海外旅行へ行くときに日本円を外貨に交換しますが、例えば市中銀行では米ドル1ドル当り片道1円交換手数料が取られます。また、ネット証券でも、外国株(ドル建て)や米国MMFを購入する際、米ドル1ドル当り数十銭手数料が取られます。日本円から米ドルへの交換は、FXを活用することにより、比較的安く交換できますので、その方法を説明をします。
米国株や米国MMF購入には米ドルが必要
日本の株式市場は、最近は少し元気が出てきていますが、米国ほどではありません。このため、米国株、米ドル建てETF・債券・投資信託、米国MMF等に投資している方も多いと思います。
しかしこれらの金融商品を購入する場合は、日本円を米ドルに交換しなければなりません。ネット証券では、この交換手数料が数十銭とかなり安くなってきていますが、FX(外国為替証拠金取引)を活用することにより、もっと安く交換することができます。
FXとは
FXの正式名称は「外国為替証拠金取引」で、日本円と対象となる外国通貨の相対的な為替取引の買値・売値差により利益を得ようとする取引のことです。
証拠金として自分のFX用口座に入れるお金の最大25倍の取引ができますので(レバレッジをかけて最大25倍の取引ができます、レバレッジとは梃の意味です)、一般的には非常にリスクの高い金融商品です。
でもリスクを取らずに、日本円を米ドルに交換するためのツールとして活用することができます。
交換費用はFXのスプレッドのみ
FXのスプレッドとは売値と買値の差ですが、例えばその差が0.2銭であれば、1ドル100円の場合、100万円を1万ドルに交換する費用は20円です。市中銀行の片道1円であれば、交換費用は10,000円ですので、結構大きいですね。
交換方法
日本円を実物の米ドルに交換する場合は、一旦、レバレッジをかけないで日本円から米ドルへFX取引をします(レバレッジ=1とする)。この取引はFX口座で行われますので、その後で「現引き」という処理を行うことにより、実物の米ドルが口座に入ります。
ただしFX口座を活用して日本円を米ドルに交換する場合は、最低1万通貨単位で取引しなければなりません。その時のドル円レートによりますが、1ドル100円の場合は100万円以上の現金をあらかじめFX口座に用意しなければなりません。
交換する流れ
日本円を米ドルに交換する流れは次のとおりです。
- 100万円以上をFX口座に用意する
- レバレッジを1として、1ドル100円の時に1万ドルを購入する
- 1万ドルの米ドルを現引きする
交換した後は
「現引き」により、実体としての米ドルが1万ドル口座に入りますので、この後、この米ドルから直接に外国株式・ETF・MMFを購入することができます。ただし、これができる証券会社は限られています。
メリットとデメリット
この方法のメリットとデメリットをまとめると次のようになります。
【メリット】
- 日本円から米ドルへの交換費用が安い
- 対応している証券会社であれば、継続して直接米ドル建て商品の取引ができる
【デメリット】
- FX口座に100万円以上の現金を用意しなければならない
- 対応できる証券会社が限られている
なお、上記が可能な証券会社はSBI証券で、私も利用させていただいています。
理想的には円高の時に
ただし、外国為替の絡む取引ですので、円安の時に行うと為替差損が発生する可能性があります。このため外国通貨に換える時はいつもそうですが、円高の時に実施することが理想です。
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