高年齢求職者給付金を受給するための失業認定日の手続き

雇用保険の高年齢求職者給付金をもらうためにハローワークで求職の申し込みをし、その2週間後の指定された日に再訪して失業認定を受けてきました。これで約1週間後には給付金が指定した銀行に振り込まれる事になります。認定日で実施した主な手続きについて説明します。

高年齢求職者給付金とは

「高年齢求職者給付金」とは一般の失業給付とは異なり、雇用保険の加入者が65歳以上で離職して「失業状態」にある時に支給される失業給付です。

雇用保険の一般の失業給付とは、主の次の点で異なります。

  • 一時金で支給されます。
  • 年金との支給調整がありません。

賃金日額の計算方法

賃金日額は、離職した日の直前6カ月間の「完全な賃金月」賃金総額を180で除して得た金額です。「完全な賃金月」とは、賃金支払基礎日数が11日以上ある月ですので、これを下回る月は除外されます。

また、賃金と解釈されるものがある一方、賃金と解釈されないものや賃金日額の算定基礎に算入されないもの等があります。主な例は次のとおりです。賞与は賃金日額計算の対象外です。

賃金と解釈されるもの

  • 事業主が労働の対償として支払う賃金・給与・手当
  • 通貨以外で支払われた上記の賃金(現物給与)
  • 住宅手当
  • 通勤手当
  • 単身赴任手当
  • 食事の利益

賃金と解釈されないもの

  • 休業補償費(労働の対償では無い)
  • 傷病手当金(保険の給付金で賃金では無い)
  • チップ
  • 会社が全額負担する生命保険の掛け金
  • 慰労金(支給が事業主に義務付けられていない)

賃金日額の算定基礎に算入されないもの

  • 賞与(臨時及び3か月を超える期間ごとに支払われる賃金)
  • 退職金
  • 海外在留者に対する海外手当等
  • 財産形成貯蓄のため事業主が負担する奨励金等
  • 祝金・見舞金等

詳細は厚生労働省の次の資料をご覧ください。

→賃金日額の算定の基礎となる賃金の範囲等を見る。

基本手当日額と計算方法

基本手当日額は、離職時年齢の区分により異なりますが、65歳以上の場合は賃金日額を基に次の表のように計算されます。

賃金日額(w円)給付率基本手当日額(y円)
2,574円~5,030円未満80%2,059円~4,023円
5,030円~12,390円以下80%~50%4,024円~6,195円
12,390円超~13,690円以下50%6,195円~6,845円
13,690円超6,845円(上限額)
【基本手当日額の計算方法(65歳以上)】
※y=0.8w-0.3{(w-5,030)÷7,360}×w

給付率をみると、賃金日額が低いほど悪くなっています。また、本表は離職時年齢が29歳以下の場合と同じです。

高年齢求職者給付金額

一時金として次の日数分の高年齢求職者給付金が支給されます。

被保険者期間高年齢求職者給付金額
1年未満基本手当日額30日分
1年以上基本手当日額50日分
【高年齢求職者給付金の給付金額】

求職から認定までの流れ

65歳後の主な手続きについては次の記事をご覧ください。本稿では、「失業状態」にあると認定される日での手続き等について説明します。

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失業認定日当日の手続き

ハローワークに行き、求職の申し込みを行い、順調に進むとその日が受給資格決定日になります。そしてその日の最後に次の2点を受け取り、次の来所日(失業認定日)が指示されます。失業認定日は通常2週後です。

  1. 雇用保険の高年齢受給資格者のしおり:高年齢求職者給付金を正しく受けるために必要な内容が記載されています。また、次にハローワークに来所する日(失業認定の予定日)とその際に持参するものが記載されています。
  2. 高年齢受給資格者失業認定申告書:提出日は失業認定の予定日(求職申込みの2週間後)ですが、分かり辛いところもあり、ハローワークの担当の方が、求職日に一緒に作成してくれました。

そして、その失業認定日に上記2種類を持参してハローワークの窓口に提出します。

その後、次の雇用保険高年齢受給資格者証を受け取り完了です。後は銀行口座に高年齢求職者給付金が振り込まれるのを待つだけです。振り込まれるのは、約1週間後になります。

なお、しおりと高年齢受給資格者失業認定申告書の詳細については、次に記事でも説明していますので、ご覧ください。

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雇用保険高年齢受給資格者証の受領

次の図は、最後に受け取った「雇用保険高年齢受給資格者証」の表面の一部です(実際は個人の情報が記載されています)。図の下部の折り曲げ線以降は注意書きですので、省略しています。

【高年齢受給資格者証(表、抜粋)】

赤枠のところに記載される内容を簡単に説明します。

  • 9.支払方法(記号(口座)番号-金融機関名-支店名):自分で指定した給付金が振り込まれ銀行口座です。
  • 13.離職時賃金日額:離職時の過去6カ月間の賃金日額です。
  • 15.求職申込年月日:ハローワークで求職申込をした日です。
  • 16.認定予定月日:失業認定予定日です。通常、求職申込年月日の2週間後です。なお、最後の交付日も同じ日付になり、公共職業安定所長の判が押されています
  • 17.受給期限年月日:給付金の受給できる期限です。通常、認定予定月日の1年後です。
  • 18.基本手当日額:離職時賃金日額を基に算出した基本手当日額です。
  • 19.所定給付日数:雇用保険の被保険者期間が1年以上の場合は50日と記載されます。

続いて、次の図は、「雇用保険高年齢受給資格者証」の裏面の一部です。折り曲げ線以降は同様の罫線が並んでいますので省略しています。

【高年齢受給資格者証(裏、抜粋)】

赤枠・赤字のところを簡単に説明します。

  • 写真:本人の写真です。実は、ハローワークで求職申込を行う時には写真を2枚持参するよう説明が書かれていたのですが、実際に求職申込時に使ったのは「離職票-1」に貼る1枚だけでした。もう1枚は不要と言われたのですが、従来はここに残りの1枚を貼ったのだと思います。私の場合は、認定日に写真持参を言われていなかったので持参しませんでした。当日のハローワーク担当者にその旨説明するとマンナンバーカードか運転免許証を見せて終わりでした。
  • 高年齢給付金額等:裏面には最も重要な高年齢求職者給付金額が記載されています。この計算方法は次に説明します、

高年齢求職者給付金の試算例

ここで、高年齢求職者給付金を計算してみたいと思います。

賃金日額(w円)を10,000円と仮定すると基本手当日額は【基本手当日額の計算方法(65歳以上)】から次の式で求めます。

基本手当日額(y円)=0.8×10,000円-0.3{(10,000円-5,030円)÷7,360円}×10,000円
=5,974円

この結果高年齢求職者給付金は次のとおりです。

高年齢求職者給付金=基本手当日額5,974円×50日分
=298,700円

表にまとめる次のとおりです。

項目金額備考
賃金日額(w円)10,000円
基本手当日額(y円)5,974円
高年齢求職者給付金298,700円50日分
【高年齢求職者給付金の試算例】

さいごに

雇用保険の高年齢求職者給付金を受給するための最後の手続きと賃金日額を仮定して試算をしてみました。

長い間働いた割には少ない金額ですね。失業給付は雇用保険によるセーフティーネットなので少しでも出るだけマシなのでしょう。あくまでも保険なので、失業した時とか傷病をしてしまった時に頼りになるものです。

今までの健康に感謝して次に臨みたいと思います。

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