米国株式資産をある程度保有しておくことは、私たちの大切な資産を守るために有効です。ここでは米国ETFに絞り、S&P500、米国株式全体、世界株式全体に対応するETFを比較して考えてみたいと思います。
米国市場は強い
新型コロナウイルスの影響で世界的に大きく下落した株式市場は、米国株式市場でいち早く回復に向かっています。 まだまだ予断を許しませんが、私たちの保有する資産を守るためには、米国株式投資は必要な事と考えています。
次のグラフは、20年前を100とし、NYダウ(黄色)、日経平均(青色)、外国為替取引の米ドル円(赤色)を相対比較したものです。
最近、新型コロナウイルスの影響で大きく値を下げましたが、NYダウは20年前と比べ順調に上昇しているのが分かります。
それに比べて、日経平均はもどかしい限りです。また、米ドル円は、比較的安定しているのが分かります。
このグラフから米国株式投資が有効なことが分かりますが、個別株式の購入は、リスクを伴いますので、米国株式全体に投資をするETF(Exchange Traded Funds、上場投資信託)や投資信託が良いと思います。
しかし、いつも疑問に思っていることは、ETFが使用する指標として、大型株中心のS&P500が良いのか、それとも全体を指標としているものが良いのか、という事です。
そこで、これらを比較してみることにしました。
比較するETFの概要
比較するETFは次の3つです。全て、ザ・バンガード・グループ・インクが運用しているETFです。信託報酬率(保有期間中課せられる経費)の低いものを選んだ結果、全てこの会社のものになってしまいました。
なお、( )の中は、Tickerコードといい、銘柄を特定するコードです。
- バンガード・S&P 500(VOO):S&P500指数に連動
- バンガード・トータル・ストック・マーケット(VTI):米国株式全体の指標に連動
- バンガード・トータル・ワールド・ストック(VT):米国を含む全世界の株式市場の指標に連動
2020年5月末時点の信託報酬率、時価総額、価格、分配金利回りは次のとおりです。
ちなみに、投資の神様とか、オマハの賢人と言われている「ウォーレン・バフェット」さんは、奥さんへの遺言で、「資産の90%はS&P500指数に投資しなさい」と書いているという有名な話があります(まだご存命です)。
長期チャートでの比較
続いて長期チャートで比較をしてみました。下記の図も過去20年前を100として、現在までの比較した相対チャートです。赤色は全てNYダウを現しています。
VOOとVTIは共に主として米国市場だけを相手にしているため、ほぼ同じような動きをしています。それでも誤差の範囲かもしれませんが、若干VOOの方が上を行っているようです。
一方、世界市場を相手にしているVTは、上昇していますが、NYダウを大きく下回っています。
次の図は、VOOとVTIのおいて構成している株式会社を比較的大きな企業、小さな企業等の比率で表したものです。
VOOは大企業中心のETFであり(S&P500なので当たり前ですが)、それに比べるとVTIはほぼ全ての米国企業の傾向を捉えようとしているように見えます。
今後もこの傾向が続くという保証はありませんが、現状では、米国大企業中心のETFの方が少し成績が良いようですので、あえて言えば S&P500を採用しているVOOが良いという結果になります。
なお、 S&P500を採用しているETFは、VOOだけではありませんので、念のため付け加えておきます。また、外国株式を扱っている有名なネット証券としては、SBI証券、楽天証券、マネックス証券があります。
私は、SBI証券を利用させていただいていますので、よろしければご覧ください。
さいごに
今回は、米国株式に係るETFを紹介させていただきました。VOOやVTIと比較すると見劣りしますが、VTも良い商品だと思います。VTは全世界を相手にしていますので、米国に何かあれば少しリスクを減らす期待があります。
とはいえ、米国に何かあれば全世界に影響を与えますので、これも気休めかもしれません。
考えるときりがありませんので、ここは、財産を守るという基本に戻って分散を考えましょう。少し米国に投資をして、少しその他の世界にも、少し現金や日本にも投資をして、余裕を持って観ていきたいと思います。
—–↓ブログ村ランキングに参加しています。
にほんブログ村