たび重なる楽天ポイント付与の変更、ポイントサービスの注意点

今年になり楽天ポイント還元について、楽天ゴールドカード、公共料金、投資信託保有額、そして10月1日プレスリリース税抜価格への対応等で利用者にとって不益になる変更が続いています。それでもメリットのある楽天ポイントですが、これらについて概要を説明します。

楽天のポイント還元サービス

今や楽天グループはいろいろな分野のサービスを手掛けておりこれを総称して楽天経済圏という言葉があります。次の図は、楽天の金融サービスである楽天カード、楽天銀行、楽天証券を中心にして描いた楽天経済圏のイメージ図です。

この中では、あたかも楽天ポイントが通貨のように(人間としてみると血液のように)循環しています。楽天グループがこれだけ大きくなったのも、楽天ポイント循環のスキームがあったためと言っても良いのではないかと思います。

しかし、今年になってから楽天ポイントの改悪が続いています。

楽天経済圏のイメージ
【楽天経済圏のイメージ】

楽天市場で買物をすると通常100円につき楽天ポイントが1ポイント付きます。さらに、楽天カードや楽天銀行・楽天証券等他の楽天サービスを組み合わせる事で、楽天スーパーポイントアップ・プログラムでポイントが増える特典があります。

楽天スーパーポイントアップ・プログラム(以下SPUといいます)の概要については、次のサイトをご覧ください(ただし、2020年7月時点のデータなので今回の変更等が反映されていません。正確には個別にご確認ください)。

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ポイント還元の変更

今年の主な変更点は次のとおりです。以下、この順番で概要を説明します。

  • 楽天ゴールドカードでの変更
  • 公共料金等支払の変更
  • 投資信託付与ポイント数の変更
  • 税抜価格への変更

楽天ゴールドカードでの変更

2021年1月14日「楽天ゴールドカード サービス改定のご案内」として発表されました。

楽天ゴールドカード(年会費税込2,200円)を保有・利用して楽天市場で買物をすると、従来ポイント+4倍であったのを、+2倍に変更になりました。これは、年会費無料の楽天カードと同じ特典です。変更開始は、2021年4月1日からです。

ただし、新たな特典として、誕生月に楽天市場・楽天ブックス利用でポイント+1倍(上限2,000ポイント)となる「お誕生月サービス」が追加されました。差し引きでいえば、これでも改悪です。

なお、楽天プレミアムカード(年会費税込11,000円)は、SPUでポイント+4倍(月間獲得上限15,000ポイント)で従来どおりです。

変更後変更前
SPUでポイント+2倍
(月間獲得上限5,000ポイント)
SPUでポイント+4倍
(月間獲得上限5,000ポイント)
【楽天ゴールドカードのSPUの変更】

楽天カードは、楽天カード(年会費無料)、楽天ゴールドカード(年会費税込2,200円)、楽天プレミアムカード(年会費税込11,000円)と3種類ありましたが、なんとなく将来的に楽天カードと楽天プレミアムカードの2種類にしたいのかなと考えてしまいます。

公共料金等支払の変更

2021年3月1日「公共料金等の楽天カード利用獲得ポイントに関するご案内」として発表されました。

公共料金等利用分における楽天カード利用獲得ポイント条件が、従来100円につき1ポイントであったのが変更後は500円につき1ポイントになります。変更開始は、2021年6月利用分からです。

変更後変更前
500円利用につき1ポイント100円利用につき1ポイント
【公共料金等の楽天カード利用獲得ポイントの変更】

対象の公共料金等は次のとおりです。

  • 公共料金(電気、ガス、水道)
  • 税金(国税、都道府県税など)
  • 国民年金保険料
  • Yahoo!公金支払い

投資信託付与ポイント数の変更

楽天から2021年6月25日付で、「ハッピープログラムの対象、楽天証券でのお取引(投資信託分)の進呈ポイントの変更に関するお知らせ」がありました。

その内容は、次の表のとおり、楽天証券の投資信託保有額に応じて付与されるポイントが、従来10万円毎に4ポイントだったのが、新しいルールでは、投資信託の銘柄レベルに応じて10万円毎に0~10ポイントとなるというものです。

