定年後の投資方針を整理してみました

定年時には退職金で大きなお金が入ります。この退職金の一部を運用して年金だけでは苦しい生活費に少しでも補填したいと多くの方が考えるのではないでしょうか。本稿では、私が実践している方法を概観してみました。

主な投資方法

ここで扱う投資商品は次のとおりです。各々についてはこの後に説明します。

  • 投資信託:投資の基本です。ノーロード(売買手数料無料)・インデックス型投資信託で積み立てます。対象投資先としては、債券、株式、金(ゴールド)があり、さらに地域としては米国、先進国、全世界と多彩です。
  • 株式投資
    • 好配当株式投資:比較的規模の大きく、配当利回りが3~4%以上の銘柄を保有します。例えば、平均配当利回り4%の銘柄を合計1,000万円保有していると40万円/年(税引前)の配当が受取れます。
    • テーマ型株式投資:その時々に人気のある銘柄に投資します。ただし、人気は短命に終わる可能性がありますので、いつでも撤退できるよう考えておく必要があります。
  • 国株式等:米国の個別株式や米ドル建ETFが対象です。
  • 一時退避先:いつも株式市場等が安定しているとは限りません。場合によっては、株式市場から退避する資金の預け入れ先を考えておく必要があります。

投資信託

投資信託には、アセット分類としては株式型、債権型、金(ゴールド)等があります。また、地域別では、国内、米国、先進国、全世界等々といろいろあります。基本は、売買手数料無料(ノーロード)で、かつ指数に連動するインデックス型の投資信託を長期に積み立てます。

比較的リスクをとるのであれば株式型、安定では債権型、株式と逆相関が多い金(ゴールド)等をご自身の投資方針に沿って積み立てていきます。

不定期に銘柄を見直す場合がありますが、私の場合は現状次のとおりです。なお、()の中の数値は信託報酬を含めた運用管理費用です。

  • 株式型・米国市場:eMAXIS Slim米国株式(S&P500、0.09372%以内)、ニッセイNASDAQ100インデックスファンド(0.2035%)
  • 株式型・全世界:SBI・全世界株式インデックス・ファンド(愛称:雪だるま、0.1102%程度)
  • 債権型・先進国:eMAXIS Slim先進国債券インデックス(0.154%)
  • 金(ゴールド):SMT ゴールドインデックス・オープン(0.675%)

株式投資

株式投資としては、じっくり腰を据えて投資する好配当株式とその時々の話題に即して活況付くテーマ型株式があります。これらについていくつか紹介します。

好配当株式投資

できれば配当利回り4%以上を狙いたいと思います。

一例としては次のとおりです。全て保有するには資金的に困難かもしれませんがご自身の好みと相談して極力割安なところで購入します。なお、()の中の数値は2023年6月23日終値時点の配当利回りです。

  • 武田薬品工業(4.09%)
  • JT(5.87%)
  • ソフトバンク(5.64%)
  • 三菱UFJフィナンシャル・グループ(4.03%)
  • 日本郵政(4.91%)
  • INPEX(4.01%)
  • ENEOS(4.56%)

