米ドルを保有している場合、米ドル定期預金や米ドル建MMFは比較的安心して運用できるアセットです。2023年7月の金利は、同年3月時点のものと比較して約0.5%上昇しています。外貨に強いNEOBANK(住信SBIネット銀行)とSBI証券でのこれらの商品について比較してみました。
米ドル定期預金
NEOBANK(住信SBIネット銀行)では、種類が限られていますが外貨があればその外貨で普通預金や定期預金ができます。米ドル預金の場合は、既に米ドルを保有している、又は円貨を米ドルに両替することで米ドル普通預金や米ドル定期預金で預ける事ができます。
次の表は、NEOBANKにおける米ドルから米ドル定期預金に預け入れた場合の金利の一例です。今時点(2023/7/12)と2023年3月時点の金利を比較しています。1ヵ月物を除いて0.5%程度金利が良くなっています。
通貨 | 1ヵ月 | 3ヵ月 | 6ヵ月 | 1年 |
---|---|---|---|---|
2023/7/12時点の金利 | 1.50% | 3.60% | 5.10% | 5.10% |
2023/3/26時点の金利 | 3.10% | 3.10% | 4.60% | 4.60% |
また、円貨から米ドル定期預金に預け入れた場合は、1カ月物で年6.0%の特別金利になっています。
さらに、米ドル普通預金は金利0.5%と2023/3/26時点から変更がありません。
ちなみに円貨⇔米ドルの両替時の為替コストは6銭/ドルです。そして、NEOBANKとSBI証券の外貨口座を保有している場合は、両口座間で入出金できる外貨即時決済サービスがあり、振込手数料無料で実行できます(振込手数料はSBI証券負担)。
米ドル建MMF
SBI証券の米ドル建MMFは4種類あり、各々の今時点(2023/7/12)と2023年3月時点の利回りは次のとおりです。米ドル建MMFは、原則1ヵ月以上の預入が必要ですが、次の米ドル株式等の購入に備えて一時的に米ドルを保全しておくには良い商品だと思います。
こちらも、少しバラツキがありますが、2023年3月時点と比較すると0.5%前後の平均利回りアップになっています。
名称 | 2023/07/11時点の 平均利回り | 2023/03/24時点の 平均利回り |
---|---|---|
ブラックロック・スーパー・マネー・マーケット・ファンド | 4.5650% | 4.2270% |
ニッコウ・マネー・マーケット・ファンド | 4.5260% | 4.0250% |
ノムラ・グローバル・セレクト・トラスト | 4.4820% | 3.9380% |
ゴールドマン・サックス | 4.6420% | 4.1000% |
最近の動き
既に米ドルを保有している人にとっては、大変魅力的な利回りになっていますが、円貨から米ドルに両替してから購入する場合は、為替リスクが発生します。つまり、購入時よりも円高になっていると円に戻す際に為替差損が発生します。
外国為替の予想は困難ですので、ここでは状況のみ確認しておきたいと思います。
日米株式指数と為替レート
次の図は、日経平均、米国S&P500、米ドル・円為替レートの1年間の相対比較チャートです(Google Financeから抜粋)。
これを見ると日本株式(日経平均株価)の好調さがわかります。とは言え最近は調整段階で下落しているのが気になるところです。
米国株式の代表的な指数であるS&P500では、一時期の低迷から脱して上昇トレンドになっているように見えます。
USD/JPYの米ドル・円為替レートでは、この1年間ほぼ140円/ドルあたりを中心に+10%~ー8%以内に収まっており意外と安定しているのがわかります。
米ドル・円為替レートの推移
先ほどは1年間の相対チャートでしたが、次の図は5年間の米ドル・円為替レートの推移です。2021年中ごろまでは振れ幅が108円/ドルあたりを中心にしていましたが、2022年中ごろ以降は138円/ドルあたりを中心の振れ幅になっており、しかも±10円程度の大きな上下動になっています。
138円/ドルを中心に10円動くと約7%強の変動になります。これを考えると5%程度の利回りを得たとしても為替差損で利益無しとなりますので、円貨から購入する場合はこの下限(128円/ドル前後とか)で待つのも一考だと思います。
しかし、「米ドル・円為替レートの推移(5年間)」にあるように急激に水準が変わる事もありますので、個人的には円貨からの購入は避けた方が良いと考えています。最後はご自身の相場観と判断です。
さいごに
米ドルを既に保有しており、かつ比較的金銭的余力のある人は、今回紹介した米ドル定期6ヵ月物や米ドル建MMFを一時的な資産退避用として購入しても良いのではないかと考えています。
私の場合は、円高の時に購入した米ドルがありましたので、これを基に米国株式運用を行っています。しかし、最近の米国株式市場低迷を受けて、一部は米ドル6ヵ月定期預金と米ドル建MMF「ゴールドマン・サックス」へシフトしています。
米国株式市場は少し復調に兆しが見えているとはいえ、まだ金融引き締め等が続きそうですので、暫くは辛抱の時期が続きそうです。少しでも安全そうなところに資金をシフトして次に備えたいと考えています。
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