JTやオリックスで株主優待制度を廃止する旨の予告ニュースを目にするようになりました。従来の株主平等の原則や東証区分再編後の上場基準が変更による株式流動性重視等が根底にあると考えられます。今後も同制度を廃止する企業が続きそうなので、株主優待狙いで購入実績のある銘柄についてこれからも購入・保有すべきかを考えてみました。少しボリュームがあるので本稿では、まず保有実績のある株式の優待制度について簡単に確認してみたいと思います。
JTに続きオリックスも優待廃止予告を公表
オリックスから2022年5月11日付で株主優待制度を廃止するというニュースがありました。今の優待制度は2024年3月31日までの株式保有者までが対象となり、その後廃止されます。私が最も良いと思っていた企業の優待制度ですので、少々ショックでした。詳細は次の記事をご覧ください。
オリックスから2022年5月11日付で株主優待制度を廃止するというニュースがありました。いまの株主優待制度は、2024年3月31日までの株式保有者までが対象で、その後は廃止するという内容です。株主還元に熱心で、株主優待制度も優れた銘柄です[…]
購入実績のある銘柄
まずは、購入・保有実績のある株式の優待制度を見ていきたいと思います(Yahoo!ファイナンスの株主優待ページを参考にさせていただきました)。なお、オリックスについては省略しますので、先の記事をご覧ください。
日本郵船
権利確定月3月末日において、100株以上保有で飛鳥クルーズ料金10%割引優待券が3枚いただけます(500株以上6枚、1,000株以上10枚)。
なお、株式分割予定が発表され、2022年9月末日保有者は、1株につき3株に分割されます。これに伴い株式優待制度は、100株~1,500株未満3枚、1,500株~3,000株未満6枚、3,000株以上10枚になります。
日本製紙
権利確定月3月末日において、100株以上保有で自社グループで製造・販売している家庭用品詰め合わせ(フェイシャルティシュー・トイレットペーパーなど)がいただけます。
スコッティのブランド名ですね。
すかいらーくHD
権利確定月12月末日・6月末日の各々において、100株以上保有で株主優待カード2,000円分がいただけます(300株以上5,000円分、500株以上8,000円分、1,000株以上17,000円)。
株主優待カードは、他のクーポンと併用して使えますので、お得感があります。
サンマルク
権利確定月3月末日において、100株以上保有でサンマルク株主優待カードが1枚いただけます。この優待カードは自社グループ直営店・フランチャイズ店での提示で飲食料金が20%割引になります(一部10%割引もあり)。
プレナス
権利確定月3月末日において、1年以上継続して100株以上保有で株主お買い物優待券500円分が5枚いただけます(1,000株以上で10枚)。
イオン
権利確定月2月末日・8月末日の各々において、100株以上保有で株主優待カード(イオンオーナーズカード)が本人・家族分で2枚いただけます。この優待カードは自社グループ店での提示で購入金額の3%がキャッシュバックされます(500株以上4%、1,000株以上5%、3,000株以上7%)。
また、毎月20・30日のお客様感謝デーでは、購入金額に対して5% OFFの特典もあります。
さらに、長期保有優待特典があり、2月末時点において3年以上継続保有で1,000株以上所有でイオンギフトカードがいただけます(2,000株以上4,000円、3,000株以上6,000円、5,000株以上10,000円)。
ヤマダHD
権利確定月3月末日において、100株以上保有で株主優待券500円分が1枚いただけます(500株以上4枚、1,000株以上10枚、10,000株以上50枚)。
また権利確定月9月末日において、100株以上保有で株主優待券500円分2枚いただけます(500株以上6枚、1,000株以上10枚、10,000株以上50枚)。
ただし、株式優待券を利用する場合は、税込み合計金額1,000円以上につき、1,000円毎に1枚の制限があります。
楽天グループ
権利確定月12月末日において、100株以上を5年間未満の保有で楽天キャッシュ500円分・5年以上保有で1,000分がいただけます(1,000株以上5年未満1,000円・5年以上1,500円、5,000株以上5年未満1,500円・5年以上2,000円、10,000株以上5年未満2,000円・5年以上2,500円)。
また、楽天トラベル国内宿泊クーポンが1,500円相当分いただけます(100株以上一律)。
なお、楽天キャッシュとは、オンライン上で使える電子マネーです。
SBI HD
権利確定月3月末日において、100株以上保有で暗号資産XRP2,000円相当または機能性表示食品・化粧品等の自社関連会社商品をいただけます。
また、1,000株以上かつ1年以上継続保有で暗号資産XRP8,000円相当または機能性表示食品・化粧品等の自社関連会社商品をいただけます。
さらに、関連会社が販売する健康補助食品(サプリメント)・化粧品を通常価格から50%割引の割引購入申込券1枚をいただけます。
KDDI
権利確定月3月末日において、100株以上を5年間未満の保有でauPAY マーケット商品カタログギフトから3,000円分・5年以上保有で5,000分の商品がいただけます(1,000株以上5年未満5,000円・5年以上10,000円)。
NTT(日本電信電話)
こちらは毎年いただける訳ではなく、少し変則です。
権利確定月3月末日において、100株以上を2年以上5年間未満の保有でdポイント1,500ポイント、5年以上6年未満で3,000ポイントがいただけます。
ケネディクス・レジデンシャル・ネクスト投資法人
これはREIT(不動産投資信託)の投資主優待制度です。
権利確定月1月末日・7月末日において、1口以上保有で施設見学無料・前払金や賃料割引等の優待があります。ただし、施設ごとで優待内容は変わります。
ご興味があれば次の記事をご覧ください。
ヘルスケア系REITでは、投資主優待として老人ホーム・介護施設等の無料見学、入居・利用費用割引等があります。この記事では、ヘルスケア分野も保有するKDR(ケネディクス・レジデンシャル・ネクスト投資法人)の優待対象施設を調べてみました。[…]
株主優待制度の種類と全株主メリット
これからは、今の株主優待制度が全体の株主にとってメリットがあるのかが重要になってくると思います。この観点でみると次の区分になりそうです。
- 自社商品・サービスに係るものか:企業業績向上の可能性があり比較的株主メリットがある。
- 他社商品・サービスに係るものか:企業業績向上の可能性が無く株主メリットが無い。
- 継続保有条件があるか:株価安定化の可能性もあるが、株主メリットはそれほど無い。
また、この他に配当との関係があると思います。配当が良い場合は機関投資家も企業業績向上に資してしているとある程度納得するかもしれませんが、そうでない場合は危うい気がきます。
さいごに
まずは、保有実績の株式に限って、現状の株主優待制度を概観してみました。これを基に今の株主優待制度が残りそうかを次回の記事で考えてみたいと思いますので、引き続き、ご覧いただければ幸いです。
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