Amazonを活用して商品を販売する事は比較的容易になりましたが、しっかり利益を出すまでが大変です。ネット出品の手数料等は、Amazonが提供する料金シミュレータで見積もる事ができますので、その考え方を参考に販売利益の見積り方法を説明します。
FBAを活用したネットビジネス
FBA(Fulfillment By Amazon)を活用したネットビジネスを試行中です。商品は、米国Amazonから仕入れて日本Amazonのマーケットプレイスに出品します。
FBAとはサブスクリプション・サービスの一つで、FBAに登録し、商品をAmazonのフルフィルメント倉庫に送ると、その後の、商品保管、注文処理、梱包、出荷、配送、お問い合わせ、返品対応等を全てAmazonが代行してくれます。
比較的容易にネット出品ができる反面、FBA自体の利用料や国際配送費用等の費用がかさむので、利益を出すまでが大変そうです。ここでは、単純にAmazon出品する際の商品販売価格(売値)と仕入費用から算出される利益の見積りを出してみたいと思います。これには、AmazonのFBA料金シミュレーターというツールを参考にしています。
なお、国際配送料等全体の見積り計算は、次の記事でまとめていますので、よろしければご覧ください。
定年後は時間的に余裕ができましたのでFBA(Fulfillment By Amazon)に挑戦中です。米国Amazonから仕入れて日本Amazonのマーケットプレイスに出品する事を考えていますが、本当に利益が出るものなのか検証してみました[…]
仮定する商品等
利益を見積る商品は次を仮定します。
- 商品カテゴリー:ホーム(インテリア・キッチン)※販売手数料15%
- 商品販売価格:3,000円
- 仕入単価:1,000円
- 数量:100個
- 配送時の寸法・重量:80cm(3辺の和)以下、重量5㎏以下
- サイト制作費:30,000円
FBAの販売手数料は、商品カテゴリーにより、8%~45%と大きく異なりますので、ここではホーム(インテリア・キッチン)の商品とします。この場合は販売手数料15%になります。
商品は、単価1,000円で100個仕入れ、それを販売価格3,000円でAmazonマーケットプレイスから売ります。売れた場合は、Amazonフルフィルメント倉庫から購入者へ配送時の寸法・重量の(例えばダンボール箱)で送られます。
また、この商品をAmazonマーケットプレイスに出品する時に外注で専用のサイトを制作します。この費用がサイト制作費30,000円です。既存の商品サイトに相乗りして出品する場合は、この費用は不要です。
見積り方法
次の表が見積った結果の一例です。
以下順番に説明していきます。
- A.商品価格は3,000円です。
- b1.出品サービス料率は(15%)です。※ホーム(インテリア・キッチン)
- b2.出品サービス費用は、3,000円×15%=450円となります。
- b3.配送代行手数料は寸法・重量から514円です。
- b4.月額保管手数料は、時期・寸法・日数等で計算されるのですが複雑なのでFBA料金シミュレーターの一例である31円を使います。
- b5.手数料等小計は、b2+b3+b4=995円となりました。
- c1.商品の仕入単価は1,000円です。
- c2.上記商品を100個仕入れました。
- c3.仕入額は、1,000円×100個=100,000円となりました。
- c4.商品を掲載するサイト制作費は30,000円と仮定しました。
- c5.消費税は、(c3+c4)×10%=13,000円です。
- c6.これらから商品原価は、(c3+c4+c5)/c2=1,430円となりました。
- p1.商品1個当たりの利益は、A-b5-c6=575円です。
- p2.総利益は、p1×c2=57,500円となりました。
商品100個販売して総利益57,500円ですので、これだけを見ると悪い数値ではありません。130,000円(=仕入額100,000円+サイト制作費30,000円)投資して総利益57,500円ですので、利益率44%です。
少し数字で遊んでみました
ここで少し数字のお遊びをしてみたいと思います。次のグラフは、販売個数(横軸)に応じた1個当たりの利益(右縦軸)と総利益(左縦軸)を表しています。
販売個数(横軸)が400個ぐらいまでは、販売数に応じて1個当たりの利益も増えており、その後は飽和してきています。これは、当然ながら販売個数が少なほどサイト制作費(外注)の負担が大きい事を表しています。
競争相手が多い中で、一つの商品で400個以上売れるものとなるとなかなかハードルが高くなりますが、目利きする際の一つの目標になります。
その他の留意点
今回の見積りでは、冒頭で述べたようにFBAを定常的・かつ安全に実行するための初期投資費用が入っていません。例えば次のような費用です(これも先に紹介した記事をご参照ください)。また、競争相手がいますの価格競争に巻き込まれる可能性もありますし、商品の返品リスクやブランド抵触等による出品取り下げリスクも考慮しておく必要があります。
- 定常的にかかる費用
- FBA利用料:月額5,390円
- 商品売れ具合等調査ツール:例えばKeepa(月額189€)
- アカウント停止リスク評価ツール:例えばSellersket(月額5,480円)
- 米国AmazonPrime会費:年額119ドル
- 国際・国内配送料
- その他(関税等)
- 価格競争:値下げ競争ですね。最初は十分利益が出ていても、後から参入された方が値下げしてきます。
- 返品・取り下げリスク:販売された商品の何%かは返品される物として考えなければなりません。また、注意しているつもりでも、ある程度ブランドに抵触するリスクが残ります。
さいごに
Amazonによるネット出品を試行してから2ヶ月あまり経ちましたが、以前として大幅赤字です。少しずつ出品をして売れているので増やすとそのころには他の方も参入してきて価格競争になったりします。なかなか継続して利益を出す事は難しいものです。
サラリーマンのころは、価格破壊で商品が値下がりするのは大歓迎でしたが、いざ小売商の立場になってみると大変です。商売人の方々には、ほんと頭が下がります。
なんとかできないかと、まだ試行は続きます。
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