日経平均と米ドル建ETFの比較でこれからの投資方針を考える

日経平均と米国債券ETF・米国ETF・金ETFとを相対比較チャート(5年間と6ヵ月間)で比較してみました。一般的に株式と債券・金は逆相関にあると言われていますが、必ずしもそのような動きになっていません。また、NASDAQ100指数の強さや最近の日経平均の急回復が確認できました。中長期運用では、株式と金への投資がよさそうです。

主な米ドル建ETF

一般的に株価は金や債券と逆相関にあると言われていますので、金価格に連動するIAU米国債券指数に連動するBNDを入れました。比較的安定的なアセットアロケーションでは、逆相関にあるアセットも組み込むのが良いと言われているからです。

また、米国株式指数としてコストが安価で有名なバンガード社のVOONASDAQ100指数に連動するQQQを選びました。

この結果、日経平均と比較する米ドル建ETFは次の表のとおりです。なお、日経平均の経費率・分配利回りは、日本株式市場に上場しているiシェアーズ・コア日経225(証券コード1329)の数値を参考に記載しています。

なお金ETFでは、SPDRゴールド ミニシェアーズ トラスト(GLDM)の方が経費率0.13%と低いのですが、設定日が2018年と比較的新しいのでIAUの方を採用しています。

銘柄Ticker連動指数経費率分配利回り
日経平均(日経平均225)(0.045%)(1.82%)
iShares Gold TrustIAU0.25%
Vanguard Total Bond Market Index FundBND米国債券0.03%2.68%
Vanguard 500 Index FundVOOS&P5000.03%1.61%
Invesco QQQ Trust Series 1QQQNASDAQ1000.20%0.66%
【主な米ドル建ETFの経費率と分配利回り】

指数の比較

ここで、日経平均と代表的な米ドル建ETFとで過去の動きをGoogle Financeの相対比較チャートで見てみたいと思います。

まずは、5年間の相対比較チャートです。気付きを挙げると次のとおりです。

  • 株式型のQQQのパフォーマンスが最も優れています
  • 株式型のQQQ・VOOと比較すると、金ETFは確かに逆相関になる期間もあります。ただし、全ての期間で逆相関というわけでもありません。
  • 債権ETFのBNDではコロナ・パニックの2020年3月頃では落込みのダメージが小さいですが、5年間ほとんど価格が動いていないことがわかります(今現在ではマイナス)。分配金狙いだけの安定性を考えるのであれば良いのですが、物足りなさを感じます。
【相対比較チャート5年間】※Google Financeから抜粋。

次は6ヵ月間の相対比較チャートです。同様に気付きを挙げてみたいと思います。

  • 2023年1月前後の米国地銀や欧州金融機関の破綻に端を発した金融不安後、急速に回復しつつあります。この中でもQQQの回復が顕著です。QQQには金融株が含まれていないのが一つの理由です。
  • 金ETFのIAUが最近下落傾向にあります。世界的に嫌なニュースが多いですが、安定に向かっているのでしょうか。
  • 金の下落と相反して日経平均が急回復しています。S&P500より良い傾向はなかなかお目にかかれません。
  • 債権ETFであるBNDは相変わらず動きが小さいです。良く言えば安定しているですが。
【相対比較チャート6ヵ月間】※Google Financeから抜粋。

結論として投資するアセットは何か

今回の私的な結論としては次のとおりです。

  • 株式と金に重点投資します。米ドル建ETFとしては、株式はQQQ、金はGLDM(IAUより経費率が低い)です。
  • ただし、QQQは上下変動が激しいので(レバレッジをかけて投資しているような感じ)、少し安定させるためにはVOOでも良いと思います。
  • 債権のBNDは、資金的な余裕があり、安定的な分配金を期待するのであれば良いと思います。ただし、値上がり益は期待しません。

さいごに

本稿では、ある程度断定的に記載していますが、投資できる期間、余裕資金の程度、年齢(現役か定年後か)等でアセットアロケーションは変わります。

若い方であれば、QQQやVOOの一点買でも良いかもしれませんし、少し安定性を求めるのであれば逆相関になりやすい金ETFを組み合わせるのも良いと思います。さらに、定年後のより安定性を求める場合は債権ETFへもとなります。

なお、ここでは、米ドル建ETFを主体に述べていますので、ドル円の外国為替の影響を受けます。今の時点では、円安傾向にありますので類似の投資信託を積み立てる方法もあります。

投資信託については別稿で紹介させていただくとして、投資にはリスクが付きものです。あくまでも自分の許容範囲を見極めて検討してください。不安があれば止めることも一考です。

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日経平均と米ドル建ETF(金、S&P500、米国債券、NASDAQ100)のチャート比較
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