株式配当日前後はチャンスかもしれない、決算月と銘柄の対応

株式配当日の前後は、配当狙いや配当権利落ちなどで動きが比較的分かり易くなります。また決算月は3月に集中しているとはいえ、その他の月を決算月にしている企業もありますので、株式銘柄とその企業の決算月を事前に押さえておくのも大切だと思います。独断でこれらをピックアップしてみましたので、説明します。

配当の日程

一般に株式配当があると、理論的に配当金額分の株価が下がります。また、株主優待制度を採用している銘柄では配当権利日=株主優待権利日にしているのが一般的ですので、配当権利日前後は株価が動意します。このため、配当日前後を注視しておくことは重要です。

配当日の日程としては、配当権利付き最終日(配当権利確定日の2日前)、配当権利落ち日(配当権利確定日の1日前)、配当権利確定日があり、例えば2022年3月31日が配当日(=配当権利確定日)の場合は次のようになります。

  • 配当権利付き最終日(3月29日):通常権利確定日の2営業日前で、今期の配当を得るためにはこの日までに買付しなければなりません。
  • 配当権利落ち日(3月30日):理論的には配当等に相当する分、株価が安くなります。ただし、株価は他の要因でも動きますので絶対ではありません。なお、この日に売却しても優待・配当の権利は獲得できます。
  • 配当権利確定日(3月31日):各社が定めている配当日です。

決算月と株式銘柄

次の表は、決算月での株式銘柄を対応させたもので、SBI証券のスクリーニング・ツールを用いて「東証1部+決算月」で抽出しました(株価等は2022年2月10日時点のものです)。スクリーニング・ツールを利用すると、配当利回りやいろいろな指標等を加える事ができ、銘柄を絞るのに大変便利です。

表には、決算月銘柄に加えて配当配当利回り(予想)株主優待の有無(有の場合は〇)を示しています。銘柄は独断で適当に選んでいます。また、決算月の6か月後も中間配当などがありますので、そこも要注意です。例えば、決算月が2月の場合は8月が中間配当月です。

決算月とその銘柄の一例
 【決算月と銘柄の一例】

この表と銘柄について少し補足等をしておきます。

  • 最近の株式銘柄は、各企業とも株主還元に力を入れており、配当利回りが良いです。そのような銘柄を選んだ事もありますが、簡単にピックアップできました。
  • イオンは配当利回り(予想)1.37%と低いですが、株主優待を入れると実勢では4%前後の感覚です。例えば、100株保有者ではイオン系スーパー等での買物代金の3%がキャッシュバックされますので、良くイオンを利用される方は保有しておきたい株式です。
  • すかいらーくHDも配当利回り(予想)0.92%と低いですが、今期復配と厚い株主優待があり、これから期待できそうなので挙げました。
  • この中で個人的に特に気に入っているのが、KDDI、オリックス、SBI HD、日本たばこ産業です。配当利回り(予想)が良く、株主優待(日本たばこ産業は2022年2月14日15時に株主優待は2022年12月分を最後に廃止して代わりに12月期予想配当を従来140円から150円に増やすという発表がありました)もあり、株主を大切にする会社だと思います。

例えばこのような事を考えておく

試しに先の表の全銘柄を100株ずつ保有した場合の金額と配当を計算してみました(下表参照)。全銘柄保有で6百万円強と大きな金額が必要であり、銘柄数も多すぎる気がします。また、配当利回り(予想)は3.52%と良い数値ですが、全ての銘柄が自分で納得できるものかも問題です(後で後悔しないか)。

100株ずつ保有した場合の金額配当金額配当利回り(予想)
6,038,900円212,400円3.52%

実行する上での考慮点をいくつか挙げたいと思います。

  • 短期勝負銘柄は絞る:複数の銘柄を常に注視しておく事は大変です。配当や株主優待狙いの長期保有銘柄は別枠として、配当日前後で値鞘を狙う短期勝負銘柄は数点に絞ると良いと思います。また応援したい銘柄がその月になければ無理をする必要もありません
  • 注目6ヶ月前+売買3ヶ月前から:これも短期勝負銘柄の場合です。決算月が済むと次の中間配当が待っています。このためにも銘柄は絞るべきです。また、3ヶ月前頃から業績予想がニュース等で出てきますので、ここから本番です
  • トレンドを見極める:業績予想等が現れたら、株価チャート等から上昇トレンドか下降トレンドかを見極めます。例えば、来期予測も加味し、配当予想が大きく変化する時がチャンスです。うまく波に乗れると上げ下げトレンドの上限・下限で値鞘を取る事ができます
  • 信用取引を活用する:理論的には配当権利落ち日後は株価が下がりますので(他の要因もあり絶対ではありません)、その前に信用売り・その後に買い戻す事で下げをカバーする方法があります。現物株式を継続保有して配当や株主優待を得る方法としても使えます

さいごに

1年12月に渡り、決算月を狙った株式売買ができるものかと表にしてみました。黙って長期保有して株式配当を狙うのなら良いのですが、売買となるとやはり自分の意に合った銘柄で勝負してみたくなります。そうなると調べるのにもそれなりの時間が必要です。

いま力を入れているのは、12月、2月、3月の銘柄になります。これらは、6ヶ月後でも中間配当がありますので、ニュース等も活発に出てきます。まずは、自分で可能な範囲で実行し、それから余裕があるならば次の狙い目を考えてみたいと思います。

これから3月に向けて、少々慌ただしい日々が続きそうです。。。

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