ウォルトディズニー株がそろそろ面白いかも

長くヒット作が続かず下落傾向のウォルト・ディズニー(DIS)の株価ですが、少し収益が改善されつつあります。そろそろ低迷の打ち止め感が期待できますので、少し購入してみました。これからの期待を込めて説明します。

最近の状況

ウォルト・ディズニーは言わずと知れた米国の総合エンターテインメント企業です。メディア部門ではABCテレビ等8局とケーブルチャンネルを有し、リゾート部門ではフロリダ州で「ディズニー・ワールド」、カリフォルニア州で「ディズニー・リゾート」を所有しています。映画等も制作しており、最近ではインディージョーンズと運命のダイヤル、リトルマーメイト実写版などが放映されています。また、Disneyプラス等の配信も手掛けています。

ただ日本での人気とは裏腹に米国のウォルト・ディズニー(DIS)株価は下落が続いており配当も無配と低迷しています。まずは最近の株価等を確認してみます。

株価チャート

日本での人気とは対象的なNY市場のウォルト・ディズニーの株価チャートです。まだ予断を許しませんが、良い材料が出て、なんとなく$80後半で反発しそうな感じです。

Disney株価週足チャート2年間
【DIS株価チャート(週足、2年間)】※Yahoo!Japanファイナンスから。

銘柄情報

次は同株式の主な株式指標です。SBI証券サイトのデータを使用させていただきました。信じられないですが配当がありませんROE、ROAもひどい状態です。如何に利益を上乗せできるかが課題です。

  • 株価(2023.8.11終値):$89.02
  • 予想PER(2022.10期):44.67
  • 実績PBR(2022.10期):1.71
  • ROE:3.47%
  • ROA:1.74
  • 配当/配当利回り:0/0%

低調な理由

なんでこんなに酷い状態なのかを簡単に整理してみました。

  • 資本効率が悪い:ROE(自己資本利益率)やROA(総資産利益率)が悪く、企業の資本に対して生み出す利益が少ないことを表しています。収益を上げてコストを削る取組が必要です。
  • 映画・動画配信が不調多様性を重視するあまり主人公のイメージを変えた事が不人気の原因です。自ら招いた事ですので、改善は容易に見えます。
  • フロリダ州デサントス知事との確執:デサントス知事主導による性的マイノリティー教育を制限する法律を州議会で可決した事に対するディズニーの批判に対し、フロリダ州議会は設立時から自治区として認められていたディズニー・ワールド地区の自治権を廃止する法案を2022年4月に可決しました。税金の優遇もなくなるのでコスト増の要因の一つとなりました。
  • テーマパーク入場者数が低調:長い間コロナ禍で入場者数が低迷していましたが、終息後順調に回復していますので、ここはあまり問題ではなくなっています。

復活するための要件

株価が2023.8.11終値で4.5%上昇して$91.42となりました。理由は、第3四半期純利益がアナリスト予想を上回っていた、ストリーミング事業の営業利益が10億ドル改善、広告無しDisneyプラスを27%値上げ・広告無しHuluを20%値上げ等の発表等のためでした。

これらを踏まえると次のような事があれば株価が大きく復調すると思います。

  • 収益改善と復配:なんといっても収益改善と配当復活が必須です。魅力的な映画・動画制作・必要な値上げによる売上増、テーマパーク来場者増、そしてコスト削減による収益改善。これらの結果で株価上昇が期待できるようになります。
  • 映画人気復活:マイ・エレメント、ホーンテッドマンション、マーベルズ等上映中やこれから公開される映画がヒットしていくと業績改善につながります。今までのコンテンツを活かし、ファンが求めるものを期待したいと思います。
  • カルフォルニア知事との確執解消:自治権を廃止する法案等は次期大統領共和党有力候補の一人であるデサントス知事主導によるです。今後の予備選への影響や民主党知事の誕生憶測等で変わる可能性があります。

さいごに

久しぶりに米国株式を考えてみました。切っ掛けは、メタ・プラットフォーム(META、旧フェイスブック)です。METAは、メタバース対応へ大きく舵を切りましたが、その影響で株価が$380(2021.9.13)から$90(2022.10.31)へと下落しました。しかし2023.8.11終値を見ると$301.64と大きく改善しています。もしも$100あたりで購入していると約3倍になっていたわけです(もしもはありませんが)。

同様な動きがないかと探して見つけたのが今回紹介したウォルト・ディズニーです。日本で大人気のディズニーがひどい状態でしたので、米ドル建MMFを解約して、少し購入してみたわけです。

ただし、円安も進行中ですので、円貨からの購入は疑問です。既に米ドルを保有しているのであれば検討に値すると思います。

なお、今回は米国株式のウォルト・ディズニーについて検討してみましたが、これだけが株式投資ではありません。こんな株式もあるという事で、あくまでも余裕をもって臨むのが良いと思います。チャンスはいつでもありますので焦ることは禁物です。

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