テーマ型株式投資

配当利回り低いものや無配の銘柄でも短期的に活性する場合がありますので、これを予想するのも株式投資の面白いところです。

一例としては次のとおりです。なお、()の中の数値は2023年6月23日終値時点の配当利回りです。

  • 利上げ観測:日銀総裁交代と日米金利差拡大により金利上昇観測が流れま、金融株式が人気化しています。例えば、三菱UFJフィナンシャル・グループ(4.03%)です。
  • バフェット銘柄:「オマハの賢人」ことウォーレンバフェット氏のバークシャー社が買い集めて人気に火が付いた商社株で、三菱商事(2.86%)等です。
  • IR関係銘柄:統合型リゾート(Integrated Resort)関係です。例えば、金融株式でもあるオリックス(3.66%)です。
  • 高齢・終活関連銘柄:補聴器の国内トップメーカであるリオン(2.31%)。終末期ケアを行うホスピス住宅を運営する日本ホスピスホールディングス(0%)、また最近IPOで上場したシーユーシーがあります。ただし、これらは出来高が少ないので売却時に売れないというリスクが生じます。
  • 医薬品銘柄:コロナ禍で改めて医薬品メーカーに重要性が認識されました。上昇トレンドにある武田薬品工業(4.09%)等です。
  • AI・DX関連銘柄:浮き沈みが激しいのであまり参入していない分野ですが、最近ではVユーチューバーを運営しているANYCOLOR(0%)を注目しています。
  • 物流関連銘柄:2024年問題もあり、注目したい分野です。馴染みのあるところでは、ヤマトホールディングス(1.74%)
    ですが。ドライバー不足でコスト増になりそうです。セイノーホールディングあたりが良いかもしれません。

外国株式(米国・先進国・全世界)

もしも米ドルを保有していれば米国市場の株式や米ドル建ETFを購入するのも良いと思います。一例としては次のとおりです。

  • 米国株式ETF:バンガード トータルストックマーケットETF(VTI)があり、経費率0.03%、分配利回り1.16%です。
  • NASDAQ100連動ETF:Invesco QQQ Trust Series 1(QQQ)があり、経費率0.20%、分配利回り0.59%です。
  • 高配当ETF:バンガード 米国高配当株式ETF(VYM)があり、経費率0.06%、分配利回り3.18%です。
  • 金ETF:SPDR ゴールド ミニシェアーズ トラスト(GLDM)があり、経費率0.13%、分配利回りは金なので0%です。

一時退避先

今の国内相場は外国人が買っているために上昇が継続しています。これが反対に売り始める事がわかった場合には、積み立てている投資信託と株主優待等で長期保有を目的にしている株式以外は手じまい売りをするのが原則です。

そうなると次の投資のためにどこに資金を退避させておくのが良いかという話になります。一例としては次のとおりです。

  • 円資金
    • ネット証券会社の証券連携口座:ネット証券と自動入出金してくれるネット銀行口座です。楽天銀行のマネーブリッジでは0.1%、住信SBIネット銀行(NEOBANK)のハイブリッド預金では0.01%と金利が優遇されています。
    • 個人向け10年国債:元本割れがなく、最低金利(下限は0.05%)が保証されている国が発行する債券です。第159回物(募集期間2023年6月5日~6月30日)で税引前利率0.29%です。
  • 米ドル資金(米ドル建ETFを売却して米ドルで保有している場合)
    • 米ドルMMF:例えば、SBI証券の米ドル建MMFのゴールドマン・サックス物で想定利回り4.612%です。
    • 米ドル定期預金:例えば、住信SBIネット銀行の米ドル・6ヵ月物で金利4.6%です。

投資配分

ざっと概観してみました。次の各々の投資配分ですが、これは個人の投資スキルや嗜好、余力等で変わります。ご参考に私の場合は、次のような方針・優先で実践しています。

  1. ノーロード・インデックス型投資信託の積み立てを第一優先にし、余力があれば株式投資を行う。
  2. 投資信託としては、主として株式型(日本を含む全世界および米国市場対象)とし、その逆相関の傾向にある債権型と金の銘柄を各々10~20%程度積み立て購入する。
  3. 個別株式では、余力の範囲で好配当銘柄に投資を行う。さらに余力があればテーマ型の株式を購入する。テーマ型は、短期売買(1~3ヵ月以内)とする

さいごに

今の国内株式市場は久しぶりにバブル後の活況が続いています。しかし、米国の停滞期に入る予想とかウクライナ紛争・原油高等不確定要因が多く、いつ株式市場の暴落が始まるかの不安もあります。

投資信託であればそのままにしておくことも一手ですが、個別株式については即退散を考えなければなりません。

そのためにも、日頃から株式売買等に慣れておくことが必要です。悔いのないようにご自身の判断で対応できるようにしておきましょう。

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