金利が魅力の特殊な預金を考える、住信SBIネット銀行と楽天銀行

銀行の預貯金は、定期預金でも低金利が続いています。このような中でもネットバンクを中心にデリバティブ(金融派生商品)を組込む事で好金利を実現する特約付きの定期預金商品があります。住信SBIネット銀行では仕組預金、楽天銀行では満期特約・為替特約定期預金の名称のものです。元本割れのある嗜好性の高い金融商品ですが、余力資金の範囲で運用するのであれば面白そうな商品ですので簡単に紹介します。

住信SBIネット銀行の商品

同行では、特約付きの定期預金商品を仕組預金と称しており、次の表の4種類があります。金利については、各商品説明のところで説明します。

#名称預入期間預入通貨
→受取元本
受取利息預入単位
1円仕組預金
プレーオフ
1~10年円貨
→円貨
円貨10万円
以上
2外貨仕組預金
プレーオフ
1~5年外貨
→外貨
外貨停止中
3円仕組預金
コイントス
1ヵ月円貨→円貨or外貨円貨10万円
以上
4外貨仕組預金
オセロ
1ヵ月外貨→外貨or円貨外貨1000通貨
以上
※住信SBIネット銀行サイトから抜粋(2022年11月時点)

仕組預金は原則として中途解約ができません。また、特に外貨を扱うものは大きく元本割れする可能性がありますので、満期日まで利用予定のない余裕資金で行うのが鉄則です。

円仕組預金プレーオフ

金利の動向によって預入期間が変わるタイプの預金です。預入期間は1年から最長10年となる可能性があり、この延長するかの判断は住信SBIネット銀行が行いますので(利用者は不可)、10年間預け入れる覚悟が必要です。

金利には、フラット型(金利一定)ステップ型(預入期間が延長する毎に金利が上がる)の2つのタイプがあります。

募集期間「2022年11月10日~11月23日」の金利では、フラット型で0.70%ステップアップ型で0.25%→4.00%です。フラット型の金利をステップアップ型が追い越すのは6年目からです。ただし、利用者自身で継続可否を判断できないのが残念なところです。

外貨仕組預金プレーオフ

上記円仕組預金プレーオフの外貨版ですが、現在、募集停止中なので、説明を割愛します。

円仕組預金コイントス

通貨変動型の1ヵ月間の定期預金です。為替レートにより満期時の受取通貨が、「円貨」もしくは「外貨」になる定期預金です。「受取通貨が選べない」代わりに、通常の定期預金よりも高い金利を実現しています。

受取り通貨は原則次のように決定されます。

  • 預入時点と比較して受取時に円高になった場合:外貨
  • 預入時点と比較して受取時に円安になった場合:円貨
NEOBANKコイントスの受取通貨の判定イメージ
【受取通貨の判定イメージ】※住信SBIネット銀行サイトから抜粋

外貨は、米ドル、ユーロ、豪ドル、ニュージーランドドル、南アフリカ・ランドの5種類です。

現在募集している商品の金利は、米ドルの場合で10%で、これを基に受取時の評価がなされます。

外貨仕組預金オセロ

上記の円仕組預金コイントスの外貨版です。既に外貨を保有し、引き続き外貨で運用される人向きの商品です。ただし、満期時に円安の場合は元本を円で受取る事になりますので、継続して外貨運用を行う人は注意が必要です。

金利は過去の実績(募集期間2022年11月9日~11月17日)では、米ドル7%でした。次回の募集が2022年11月25日~2022年12月5日にありますので、金利を確認してみたいと思います。

楽天銀行の商品

楽天の商品では、次の表のとおり、満期特約定期預金として「楽天エクステ預金」、為替特約定期預金として「楽天デュアル定期預金」があります。

#名称預入期間預入通貨
→受取元本
受取利息預入単位
1満期特約定期預金
(楽天エクステ預金)
1~10年or(15年)円貨
→円貨
円貨10万円
以上
2為替特約定期預金
(楽天デュアル定期預金)
2週間円貨→円貨or外貨円貨10万円
以上
※楽天銀行サイトから抜粋(2022年11月時点)

満期特約定期預金(楽天エクステ預金)

金利の動向によって預入期間が変わるタイプの預金です。預入期間は最低1年からですが、最長は10年と15年の2つのタイプがあり、この最長期間まで預入となる可能性があります。この延長するかの判断は楽天銀行が判断しますので(利用者は不可)、10年間又15年間は預け入れる覚悟が必要です。

また、金利には、フラット型(金利一定)ステップ型(預入期間が延長する毎に金利が上がる)の2つのタイプがありますが、ステップ型を選べるのは最長10年のものだけです。

現在募集している商品の金利は、フラット型最長10年で0.001%フラット型最長15年で0.390%ステップアップ型(最長10年の)0.001%→0.010%です。

為替特約定期預金(楽天デュアル定期預金)

「楽天デュアル定期預金」は、為替レートにより満期時の受取通貨が、「円貨」もしくは「外貨」になる定期預金です。「受取通貨が選べない」代わりに、通常の定期預金よりも高い金利を実現しています。

受取り通貨は原則次のように決定されます。

  • 預入時点と比較して受取時に円高になった場合:外貨
  • 預入時点と比較して受取時に円安になった場合:円貨

外貨は、米ドル、ユーロ、豪ドルの3種類です。

現在募集している商品の金利は、米ドルの場合で11%で、これを基に受取時の評価がなされます。

なお、受取時に外貨となった場合、その資金は「外貨普通預金」に自動的に振り替えられます。

比較すると

住信SBIネット銀行と楽天銀行の商品を比較すると次のとおりです。

  • 住信SBIネット銀行の#1は楽天銀行の#1、住信SBIネット銀行の#3は楽天銀行の#2に相当します。住信SBIネット銀行の#4に相当する商品は楽天銀行にありません。
  • 今回の特殊な定期預金の比較では、一般的に商品が多く、金利も良い住信SBIネット銀行の方が優れています。ただし、住信SBIネット銀行#3楽天銀行の#2に限れば楽天銀行の方が高い金利です。
  • 外貨運用をされている人は、扱う外貨が多く、外貨仕組預金オセロがある住信SBIネット銀行の方が優れています。

さいごに

特殊な定期預金の商品を住信SBIネット銀行と楽天銀行で調べてみました。現在は、金利上昇傾向にありますので、預入期間が延びる可能性のある定期預金(住信SBIネット銀行のプレーオフや楽天銀行の満期特約定期預金)をお勧めできません。

それでも、為替レートにより満期時の受取通貨が変わる定期預金(住信SBIネット銀行のコイントス・オセロや楽天銀行の為替特約定期預金)は預入期間が短く、面白そうです。

とはいえ、外貨が絡みますので、あくまでも余裕資金の範囲で実施するのが良いと考えています。いろいろと面白そうな商品がありますが、実際に運用してから分かる事もありますので、まずは少額から始めてはいかがでしょうか。

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楽天市場
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住信SBIネット銀行と楽天銀行の特殊な定期預金
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