資金の逃避先としての預貯金と債券、そしてやはり株式も捨てがたい

世界的に株式市場の不安定な状況が続いています。このような中、一旦株式以上から資金を退避させている人も多いのではないかと思います。そこで、退避先候補である預貯金金利や有望な投資信託について簡単に整理してみましたので紹介します。

預貯金の金利

まずは常道である普通預貯金と定期預金の金利を円貨と米ドル預金等で調べてみました。

普通預金

銀行としては、市中銀行として三菱UFJ銀行、ネット銀行として住信SBIネット銀行(NEOBANK)楽天銀行を比較してみました。

銀行名金利:
国内預貯金
金利:
米ドル預金
三菱UFJ銀行0.001%0.01%
住信SBIネット銀行0.001%
(ハイブリッド預金0.01%)
1.0%
楽天銀行0.040%※楽天カード引き落としの利用者
(マネーブリッジ0.1%)
0.01%
円貨と米ドルの普通預金金利の一例

相変わらず低金利なので、あくまでも一時退避先としかみれません。この中で住信SBIネット銀行のハイブリッド預金と楽天銀行のマネーブリッジは、各々、SBI証券又は楽天証券と口座連携をしている場合の優遇金利です。

特に楽天銀行の普通預金・マネーブリッジ金利が良いのが目に付きます。また、米ドル預金では外貨に強い住信SBIネット銀行ということを印象付けています。

定期預金

円貨で預ける定期預金の一例が次の表です。たまにキャンペーンを打つこともありますが、現状では差がありません。

銀行名1ヵ月3ヵ月6ヵ月1年
三菱UFJ0.002%0.002%0.002%0.002%
住信SBIネット銀行0.020%0.020%0.020%0.020%
楽天銀行0.020%0.020%0.020%0.020%
円定期の場合(2022.11.18現在)

米ドル定期預金

次は米ドル建の定期預金を比較してみました。ここは、良くキャンペーンが行われているところです。

銀行名1ヵ月3ヵ月6ヵ月1年
三菱UFJ銀行0.01%(6.00%、預入れ時為替手数料0円)0.01%0.01%0.01%(0.60%、預入れ時為替手数料0円)
住信SBIネット銀行2.10%2.65%(円貨から5.00%)3.20%3.80%(円貨から5.00%)
楽天銀行0.40%(円貨から0.41%)0.70%(円貨から0.71%)1.00%(円貨から1.01%)1.20%(円貨から1.21%)
米ドル定期の場合(2022.11.18現在)

三菱UFJ銀行では、インターネット限定で、1ヵ月もの6.00%1年もの0.60%の金利優遇かつ預入れ時為替手数料(円貨→米ドル両替)無料のキャンペーンを実施中です。このキャンペーンの期間は「2022年10月3日~12月30日(金)23:59」です。

住信SBIネット銀行では、円貨からの米ドル定期預金3ヵ月ものと1年もので金利5.00%のキャンペーンを実施中です。通常、外貨預金を行う場合は、円貨→外貨(上記の場合は米ドル)に両替する為替手数料が必要ですが、この手数料込みで優遇されています。

楽天銀行では、米ドルから直接米ドル定期預金を行う場合と比較して、円貨から米ドル預金を行うと+0.01%金利が優遇されています。

為替手数料

米ドル預金を行うためには、(米ドルをお持ちでなければ)円貨→米ドルの両替を行いますが為替手数料が発生します。また、米ドル預金の満期時に米ドル→円貨に戻す場合も為替手数料が発生します。

この為替手数料を比較したのが次の表です。ここでも外貨に強い住信SBIネット銀行が現れています。

銀行名為替手数料(円貨⇔米ドル、片道)
三菱UFJ銀行25銭
住信SBIネット銀行6銭
楽天銀行25銭
主な市中銀行とネット銀行の為替手数料(2022.11.18現在)

個人向け国債

日本国が発行する個人向け国債には、次の表のとおり3種類あります。

購入単位は、額面1万円以上・1万円単位で、発行後1年経過すれば、いつでも中途換金が可能です。解約時は、直前2回分の各利子(税引前)相当額が差し引かれます。このため、1年後解約しても元本割れはありません。

この中で人気の高いのは、「変動・10年」です。金利上昇傾向にある今では、特に重宝で、1年経過後は(必要に応じて)いつでも解約できます。

個人向け国債の種類期間利率最低保証利率
固定・3年3年0.05%、第150回債0.05%
固定・5年5年0.05%、第140回債0.05%
変動・10年10年0.17%、第152回債0.05%
個人向け国債の種類と利率(2022.11.18現在)

投資信託

預貯金や国債では、所詮、低金利ですので、長く保持しておく事に抵抗があります。そこで、地域・銘柄に分散してリスクを低減し、かつ値上り益もある程度期待したいノーロード(売買手数料無料)・インデックス型の投資信託です。

一例を上げると次のとおりです。国内REITは不動産投資信託なので、株式に置いた方が良いのかもしれません(購入手数料が必要です)。

区分商品経費率利回り
投資信託_日本株式eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)0.154%
投資信託_世界株式SBI・全世界株式インデックス・ファンド(雪だるま)0.1102%
投資信託_米国株式eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)0.0968%
投資信託_世界債券eMAXIS Slim 先進国債券インデックス0.154%
投資信託_金SMT ゴールドインデックス・オープン0.275%
国内REITケネディクス・レジデンシャル・ネクスト投資法人3.83%
主な投資信託(2022.11.18現在)

まとまった資金があるのであれば、リスクを低減するために、一度に購入するのではなく数回に分けて購入した方が良いと思います。地域・銘柄分散だけでは無く、時間分散も図ることができます。

高配当株式も捨てがたい

今まで説明したアセットでは物足りないと思う人はやはり株式でしょうか。個別株式は、騰落率が大きいのでリスクが高くなります。

その中でも、比較的安定しているのが高配当銘柄です。もちろん業績や投資環境に影響されるので、なるべき底値で購入しなければなりません。

次の表は、東証プライムの大型株・中型株、配当利回り5%以上でスクリーニングした結果から、いくつか独断でピックアップしたものです。

銘柄コード株価
(2022.11.17終値)
配当利回り
日本郵船91012,783.5円17.36%
日本製鉄54012,192円7.3%
住友金属鉱山57134,506円6.68%
ソフトバンク94341,485.5円5.79%
SBI HLDG84732,619円5.73%
出光興産50193,135円5.42%
住友商事80532,166.5円5.08%
日本たばこ産業29142,762円5.07%
高配当銘柄の一例(2022.11.17終値)※SBI証券サイトから抜粋。

このような中から、ご自身で業績や投資環境等を加味しつつ、ご検討ください。暫くは資金を預貯金等に退避させているので、焦らず、分散して、購入タイミングを考えるのが良いと思います。

さいごに

一時退避させている資金の保有方法を簡単に説明しました。いままでの経験でいえば、ノーロード・インデックス型投資信託で分散投資するのが最も成績が良かったので、これからもこれを柱にしてみようと考えています。

ただ、今の状況はリスク満載なので(いつもの事とも言えるのですが)、いつでも資金逃避できる事を念頭に投資を考えた方が良いと思います。

大切な資金ですので、あくまで余裕のある対応をしたいと考えています。

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