株主優待と配当控除を可能にする具体的な貸株方法、あきらめも一考ですが

株主優待を得るための条件は、権利確定日に株式を保有、一定期間連続して株式を保有、一定数以上株式を保有等いろいろあります。また、確定申告時に配当控除や株式等売却損との通算を行うためには、配当金相当の受取では活用できません。これらについて、具体的な銘柄で損をしない貸株の方法を説明します。

貸株とは

貸株サービスとは、証券会社へ保有する株式を貸し出す事で、株式銘柄に応じた金利を得る事ができるサービスです。保有株式を貸し出している期間の金利を得る事ができるメリットがある反面、次のデメリットがあります。

  • 貸株のデメリット
    • 株主優待銘柄では、権利確定日に貸し出している場合は株主優待を得る事ができません
    • 同じく株主優待銘柄で一定期間継続保有の条件がある場合は、権利確定日前後で株式を戻し、権利確定後に再度貸出を行っても株主番号が変わるので株主優待を得る事ができません
    • 株式配当の権利確定日に貸し出している場合は、(通常の株式配当金では無く)配当金相当額を受取ります。この配当金は課税上、雑所得に分類されますので、配当控除や株式等売却損との通算を行う事ができません

最後の配当課税については、一般的に高額所得者でなければ(年収900万円以下が目安)、所得税は総合課税で配当控除を活用し、地方税は申告不要にして源泉徴収のままにした方が有利と言われていますので、これが使えなくなります。

今回対象の株主優待銘柄

株式優待銘柄はいろいろありますが、今回は次表の銘柄でみていきたいと思います。表では、貸株を念頭に株主優待の条件で株主権利確定日があるか(ある場合は〇)や株主番号一致があるか(ある場合は〇、一部ある場合は△)、優待回数では優待が年何回あるかを示し、そして優待の種類内容等を記載しています。

株主優待銘柄の例
【株主優待銘柄の例】

各銘柄の株主優待制度

各銘柄について、株主優待の条件と内容を説明します。

日本たばこ(銘柄コード:2914)

株式100株(1単元)以上を 1年以上継続保有同一株主番号で3月末・6月末・9月末・12月末時点の株主名簿に連続して5回以上記載又は記録)の株主に対し、12月末現在の株式保有数に応じ、2,500円から13,500円相当額のグループ会社の商品が貰えます。

すかいらーくHD(銘柄コード:3197)

6月末日・12月末日時点の株主名簿に記載された100株以上を保有する株主に、2,000円~17,000円/半年相当のグループ店舗で利用できる「株主様ご優待カード」が貰えます。11/12取引後に復配の発表があり、動意づいています。

日本製紙(銘柄コード:3863)

3月末日時点の株主名簿に記載された、100株以上を保有する株主に、グループで製造・販売している家庭用品詰め合わせ(フェイシャルティシュー・トイレットペーパーなど)が貰えます。スコッティなどの商品が有名ですね。

イオン(銘柄コード:8267)

2月末・8月末時点の株主に本人カード・家族カード各1枚の合計2枚のオーナーズカードが発行されます。 オーナーズカードをイオングループの店舗に提示すると割引特典等が得られますが、その中でも持株数に応じて買物金額合計の3~7%がキャッシュバックがあります。

さらに長期保有優待特典として2月末時点の株主名簿に基づき3年以上継続保有、1,000株以上の所有株数に応じて2,000円~10,000円のイオンギフトカードが貰えます。

オリックス(銘柄コード:8591)

3月末・9月末時点の株主に株主カードが発行されます。この株主カードの提示で、オリックスグループが提供する各種サービスを割引価格で利用できます。
そして、 3月末では、「ふるさと優待」と称してオリックスグループの取引先が扱う厳選した商品のカタログギフトの中から1点をもらう事ができます。

さらに100株以上を3年以上継続保有する事で、「ふるさと優待」はワンランク上のカタログギフトになります。

貸株等で損をしない方法

株主優待件で一定期間継続保有の条件のある銘柄(株式番号一致が〇か△)は、「貸株をしない」「貸株を利用する分と利用しない分を分けて」運用しなければなりません。証券会社によっては、貸株を行う場合は同一銘柄全て貸株にしなければならないところもありますので、その場合は証券会社を分かる事も考えられます。

また、一定期間継続保有の条件の無い銘柄(株式番号一致が-)においては 、配当控除を使うために「配当相当額」にならないようにしなければなりません。このため、貸株にしていても株主権利確定日の前後で一旦貸株を解除し、確定日を過ぎた後に再貸株を行う必要があります。証券会社によっては、これを自動で実施してくれるところもありますので、利用すると便利です。

表にまとめると次のとおりです。

株主番号一致 配当権利日・回数が同じ  配当権利日・回数が異なる
・貸株を利用しない 又は
・ 利用する/しない株を分ける(株数、証券会社)
・貸株を利用しない 又は
・利用する/しない株を分ける(株数、証券会社)
同上同上
・権利確定日前後でにおいて自分で貸出解除と再貸出をおこなう 又は
・証券会社で優待権利を自動取得するサービスがあれば活用する。例えば、SBI証券の「優待権利自動取得サービス」・楽天証券の「株主優待・予想有配優先ケース」 等を利用。
・優待と異なる配当権利日の前後において自分で貸出解除と再貸出をおこなう 又は
・証券会社で優待権利と配当権利を自動取得するサービスがあれば活用する。例えば、楽天証券の「株主優待・予想有配優先ケース」 を利用。
【保有継続条件有りの株主優待を得て配当控除を可能にする方法】

さいごに

株式投資の楽しみの一つが株主優待でのプレゼントと株式配当金です。特にリタイア後の生活では、年金を補うこれらが重要な収入源になります。このため、貸株で金利を稼ぐことも大切ですが、一定期間継続保有条件のある折角の株主優待ですので諦めることなく貸株を実施する場合は気を付けてください。

貰えるものはしっかりいただきましょう。

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