変更後変更前
投資信託の月間平均残高10万円毎に 0~10ポイント投資信託の月間平均残高10万円毎に4ポイント
【投資信託保有額により得られるポイント数の特典】

最も付与ポイントが大きい10%の銘柄レベルでは、代行手数料率が1%以上と高いですので、実質改悪になっています。詳細は次の記事でまとめていますので、ご覧ください。

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税抜価格への変更

楽天から2021年10月1日付で、「楽天市場ご利用時の楽天ポイント進呈ルール変更についてのご案内」がありました。

楽天市場での買い物で、現在税込価格に対してポイントが付与されるのが、税抜価格に対してポイント付与されるように変更となります。これは、SPUや各種キャンペーンなどで進呈される期間限定ポイントの楽天ポイントについても変更されます。変更開始は、2022年4月1日(金) からです。

変更後変更前
商品毎又は注文確定時の
税抜購入金額
商品毎又は注文確定時の
税込購入金額
【ポイント付与の対象金額の変更】

例えば、変更後に楽天市場で1,980円(消費税180円を含む)の商品を購入した場合は次のとおり税抜価格1,800円に対してポイントが18ポイント付与されます。

【変更後のポイント付与例】※楽天資料から抜粋。

ポイント変更対象のサービスと対象外のサービスは次のとおりです(表をクリックすると説明サイトに移動します)。

楽天ポイント変更対象サービス
【変更対象サービス】※楽天資料から抜粋。
楽天ポイント変更対象外のサービス
【ポイント変更対象外のサービス】※楽天資料から抜粋。

なお、楽天カード利用通常ポイントについては変更無しで、100円のカード利用に対して1ポイント還元されます。関連する楽天カード利用の次の例でも従来どおりです。

  • 楽天ポイントカード:楽天ポイントカードを提示して楽天カードで支払うとダブルでポイントが貯まります。
  • 楽天Pay:楽天カードからチャージして楽天Payアプリ支払で最大1.5%付与されます。
  • 楽天Edy:楽天からチャージで200円毎に1ポイント、さらにEdy利用で200円(税込)毎に1ポイント付与されます。

→楽天カード公式サイト

→楽天Edyオフィシャルショップ

ポイントサービスの注意点

楽天に限らずポイントサービスは規約上、運営側が勝手に変更できますので、文句は言えません。下記は楽天ポイントカード利用規約第18条に記載されている楽天ポイントサービスの変更・終了に関する文章です。

第18条 (本サービスの変更・終了)
1.当社は、ユーザに事前に通知することなく、本サービスの内容または本サービス提供の条件の変更(ポイントの廃止、ポイント付与の停止、楽天ポイントカード加盟店または対象取引の変更、ポイント付与率または支払いに利用する際の換算率の変更を含みますが、これらに限りません。)を行うことがあり、本サービスの全部または一部を終了することがあります。ユーザはこれをあらかじめ承諾するものとします。
2.当社は、前項の変更または終了によりユーザに不利益または損害が生じた場合でも、これらについて責任を負わないものとします。

楽天ポイントカード利用規約

ポイントサービスを一方的に終了する事も可能ですし、今回のような付与率が悪くなり場合もあります。このためポイントは小まめに利用した方が良いだと思います。これは、繰り返しますが楽天に限った事では無く、ポイントサービス一般に言えることです。

さいごに

最近の楽天ポイントサービスの変更について説明しました。良く言えば整理・体系化されてきていると言えますが、利用者にとっては改悪です。まだまだ楽天ポイントの有効性は大きいですが、改悪です。

楽天モバイルの大赤字が影響しているのでしょうか、心配になってきます。単に利用者にデメリットのある変更をするのではなく、対応範囲を広げるとか組み合せるともっと有効になるとか、メリットのある事も一緒に変更してもらいたいものです。

これからも楽天グループには期待して行きたいのですが。

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