贈与、信託、相続等でお世話になるかもしれない公証人とは(意外と身近な公証人)

公証人とか公証役場は、市町村長の役場と異なり、あまりなじみがありませんが、贈与、相続、信託等の手続関係を調べると、よくこの名称で出てきます。知らないというだけで以外と身近な存在である公証人等を調べましたので、紹介します。

公証人とは

公証人とは、「公証」をする国家機関です。「公証」を辞書で引くと「公務員が職権で証明する行政上の行為」と記載されていますが、国の公務員ではありません。しかし、公証人法の規定により、判事、検事、法務事務官などを長く務めた法律実務の経験豊富な方々から法務大臣が任免し,国の公務をつかさどるものであり,実質的には公務員に当たると解されています。

公証人へお願いする可能性のある主な事柄

公証人は、私たち当事者の依頼により、契約や遺言等の「公正証書」作成や作成された文書等を認証する事などをします。
この中で特にライフプランや終活に関する主なものは次のとおりです。

  • 贈与
  • 任意後見制度
  • 民事信託(家族信託)
  • 遺言(遺書、相続)
  • 尊厳死宣言

各々説明します。

贈与

相続税の基本控除額が下がってますが、 相続対策で、事前に一部の資産を家族に贈与する場合を真剣に考えられている方も居られるのではないかと思います。特に2次相続の事を考えるとある程度贈与し、少し贈与税を納めることも有効な場合があります。

この贈与について、贈与があったことを税務署や第三者に明確に証明したい場合、公正証書を作成します。

任意後見制度

任意後見契約は、本人の判断する能力が不十分な状況になったとき、自分の生活や財産管理に関する事務を自分の希望する方に代理してできるように委任する契約で、公正証書によって行うように定められています。

この契約書は公証役場から東京法務局に送られ、任意後見登記の手続きが取られます。

民事信託(家族信託)

自分の資産を、例えば老後の生活等に必要な資金の管理・受取り等のために、信頼できる家族に託し、その管理・処分を任せる仕組みです。

家族・親族に管理を託すので、高額な報酬は発生しませんので、誰にでも気軽に利用できる仕組みです。

公正証書を作成することは必須ではありませんが、将来発生する可能性のあるトラブルを防ぐために、公正証書を作成します。ただし、公正証書を作成するには当然ながら費用が発生します。

なお、家族信託とは一般社団法人家族信託普及協会の商標として登録されています。同協会や家族信託についてもっと詳しく知りたいという方は下記のWebサイトをご覧ください。

遺言(遺書、相続)

遺書には、公正証書遺言、自筆証書遺言、秘密証書遺の3つがあります。その中で、公正証書遺言は、本人が、公証人の面前で、遺言の内容を口授し、それに基づいて、公証人が、遺言者の真意を正確に文章にまとめ、公正証書遺言として作成するものです。

法律のプロである公証人が作成しますし、原本は必ず公証役場に保管されますので、無効とか失われるなどの心配がありませんので、遺言が円滑に実行され、遺産相続をめぐる親族間のトラブルを未然に防ぐことができます。

尊厳死宣言

尊厳死宣言とは、公証人が直接本人の「尊厳死」の意思を確かめて、その結果を公正証書とするものです。この証書を「尊厳死宣言公正証書」といいます。

この公正証書を作成することにより、末期状態となった段階で自分の治療方法等の希望を言う事のできない本人に代わって、あらかじめこの公正証書を託された第三者により、尊厳死の意向(延命処置を止める等)を医療関係者らに伝えることができます。

公証人手数料

公証人の手数料は法律で決まっており、次のとおりです。

公証人役場とは

公証人が執務する場所を「公証役場」と呼んでいます。
公証役場は、各地にある法務局の管轄する機関となり、全国約300箇所に設置されています。それぞれの公証役場には、公正証書を作成する公証人が1名以上は必ず配置されています。

近くの公証役場をお探しの場合は、次のWebサイトをご覧ください。

さいごに

ライフプランや終活の記事を書いているなかで、公証人という言葉が何度か出てきましたので、少し調べてみました。公正証書が必須というのは少ないのですが、自分の意思だぞとか記載内容の正当性を公的な第3者に認証してもらうところに大きな意味があります。

少々、手数料がかかりますが、活用する機会があれば、真剣に考えた方が良さそうです。

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