定年後の我が家の資産運用方法は、退職金の一時金も加えて、コア・サテライト戦略で考えました。コア資産としては、相続型信託と組み合わせたインデックス型の積立投信信託と米ドルによるETF運用を、サテライト資産としては国内外の個別株で運用しています。これらについて具体的に説明します。
コア・サテライト戦略とは
投資の世界のコア・サテライト戦略とは、比較的安全に運用するコア部分と、比較的リスクをとって積極的に運用するサテライト部分に分けて投資を行う考え方です。公的年金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)も採用している考え方で、安全性を担保しつつ、ある程度高いリターンを目指す運用方法の考え方です。
我が家のコア・サテライト戦略
比較的安全なコア部分は一度やり方を決めると後は年に1~2回見直すだけですので退屈です。このため、サテライト部分でリスクを取る運用を行うことにより、それなりに楽しんでいます。
我が家でのコア・サテライト戦略の方法について、次から説明します。戦略というほどでは無いのですが、投資経験の少ない方には、このような方法もあるのかと少し参考になるのではないかと思います。
前提
コア部分とサテライト部分の説明に入る前に、前提を次のようにします。
- 退職金2,000万円、その内の一時金分1,500万円、企業年金原資500万円
- 退職金以外に生活費1年分は確保済(例えば360万円は普通・定期預金等)
つまり、ここで対象にするのは、一時金分の1,500万円で考えます。これ以外は、生活費の普通・積立預金、企業年金、将来の公的年金などのベースがありますので、一時金分1,500万円は、少しリスクを高めても良いかもしれません。
このため、サテライト部分の比率が少し高いですが(老後の大切なお金なのでサテライト部分は30%~10%程度に抑えるべき)、コア部分1,000万円とサテライト部分500万円に分けます。
コア部分の運用方法
コア部分の500万円は、相続型信託に預け、250万円は国内外のETF(インデックス型)・米ドルMMFの外貨運用、250万円は個人向け国債に預けます。
相続型信託分(500万円)
相続型信託とは、信託銀行が扱っているもので、自分に万が一があった場合に家族が必要なお金をすぐに引き出せる口座です。
例えばこれを5年契約とし、自分用年金400万円(毎月6.5万円受取)と奥さん用一時金100万円に分けて預けています。奥さん用の一時金を作ったのは、相続発生時に自分用年金をスムーズに奥さん用口座に移すためです。
自分用年金分(毎月6.5万円受取)と企業年金分(毎月2.5万円受取)を合わせた毎月9万円はNISAかつインデックス型の投資信託で積立て運用しています。一度に購入するのが不安なため、このように時間分散しています。
積立投資信託のアセットアロケーションは下記に内部記事がありますので、ご覧ください。
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外貨運用分(250万円)
米ドルですと2万ドル(今ですと約220万円)をインデックス型の米国ETFや米ドルMMFで運用します。
上記の毎月購入の投資信託でも外国株式や外国債券がありますが、日本だけではなく外国もということで地域的なリスクヘッジをしていることになります。
ご参考までに私が保有している米国ETFと米ドルMMFは次のとおりです。
- バンガードトータルストックマーケット(VTI)
- SPDRバークレイズハイイールド債券(JNK)
- iシェアーズゴールド・トラスト(IAU)
- ブラックロック・スーパーMMF
SPDRバークレイズハイイールド債券は、コア銘柄じゃないだろと突っ込みが入りそうですね。いわゆるジャンク債ですがインデックス型なのと配当が良いので、コアとして扱っています。
個人向け国債分(250万円)
個人向け国債は、物価に連動している、最低金利0.05%(税引前)が保証されている、1年経過後解約可能で元本が保証されている等で人気の高い商品です。
ただやはり今の低金利では、私としては魅力が無いのでまだ購入しておらず、投資信託の積立の方にまわっています。
なお、個人向け国債は、証券会社等によって購入金額に応じたキャッシュ還元キャンペーンを実施しているところがあり、これらを活用すると良いと思います。
サテライト部分の運用方法(500万円)
ここはリスクをとるところですが、定年後の運用では、アクティブ型の投資信託(評判の良いところのみ)、高配当の個別株式、REIT以外はお勧めしません(REITは上記図では個別株式に入れています)。それ以外はリスクが高すぎます。
私の場合は、配当の高い国内株式と少しの米国株式で運用しています。
なお、米国株や米国ETF/米ドルMMFを購入するためには、日本円から米ドルに交換する必要があります。
この交換は、FX(外国為替証拠金取引)を活用することにより、比較的安く交換することができます。対応している証券会社は限られていますが、有効な方法です。詳細は下記の内部記事に記載しておりますので、ご興味があればご覧ください。
海外旅行へ行くときに日本円を外貨に交換しますが、例えば市中銀行では米ドル1ドル当り片道1円交換手数料が取られます。また、ネット証券でも、外国株(ドル建て)や米国MMFを購入する際、米ドル1ドル当り数十銭手数料が取られます。日本円から米ドル[…]
定期的な見直しを
資産運用は、定年後の安心できる生活を支える重要な手段です。コア資産とサテライト資産の考えで、安定的でかつ楽しみながらリターンもそこそこ得られるような構成と配分を考えてみてはいかがでしょうか。
そして、世の中の状況は変わっていきますので、それに合わせた見直しを年1回程度は実施してはいかがでしょうか。
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