ネット証券・銀行で何かと比較される楽天GとSBIホールディングスですが、楽天銀行のIPOが近づいてきています。一足早く上場した住信SBIネット銀行のIPO時資料と比較して、楽天銀行のIPOの対応について考えてみたいと思います。
楽天銀行のIPO
IPOとは「Initial Public Offering」の略で「新規公開株式」のことです。いままで、未上場企業であった株式が証券取引所に公開・上場されます。これにより企業は資金調達ができ、投資家は公開された株式は市場で売買できるようになります。
楽天銀行のIPOの取り扱いは次のとおりです。
- 銘柄名(銘柄コード、上場市場):楽天銀行株式会社(5838、東証プライム)
- 仮条件:1,300円/株~1,400円/株
- ブックビルディング期間:2023年4月5日18:00~2023年4月11日10:50
- 公開価格決定:2023年4月13日
- 抽選日時: 2023年4月18日夕方頃
- 公開日:2023年4月21日
- 購入手数料:無料(全てのIPO手数料は無料)
楽天銀行と住信SBIネット銀行の比較
公募株式の比較
楽天銀行はこれから公募株価が決まりますので今は仮の値です。一方、住信SBIネット銀行は既に公募が終わり、2023年3月29日に上場されましたので実績値になっています。
比較項目 | 楽天銀行 (予定) | 住信SBIネット銀行 (実績) |
---|---|---|
上場市場 | 東証プライム | 東証スタンダード |
公募株価 | 1,300円/株~1,400円/株 | 1,200円/株 |
売出数(国内) | 5,555,500株 | 3,272,100株 |
発行価額の総額 | 8,476,304,125円 | 5,340,067,200円 |
目論見書からみた両行の比較
次は、IPO時に公開される目論見書の主な指標の直近値の比較です。数値的には楽天銀行の方がよさそうに見えますが、比較時期が異なるため微妙です(もう少し中身を精査する必要がありそうです)。
住信SBIネット銀行の公募価格は1,200円/株でしたので、楽天銀行の仮条件は1,300円/株~1,400円/株と少し強気です。
比較項目 | 楽天銀行 | 住信SBIネット銀行 |
---|---|---|
口座数 ※単位:百万 | 3.6 (2022.3月) | 5.1 (2021.12月) |
計上収益・連結 ※単位:百万 | 89,136 (第3四半期累計:2022.12月) | 60,234 (第3四半期累計:2021.12月) |
1株当たり純資産額・連結 ※単位:円 | 1,115.70 (2022.3月) | 886.36 (2021.3月) |
1株当たり当期(四半期)純利益・連結 ※単位:円 | 123.93 (第3四半期累計:2022.12月) | 86.40 (第3四半期累計:2021.12月) |
住信SBIネット銀行のIPO後の状況
それでは、楽天銀行の予想に参考になりそうな、住信SBIネット銀行のIPO後の状況がどうであったかを確認してみたいと思います。
次のグラフは、住信SBIネット銀行が2023年3月29日に上場してその後4月7日(金)までの1時間足チャートです。
金融不安の中でのIPOでしたので公開価格1,200円/株と少し低めの値決めとなり、上場日に最安値1,172円/株と公募価格を下回ってしまいました。
その後は、金融不安が少し改善されたこともあり急速に株価が上昇し、4月7日(金)終値で1,444円/株と上昇トレンドを形成しつつあります。
私の場合は、IPOに申し込みましたが外れたため、公開後に少し買付しました。運の良い事に公開価格1,200円を下回る株価で購入できました。さらに、下値(1,200円以下)になったら分散して拾っていこうと考えていましたが、3月31日から順調に上昇を続けている状態です。
これからの方針
住信SBIネット銀行の株価は、公募価格1,200円から約2割アップの1,444円ですが、金融不安が払拭されていませんので、まだまだ安心はできません。
このため楽天銀行も次の方針で臨みたいと思います。
- IPOのブックビルディングに参加する。希望価格は上限の1,400円です。
- IPOの当選した時点で再度市場動向を確認して購入可否を検討する。
- 上場後は、仮条件1,300円/株~1,400円/株以下の購入を狙う。この場合、随時公開される配当、株主優待、楽天Gのキャンペーンを注視しつつ、無理はしない。
さいごに
個人的には、既に住信SBIネット銀行株を保有しているので、無理に楽天銀行株を持たなくとも良いと思っています。
楽天銀行の魅力は何といっても楽天Gの一員であり、楽天ポイントを流通させる楽天経済圏の中心ということですので、これに係る株主優待等が欲しいところです。これらが明確になればもう少し積極的に出ても良いかもしれません。
不安定な市場が続いています。無理をしないでチャンスがあれば出動するかもしれない、、、程度で臨みたいと考えています。
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