不安定な株式市場が続いていますが、損失を防ぐヘッジの一つがオプション取引です。修得を兼ねて、ものは試しと9月末の権利落ち日をまたぐプット買を実施してみましたので、この結果を説明します。
オプション取引とは
オプション取引では、コールオプションとプットオプションがあります。コールオプションとはある株価(権利行使価格とかターゲット価格といいます)で買う権利をいい、プットオプションとはある株価で売る権利をいいます。この株価を買う権利/売る権利を購入するときに支払うのがオプション・プレミアムです。
権利を買う人は、オプション・プレミアムを支払いますが、意に反して相場が逆の方向に動いたとしても最大損失はオプション・プレミアム代だけ(別に手数料等があります)となり損失が制限されます。
一方、権利を売る人は、オプション・プレミアムを受け取りますが、損失方向に相場が動くと損失は無限大になります。
オプション取引の決済方法は、満期日であるSQで強制的に行う方法とSQまでに頻繁に変動するオプション・プレミアムを途中で売買して決済する方法があります。
オプション取引の詳細は次のサイトをご覧ください。
実行したオプション取引
オプション取引に慣れる必要がありますので、実際にSBI証券に先物・オプション取引用口座を開設してミニ日経225オプション取引を実行してみました。
初めての事でもあり、まずは損失額がオプション・プレミアム代に限定されるオプション買です。
プット買
狙いは上期権利落ち日銘柄が多い9月28日の翌日がSQとなる「ミニ日経225OP23年9月第5週限のプット新規買」を1枚購入しました。購入時とSQ決済時の結果は次のとおりです。
項目 | 購入 | 決済 |
---|---|---|
日付 | 2023.9.25 | 2023.9.29 |
価格 | 権利行使価格32,750円 | 決済約定価格34,096円 |
数量 | 1 | 1 |
オプション・プレミアム | 205円(×100) | 340.96円(×100) |
手数料等 | 45円 | 74円 |
費用/受取額 | 支払総費用20,545円 | 手取り額34,022円 |
損益 | - | +13,477円 |
結果
購入時のオプション・プレミアムと手数料等で支払総費用20,545円に対して決済時の手取り額34,022円で、最終損益は13,477円の利益となりました。
結果的にはまあまあの成績ですが、途中経過ではオプション・プレミアムが500円~600円を超えた時期もあり、そのタイミングで決済すれば、利益3万円~4万円程度になっていました。
今回は、初めての事なので最初からSQまで持ち続けようと考えていましたので、プラスになっただけでも良いのですが、少々ほろ苦い結果です。
オプション取引の留意点
今回のオプション取引を通して学んだ点を一般的な原則と個人的に原則で簡単にまとめてみたいと思います。
一般的な原則
- オプションの単独売りは禁止(損失が無限大になる可能性がある)。
- オプション取引では指値注文を行う。成行注文は禁止(板が薄いのでとんでもない値になる可能性がある)。
- 証拠金や売買資金は余裕をもたせる。
- 買・売ポジションは長期間もたない(SQ(満期日)までの期間が短くなるにつれてオプションプレミアムは下がる傾向にある)。
個人的な原則
- オプションプレミアムの価格は数千円~数万円/枚のものに留める。
- オプションプレミアで利益が生じた場合はSQ(満期日)まで待たない。利益も数千円~数万円でOK。
さいごに
初めてのミニ日経225オプション取引をまとめてみました。比較的少額のオプション・プレミアムで日経225指数×100円の取引ができ、買の場合は損失限定できるので面白い取引だと思います。
個別株式の場合は、その株特有の情報が事前には分かりずらい面があります。しかし、日経225の場合はニュース等で共通情報として現れるので比較的読みやすい面があると思います(それでも当たり外れはありますが)。
例えば、ニュースでよく目に付く、日銀の利上げ観測、米国政府機関閉鎖有無、米国政策金利と雇用統計、ドル円相場、中国不動産不安、ウクライナ情勢等々です。
これらの影響で、オプション・プレミアムはよく動きますので、SQを待たずに利益確定する事も可能です。
とはいえ、予期せぬことが突然起こるのも相場ですので、無理のない範囲で楽しむのが良いと思います。