配当課税を軽減する地方自治体への申出書作成の一例

株式配当の税金は、 所得税を総合課税(配当控除あり)にし、住民税を申告不要にして源泉徴収(住民税5%)のままで行うと一般的に軽減されます。昨年に引き続き、2020年も申告してきましたので、申出書の書き方等具体例を紹介します。

源泉徴収よりも有利な異なる課税方式の選択

皆さんは株式配当の課税は、総合課税の配当控除を使うより、分離課税で配当を受け取るときに20%(所得税15%※実際はさらに復興特別所得税0.315%が加わる、住民税5%)で済ませていると思います。しかし、所得税と住民税は異なる課税方式を選ぶことができ、これを行う事により税金が軽減される可能性があります。

今年も所得税の確定申告を2月下旬に終えましたが、このままにしておくと住民税の配当課税も総合課税として扱われますので、住民税については配当課税を源泉徴収としておくよう、4月末に申告書を提出してきました。この具体的な申告書の作成方法を以下で説明します。

なお、配当課税については、試算例を下記の記事にまとめていますので、よろしければご覧ください。

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配当控除方式の比較

申告の手続き

住民税の配当課税を源泉徴収のままにしておく方法は、地方自治体により異なるようですが、以下、私の街の例で説明していきます。最近では、各地方自治体でもWebサイトが充実していますので、実際に行う際には、そのサイトをご覧ください。

私の街のWebサイトでは、「上場株式の配当所得等に係る個人住民税の課税方式の選択に係る所要の措置(所得税と異なる課税方式による市民税・県民税の課税選択 」という名称で掲載されていました。

申告方法

提出する書類は次のとおりです。

  1. 市民税・県民税申告書
  2. 上場株式等の所得に係る市民税・県民税申告不要等申出書
  3. 特定口座年間取引報告書(写し可)

上記1,2は、地方自治体のWebサイトからダウンロードできます。3は、特定口座に限らず配当が課税された証券口座全ての取引報告書が必要です(特定口座でなく一般口座でも可です)。

また、 1と3は、所得税の確定申告を行っている場合は、ほとんど、その申告書の部分転記で済みますので、2だけでいいのではないかと疑問に思っています。

申告期限

原則、所得税の申告期限(3月15日)までの提出ですが、市民税・県民税の納税通知書が送られる前までに提出したものでも有効です(だいたい5月上旬)。
私はGW前に提出しました。

申告書の書き方

次に各申告書の記載例を示します。ほとんど、所得税の確定申告書の転記で済みます。

市民税・県民税申告書

次の図は、私の住む街の市民税・県民税の申告書で2ページ構成になっています。

赤枠が記入が必要な個所で、私の場合は扶養者として妻一人、企業年金を受給しています。人によっては、扶養者が増えたり、個人年金保険料や介護医療保険料などがあるかもしれません。

だいたいご覧になればわかると思いますが、主なポイントは次のとおりです。

  • 収入・所得の区分の配当欄は、源泉徴収のままで処置をしますので、記入不要です。
  • 私の場合は、企業年金を受給していますので、公的年金等に受給額を記入しています。毎年、基金から「公的年金等の源泉徴収票」が郵送されてきますので、その値です。
  • 医療費控除の欄は、所得税の確定申告をされている方であれば、「医療費控除の明細書【内訳書】」で控除額の計算をしていますので、その項目の数値をそのまま記入します。
  • ふるさと納税をされている方は、「市民税・県民税 申告書(2の2)」の寄附金税額控除に関する事項にふるさと納税された金額を記入します。2,000円を差し引くことは不要です。
  • 「市民税・県民税 申告書(2の2) 」の記入箇所は、上記のふるさと納税のところだけです。配当に係るところは、源泉徴収そのままですので、記入不要です。

上場株式等の所得に係る市民税・県民税申告不要等申出書

この書類は、所得税の確定申告では配当所得を総合課税で処理しましたが、住民税(市民税・県民税)では源泉徴収のままで行う場合の申出書です。

主なポイントは次のとおりです。

  • 上場株式の配当所得等の総合課税分では、非課税のNISA分を除いた全て配当所得とその配当所得から源泉徴収された地方税(市民税・県民税)の源泉徴収税額を記入します。所得税の確定申告をされた場合は、申告内容確認票B第二表の雑所得の配当欄と住民税・事業税に関する事項の配当割額控除額に各々の数値が現れています。
  • 「申告する内容(1又は)に○を付けてください。」では、1に○をします。つまり、「市民税・県民税は申告しない」=「源泉徴収されたままとする」という意味です。

さいごに

所得税では配当所得を総合課税とした後に、住民税では源泉徴収のままとする申出書等の作成等について説明しました。いかがでしたか。総合課税をする場合は確定申告をしなければなりませんが、そのデータがあれば、ほとんど数値の転記で済みますので、意外と簡単です。私は、この申出書等をGW前に提出してきましたが、朝一番で行ったためか他の申請者は誰もいませんでしたし、15分程度で終わりました(昨年もそうでした)。

定年後は、現役以上にお金を大切にしなければなりませんので、抑えるところはおさえて、有効にお金を使いまくりたいものです。

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