期の投資方針をまとめてみました。これらの中で特に最近注目しているものは「eMAXIS NASDAQ100インデックス」の積立です。積立当初は高値掴み傾向があり、暫くマイナスでしたが、このインデックスには銀行株が除かれており、しかもChatGPT等AIの関心が高くなっていますので、上昇傾向になってきました。
これに限らず、少ない銘柄に絞ると暴落リスクが高くなり大きなダメージを受ける可能性があります。定年後の投資方法としては、あらためて広く分散させることが重要だと再認識した次第です。
とはいえ、コロナ禍終息しつつありますので、ウクライナ戦禍等も早く良い方向で終息されることを祈らずにはいられませんね。
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