ネットモール出品サービスの利益試算、セールモンスターの場合

FBAを利用するとAmazon出品は容易に実施できますが、意外と手間がかかります。しかしネット問屋やネット出品サービスを活用するとリスク回避と販路拡大が簡単に実現できます。これらを活用した場合の利益計算をしてみましたので紹介します。

概略フロー

ネット出品を行う場合に、売れて・利益が出て・ブランドに抵触しない商品を仕入れ、そしてそれらの作業が極力軽減できる事を考えなければなりません。

この解決の一つとして、ネット問屋とモール出品サービスとFBA(Fulfillment By Amazon)を活用する方法があり、次の図は、その構成を表したものです。

ネット問屋とモール出品サービスを活用したネット出品構成図
【ネット問屋とモール出品サービスを活用したネット出品構成図】

ネット問屋からは比較的安全に売れる商品を仕入れ、モール出品サービスではAmazonだけでは無く楽天市場やYahoo!ショッピング等の他のネットショッピングモールにそれほどの負担無く拡販する事ができます。

詳細については、下記の記事で説明していますので、ご覧ください。

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ネット問屋とモール出品サービス

セールモンスターとは

ここで一つの肝となるのが、モール出品サービスですので、この業者の一つとして「セールモンスター」を紹介します。

セールモンスターとは、Amazon以外のネットモールに出品を代行してくれる業者です。主な特徴は次のとおりです。

  • 商品をAmazonFBAに登録し(相乗り登録は対象外)、セールモンスターにサービス登録すると楽天市場・ Yahoo!ショッピング・ Qoo10 ・Wowma! ・ ポンパレ・YAMADA 等6モール(2020年4月 現在)に自動的に出品してくれます。
  • このため、FBAの大口出品者で、かつAmazonに自分の商品販売サイト(既存サイトへの相乗りは不可)を持っている方が対象で、これを基に他モールへに出品を設定します。
  • 他モールでの購入者には、FBAマルチチャネルサービス(MCF)を活用して商品を届けます(つまりAmazonフルフィルメント倉庫→購入者へ)。
  • 他のネットモールへの出品費用は、1商品120円(税抜)です。ただし初期費用は0円で、10商品まで無料です
  • セールモンスターは、出品者が指定した受取希望金額に出品に要する費用等を加算して他モールへの商品販売価格を決めます。セールモンスターが推奨する受取希望金額は、Amazon出品商品販売価格の90%です(まずは90%にしてその後状況を見て調整要)。

セールモンスターの登録サイトについては次をご覧ください。

→セールモンスターの登録サイトへ

FBAとマルチファンクションサービス

FBAには他のネットモール等に出荷可能なマルチファンクションサービス(MCFと称します)があります。ただし、Amazonから購入された場合の配送代行費用よりは若干高めになっています。

次の表は配送代行費用を比較した一例です。
配送代行手数料の上段がFBAの通常の費用、下段がFBAのMCFの場合の費用です。

配送代行手数料の比較
【FBAの配送代行手数料の比較(Amazon資料の抜粋)】
※MCFは2021年8月30日出荷分からの新料金(お急ぎ便)。

利益の試算

Amazonマーケットプレイスから購入した場合(Amazon購入)とモール出品サービス業者(セールモンスター)を利用して他モールから購入した場合(他モール購入)の利益の比較をしてみます

計算の前提

比較のための商品等の前提は次のとおりです。

Amazonでは商品カテゴリーに応じて出品サービス料率が決まっていますので、カテゴリーを 「ホーム(インテリア・キッチン)」とします。また、共にネット問屋から仕入れ、商品販売用サイト作成を依頼します。

  • 商品カテゴリー:ホーム(インテリア・キッチン)※販売手数料15%
  • 商品販売価格:3,000円
  • 受取希望金額:2,700円※他モール購入の場合の商品価格とします。
  • 仕入単価:1,000円
  • 数量:100個
  • 配送時の寸法・重量:80cm(3辺の和)以下、重量5㎏以下
  • サイト制作費:30,000円

試算結果

次の表が、Amazon購入と他モール購入の利益比較の結果です。

Amazon購入と他モール購入の利益比較
【Amazon購入と他モール購入の利益比較】

Amazon手数料等

Amazon購入の場合は、ホーム(インテリア・キッチン)の商品カテゴリーなので販売手数料15%(b1)となり出品サービス費用は450円 (b2) です。また配送代行手数料514円(B3-1)、月額保管手数料31円(b4、FBA料金シミュレータから)となり、手数料等は小計995円となりました。

他モール購入の場合は、b1、b2、b3₋1が無い代わりにMCF配送料870円(b3-2)があります。b4は同じですので、 手数料等は小計901円となりました。Amazon購入の場合と比較して費用が軽減されています。

ネット問屋からの仕入

Amazon購入と他モール購入とも前提の数値そのものです。仕入額100,000円(c3)は仕入単価1,000円(c1)に数量100(c2)を掛けて結果です。

モール出品サービス

他モールへの出品ですので、Amazon購入には無く、他モール購入のみです。 10商品まで無料が終わり、その後の1商品当り120円(税抜)としています。

商品原価

Amazon購入の場合は、消費税(e1)がネット問屋からの仕入額(c3+c4)の10%で13,000円となりました。これに仕入額とサイト制作品を加算し、数量で割ると商品原価1,430円(e2=(c3+c4+e1)÷c2)となりました。

他モール購入の場合は、 消費税(e1) がネット問屋からの仕入額とモール出品サービスの値を加算した金額(c3+c4+d1)の10%で13,012円となりました。 これに仕入額とサイト制作品と出品費用を加算し、数量で割ると商品原価1,432円(e2=(c3+c4+d1+e1)÷c2)となりました。

利益

Amazon購入の場合は、商品価格3,000円(A)から 手数料等小計995円(b5)と商品原価1,430円(e2)を差し引くと1個当たりの利益575円(p1)となりました。これに数量c2を掛けると総利益57,500円(p2)となりました。

他モール購入の場合は、商品価格2,700円(A)から 手数料等小計901円(b5)と商品原価1,432円(e2)を差し引くと1個当たりの利益367円(p1)となりました。 これに数量c2を掛けると総利益36,700円(p2)となりました。

留意点

上記の試算では、結果的にAmazon購入よりも他モール購入の方が出品者の利益が少ない事がわかりました。これは、次の事が考えられます。

モール出品サービス(セールモンスター)では出品者費用負担が少ないですが、モール出品サービス側の出品費用等が受取希望価格に加算されて商品販売価格になります。このため今回は商品価格をAmazon出品価格の90%と低く設定しているのが大きく、利益は少ない結果となっています。

反面、Amazon以外のネットモールに出品できる事は拡販効果が大きく売り上げを伸ばす事が期待できます。このため、仕入数量を増やして1個当たりの商品原価を下げ、小さな利益を積み重ねていく事が必要ということです。当たり前のことですね。

さいごに

Amazonから購入した場合とAmazon以外のネットモールから購入した場合の 出品者側の利益試算をしてみました。結果は、Amazonから購入していただいた方が利益は良い結果となっています。しかし、いままでAmazonだけだった販路が、比較的容易に他のネットモールにも広げることができるのは、売上増→仕入数増→利益増の良い循環になる事が期待できます。

モール出品サービス(セールモンスター)に依頼し、他モールに出品するとAmazon販売価格より高めに設定されそうで、これがどの程度売上に影響するのが、まだよく分からないところもありますので、これらについては、実行していくなかで調整しつつ考えて行きたいと思います。

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