スマホの終活アプリである「わが家ノート」では、エンディングノート等を比較的容易に作成する事ができます。本稿では、その中で相続関係に絞り、どのような内容を入力していくかを見ていきたいと思います。
わが家ノートとは
わが家ノートとは、三菱UFJ信託銀行が提供する終活用のスマホアプリです。三菱信託銀行の口座の無い人も利用可能でスマホへ無料でダウンロードできます。主な機能は次のとおりです。
- エンディングノート:金融機関や遺しかた等の情報を気軽にテキスト・動画・音声等で記録し、家族とこれらの情報を共有できます。
- 健康管理:歩数記録、脳トレプログラム、食事管理、血圧管理の次の4つの機能があり、利用すると応募・当選するとプレゼントがもらえるアプリ内ポイント(スター)がもらえます。
- 見守り・相談:自分の健康管理(歩数管理、脳トレ、食事管理)の利用状況や「わが家ノート」へのログイン状況を家族(共有登録が必要)が確認できます。
- アルバムを共有:家族と「わが家ノート」アプリ内で写真の共有ができます。
- 専門家への相談他:三菱UFJ信託銀行エクセレント倶楽部の会員であれば電話やインターネット経由で健康や介護等の相談ができます。その他有益な関連情報をみる事ができます。
本稿では、この中から「エンディングノート」の遺しかた(相続)の方法について見ていきます。
相続情報の設定と見え方
相続情報への入り方と各々のページの見え方について、順に説明していきます。
わが家ノートの設定
次の画は、スマホでの「わが家ノート」の紹介サイトです。「わが家ノート」と検索すると簡単に見つかると思いますので、こちらから「App Store」や「Google Play」に移動してインストールしてください。
トップ画面(健康タグ)
「わが家ノート」が正常にインストール出来た後のトップ画面です。画面最下部の健康タグの部分がトップ画面を兼ねています。
繋がりタグ:伝えておきたいこと
エンディングノート関係は、画面最下部の繋がりタグのところです。繋がりタグを選び「伝えたおきたいこと」をクリックします。
財産の遺しかた
下左画面の下にスクロールすると下右画面が現れます。この中でステップ3:相続の準備の「財産の遺しかた」が相続関係です。
遺言書のあり/なし
前画面で「財産の遺しかた」をクリックすると下左画面になり、「財産の遺しかたを追加」を押すと下右画面になります。ここで、「遺言書あり」か「遺言書なし」かを選択します。
遺言書ありの場合
「遺言書あり」を選択した場合です。下左画面で遺言書の種類で「選択してください」をクリックすると下右画面が現れて「公正証書遺言」、「自筆証書遺言」、「秘密証書遺言」から自分で作成した遺言書の種類を選択します。
「自筆証書遺言」、「秘密証書遺言」は、家庭裁判所の検認が必要であり、無効になる可能性もありますので、なるべく「公正証書遺言」にしておくと安心です。
上の画の続きが下の部分です。
情報共有するタイミングは、「死亡後に共有」が設定済となっています(選択不可)。
遺言書なしの場合
次は「遺言書なし」を選択した場合です。
まずなにをで資産の種類(預貯金、有価証券、不動産等々)を選択し、その資産にたいして相続配分を入力していきます。
下左画面をスクロールすると下右画面が現れます。こちらも情報共有するタイミングは、「死亡後に共有」が設定済となっています(選択不可)。最後に「登録」をクリックします。
留意点
相続は、法定相続分を理解して「相続人の明確化」をしておくことが必要です。法定相続での優先順位は次のとおりです(財産を1として割合で説明します)。配偶者は常に相続人になりますが、内縁関係の方は含まれませんので要注意です。
- 第1順位「配偶者と子供」:配偶者1/2、子供1/2です。子供が複数人いた場合は1/2をその人数で割った値が子供一人の持ち分です。配偶者がいなければ子供が全財産を相続します。
- 第2順位「配偶者と直系尊属」:子供がいない場合、配偶者2/3、直系尊属1/3です。直系尊属とは被相続人の自分の父母と同列以上にある目上の血族です。配偶者がいない場合は直系尊属が全財産を相続します。
- 第3順位「配偶者と兄弟姉妹」:子供も直系尊属もいない場合、配偶者3/4、兄弟姉妹1/4です。配偶者がいない場合は兄弟姉妹が全財産を相続します。
遺言書があれば、法定相続に優先しますが、今回の「わが家ノート」で「遺言書なし」で記載した内容には法的な拘束力がありません。あくまで、本人の意思を家族等に示すだけです。このため、しっかりと自分の意思で相続配分を考えるのであれば公正証書遺言にすべきだと思います。
さらに、遺言書が正当な場合でも、そのとおりに分割されるとは限らず、相続人には遺留分があります(遺留分侵害請求ができます)。遺留分の割合は、法定相続分の半分です。ただし、兄弟姉妹には遺留分が認められていません。
さいごに
三菱UFJ信託銀行の終活アプリ「わが家ノート」の相続情報について見てきました。相続については、うちの様に財産が少なく、家族・親族構成も単純であれば、簡単なのですが、そうでない人も多いと思います。相続関係は一般的に難しいですので、そのような人は、相続を扱う信託銀行や士業の方に依頼するのも大切だと思います。
早め早めに対策で、自分の家族を守り、終わり良ければ・・・となりたいものです。
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