株主優待制度は終焉するのか、オリックス株主優待廃止予告の衝撃

オリックスから2022年5月11日付で株主優待制度を廃止するというニュースがありました。いまの株主優待制度は、2024年3月31日までの株式保有者までが対象で、その後は廃止するという内容です。株主還元に熱心で、株主優待制度も優れた銘柄ですので、保有している私にとってはショックです。先にJT(日本たばこ産業)が株主優待制度を2023年度までで廃止すると予告しています。この流れが他企業でもありそうですので、これから株主優待制度がどうなりそうなのかを自分なりに考えてみました。あくまでも一個人投資家としての意見ですので、盲信はしないでください。

株主優待制度とは

日本では結構な数の企業が株主優待制度を採用しています。この目的や種類を大まかに再確認してみたいと思います。

株主優待制度の目的

主な目的としては次の2点でしょうか。

  • 自社・自製品の認知度向上・拡販
  • 多くの個人株主の安定的な確保

株主優待の種類

株主優待には、一定額無料になるクーポン、金券、提供する娯楽・宿泊・交通の割引、限定グッズの提供等、いろいろあります。これらをみると、自社(関連する企業も含めて)に係るものと、自社とは関係ないものに分かれます。

  • 自社や関連する企業に係る優待:自社や関連する企業が提供する商品等のクーポンや優待カードで一定額無料や割引が受けられます。
  • 自社等に係らない優待:QUOカード等金券や自社に関係しない商品(お米券、清涼飲料水、食品等)がプレゼントされます。

また、株主優待を得るための最低持ち株数については、取引の単元株である1株や100株ですが、それよりも多く保有している場合に優待商品のグレードを挙げたり、割引率を高くしてところもあります。

オリックスの優待内容と廃止予告

株式投資において、株主還元が厚く好感がもてると思っている企業にオリックスがあります。

次のグラフは、オリックスの投資家情報に掲載されている「配当と配当性向」の推移です。配当は、悪くても前期並みで一環して増配傾向にあります。なお、2023年3月期の配当予想については、配当性向33%もしくは1株当たり通期配当金85.6円のいずれか高い方とアナウンスされています(グラフでは下限を記載)。

配当が良く、株主優待制度もありますので、比較的安心して保有を続ける事が出来る銘柄です。

オリックスの配当と配当性向の推移
【オリックスの配当と配当性向】※オリックス資料から抜粋。

優待内容

オリックスは、リース、生命保険、不動産などを手掛ける金融企業です。最近のコロナ禍やウクライナ情勢等の影響により、少々騰落が激しい動きになっています。特に金利高の傾向は、リース分野にとって痛手ですが、その中でも健闘している方だと思います。

  • 株価2,315円/株、予想配当利回り3.7%(2022年5月20日時点)
  • 株主優待:
    • 必要な最低保有株数100株
    • 「ふるさと優待」(3月末日のみ)の名称でカタログギフトから商品1点を選択(3年以上継続保有でカタログギフトが1ランクアップ)。その他に株主カード提示で同社関連の各種サービス(旅館・レジャー施設・レンタカー等)を割引価格で利用可。
  • 権利確定日:3月末日、9月末日(配当のみ)

廃止予告

オリックスから2022年5月11日付で「株主優待制度の廃止に関するお知らせ」のプレスリリースがありました。主な内容は次のとおりです(少し意訳しています)。

  • 株主優待制度の廃止の理由
    • 株主優待制度は個人株主に対するものであり、株主への公平な利益還元のあり方を再検討した結果、株主優待制度については廃止し、今後は配当等による利益還元に集約する。
  • 廃止時期
    • 2024年3月31日時点の当社株主名簿に記載のある株主への提供を最後に、株主優待(株主カード、ふるさと優待)を廃止する。ただし、株主カードはカード裏面に記載されている有効期限(2025年7月31日)まで利用可能。

優待廃止は広がるのか

東証の再編が2022年4月4日行われて、「プライム市場」、「スタンダード市場」、「グロース市場」の3つの新しい市場区分になりました。これに伴い、上場基準とコーポレートガバナンスの見直しが行われ、株主数の緩和、株式流動性の確保、株主権利の平等性等がさらに明確になりました。

これらは、株主優待制度に対して次のような影響を与える可能性があります。

 背景 株主優待制度への影響
株主数の緩和個人株主を増やす必要性が減少
株式流動性の確保安定株主を確保する必要性が減少
株主権利の平等性個人株主が対象の株主優待制度は大口機関投資家等とは平等性毀損
【株主優待制度を取り巻く背景と影響】

次に株主優待制度の内容とこれからの影響を独善的に次のようにまとめてみました。

 主な株主優待内容 今後の可能性
自社商品・サービス等の提供自社のサポーターを増やす事ができ、拡販戦略としては有効。ただし、平等性確保は難しいので、段階的縮小か。
他社商品・サービス等の提供一定数の個人株主・安定株主等確保できれば必要性がなくなる。
株式保有期間で区分する優待内容安定株主確保の必要性が減少するので、段階的縮小か。
株式保有数で区分する優待内容株式数が多い個人投資家を優遇するのは良いが、大口機関投資家等との平等性確保が難しいので、段階的縮小か。
【主な株式優待内容と今後の可能性】

この中で、「他商品・サービス等の提供」「株式保有期間で区分する優待内容」については、直ぐに廃止されてもおかしくない気がします。

さいごに

株主優待制度は、そもそも欧米にはありません。新たな上場基準に満たしていない企業では、満たすための計画書を提出する事を条件に新基準に移行できる緩和処置がとられています。このため、今後数年かけて株主優待制度をどうするか、徐々に明らかになると思います。多分、欧米に合わせていくのだと考えています。

一個人投資家としては、株主優待制度が無くなるのは寂しいですが、この制度の原資はおまけでは無く、配当と同様に利益剰余金から原則生じるものですので、この分を配当金アップにつなげていただければ良く、不満はありません。

株式優待制度を期待して株主購入を考える事は、少し本質とずれていた可能性もありましたので、まずは、今保有する株主優待銘柄を見直していきたいと考えています。

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