12月はNISA口座の金融機関変更のタイミングです。現NISA口座の変更手続き、現NISA口座で積み立てていた投資信託等の売却、新たな金融機関でのNISA口座開設、新たな金融機関でのNISAを活用した投資信託の購入等を行っていくことになります。少し分量があるので分けて説明したいと思います。今回は、新たに購入する投資信託やETFの銘柄の比較をしてみましたので、これから説明します。
NISA口座の変更方法
NISAで一度でも取引を行うとその年ではNISA口座の金融機関ができません。このため、12月はNISA口座の金融機関を変更するタイミングになります。
NISA口座やNISA口座を活用した積立投資信託を行うと特典を付与するネット証券等がありますので、変更したいと考えている人も多いのではないでしょうか。
NISA口座の金融機関変更については、次の記事でまとめていますので、ご興味があれば、ご覧ください。
NISA口座は年単位でなければ変更できないので、12月が変更のタイミングです。私の場合は、SBI証券か楽天証券が候補ですので、ケーススタディを基にNISA口座の変更先を検討してみました。NISA変更先を決める上での考慮点N[…]
新たなNISA口座で購入する投資信託等の比較
NISA口座を変更すると今までのNISA口座で積み立てていた投資信託等も新たなNISA口座に移したいのですが、現NISA内の銘柄を移管すると手数料が発生します。このため、一旦売却し、変更先の金融機関で再びNISA口座を活用した購入にするのが良いと思います。
新NISA口座で購入する投資信託等として、何が良いのかをあらためて比較してみたいと思います。
投資信託(アセット毎)
次の表は、アセット毎の主な投資信託の銘柄(金融商品)で、中長期の積立に向いているインデックス型(指数連動型)・ノーロードタイプ(売買手数料無料)のものです。
各々、2020年11月~12月時点での、管理費用(税込)、純資産(単位は億円)、基準価格(単位は円)等と委託会社を示しています。
アセットとしては(アセットクラス)、日本債券、日本株式、先進国債券、新興国債券、先進国株式、新興国株式、日本REIT(不動産投資信託)、先進国REIT、金の代表的な銘柄です。
また、先進国株式では米国を含めて先進国全体のもの(先進国株式)と米国の企業だけを対象にしたもの(先進国株式(米国))とに分けています。
管理費用とは、投資信託を保有している限りかかる費用で、信託報酬率を含めて運用・管理にかかる実質的な諸費用です。管理費用が小さく(保有コストが少なく)純資産が大きいほど(安定している)良い銘柄という事が言えます。
ただし、純資産については、管理費用の小さいインデックス型の場合、あまり気にする事はありません。設定されてからの期間が短いと純資産がまだ小さいからで、管理費用が小さい金融商品は競争力がありですので、その内に純資産も増えていきます。
とはいえ、選ぶ目安としては、まず第1に管理費用(率)が小さいものがあり、その次に純資産の大きいものという事になります。基準価格はあまり気にする必要がありません。
この目安でアセットクラス毎に選ぶと上の表の青字の金融商品になります。
投資信託(グローバル、バランス型)
投資の損失リスクを低減するためには、時間・アセット・地域を分散する事が重要です。このため、時間分散のために積立があり、アセット・地域分散のために先の表の投資信託をいくつか組み合わせてリスクを低減しなければなりません。
しかし、いくつかの投資信託を組合せるのは管理が面倒という方には、次の表のような投資信託があります。
グローバルとは、ほぼ全世界の国々の株式や債券に投資をする投資信託です。ここでは、株式タイプを2種類、債券タイプを1種類上げています。
バランスとは、いくつかの資産(アセット)に均等に分散して投資するスタイルの投資信託です。この表で挙げているものアセットは次のとおりです。
- 4資産:日本債券、日本株式、先進国債券、先進国株式
- 6資産:日本債券、日本株式、先進国債券、先進国株式、日本REIT、先進国REIT
- 8資産:日本債券、日本株式、先進国債券、先進国株式、日本REIT、先進国REIT、新興国債券、新興国株式
どのアセットの投資効率が良いのかを予想するのは困難で、アセットの騰落率を見ると毎年順番が入れ替わります。このため、アセットを均等に分散してリスクを下げるという考え方です。
ちなみに私たちの年金を管理・運用しているGPIF(年金積立金管理運用独立法人)では、4資産均等を基本ポートフォリオをして運用しています。
ETF(上場投資信託)
ある程度の資金がある場合は、一般的な投資信託より管理費用が安いETF(上場投資信託)を購入する方が良いかもしれません。ETFは株式と同じように市場で売買できますが、売買手数料も発生します(ネット証券によっては一部の銘柄の手数料を無料にしているところもあります)。
また、国内ETFは、流通量が少ないので自分の希望価格・タイミングで売却できない可能性がありますので、ここでは海外ETFのいくつかを挙げてみました。
GLDMは比較的新しい銘柄ですが、その他はどれも有名な海外ETFで、米国市場に上場されています。金融商品の:以下にアルファベットが記載されていますが、これはティッカーコードとよばれ日本でいえば証券番号に相当するコードです。
バンガード社の商品は、どれも管理費用が低いので有名ですが、最近では一般の投資信託の管理費用も安さではバカにできません。
また、ETFは株式同様に市場で売買できますので、自分の好きなタイミングで購入できます。そして購入ではリスク分散のために一括購入ではなく、何度かに分けて購入した方が良いと思います。
また、金以外のETFは分配金(配当利回り)があります。分配金については、一長一短で、一般の投資信託は分配金を自動で再投資できますので複利効果が出てきます。しかし、ETFは再投資しようとすると分配金分を自分で購入しなければなりません。面倒ですし、手数料が発生する可能性があります。ただし、分配金をお小遣いとか生活費に使うという手がありますので、このあたりでも人による好みがでてきます。
購入候補のピックアップする観点
アセット毎の投資信託(特に青色の銘柄)、グローバル・バランス型の投資信託、そして海外ETFと候補を挙げてみました。これらの中でどれを選ぶかは好みの分かれるところですが、共通的な考え方を整理すると次のとおりです。
- 管理費用の安いインデックス型の投資信託・ETFを購入する。
- 時間を分散できる積立投資信託かETFの場合はいくつかに時期を分けて購入する。
- アセット・地域を分散できる投資信託・ETF、又はその組み合わせで購入する。
- 組合せの場合は、リスク(価格の変動幅)とリターン(利益率)を参考に銘柄を決める。
リスクとリターンの考え方は、本稿の続きである(その2)で説明したいと思います。
なお、投資信託やETF等の情報は楽天証券のデータを利用させていただきました。楽天証券にご興味があれば下記サイトをご覧ください。
さいごに
投資信託・ETFの銘柄の構成は、ポートフォリオと言い、これを決めるために各投資信託等に明記されているリスクとリターンを参考に自分に合ったものにします。
神様では無いので将来のことを見通すことは不可能ですが、それでもなんらかの決定する目安が欲しくなるものです。その目安を決める方法を自分なりに次回の(その2)でまとめてみます。とはいえ、最後はえいや!の世界だと思っています。
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