2022年8月3日に日本郵船から2023年3月期の業績修正と配当修正が公表されました。共に前回予想と比べると上方修正です。2022年9月末を権利確定日とする1対3の株式分割も予定されていますので、これに向けて材料化されそうです。これらについて、最近の株式状況と共に紹介します。
株式分割と株主優待制度の変更
日本郵船は、2022年9月30日を基準日として、同日の最終の株主名簿に記載・記録された株主の所
有する普通株式1株につき3株の割合で分割する事を2022年5月26日に公開しました。
これに伴い、飛鳥クルーズの優待割引券の株式優待制度が次のとおり変更されます。従来から株式を保有されている人は実質変更無しですが、分割後の株式100株から優待が可能になりますので、少し優待対象範囲が広がる事になります。
飛鳥クルーズの優待割引券 | 変更前 (株式分割前) | 変更後 (株式分割後) |
---|---|---|
3枚 | 100株以上500株未満 | 100株以上1,500株未満 |
6枚 | 500株以上1,000株未満 | 1,500株以上3,000株未満 |
10枚 | 1,000株以上 | 3,000株以上 |
2023年3月期の業績・配当修正
今期の業績予想は、2022年5月9日にされましたが、2022年7月21日に業績予想の修正の可能性についてアナウンスがあり、8月3日に正式に通期連結業績予想の修正と増配の発表がありました。
通期業績予想
主な指標は次のとおりです。青字が今期予想で2022年7月21日に発表の値と同じ結果です。()の中は5月9日予想からの増加率を現しており、この時点からは大幅増となっていますが、前期実績(2022年3月期)と比較すると営業利益が減っています。燃料・物流コスト増による影響と考えられます。
区分 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 |
---|---|---|---|
期首時点予想 2022.5.9 | 23,000 | 1,870 | 7,600 |
今回予想 及び2022.7.21 | 25,000 (+8.7%) | 2,500 (+33.7%) | 10,400 (+36.8%) |
前期実績 2022年3月期 | 22,807 | 2,689 | 10,091 |
配当修正
同時に公表された配当予想は次のとおりです。前回予想(2022年5月22日)からは大幅に増加していますが、前期実績(2022年3月期)と比べると若干下回っています。
また、前期実績での配当金は下期重視でしたが、今期は上期重視となっており、これからの展開によってはさらに期待が持てるかもしれません。
区分 | 配当金 第2四半期末 | 配当金 期末(分割前換算) | 合計 年間配当金 |
---|---|---|---|
前回予想 2022.5.26 | 650円 | 405円 | 1,055円 |
今回修正 2022.8.3 | 1,000円 | 435円 | 1,435円 |
前期実績 2022年3月期 | 200円 | 1,250円 | 1,450円 |
株式の状況
主な株価指数
日本郵船の23/03期(連)及び2022年8月3日時点の主な指標は次のとおりです(SBI証券サイトから抜粋)。市況の影響に大きく左右される海運株ですが、信用倍率といい、過熱感が全くありません。
- 株価:10,750円
- 予想PER:1.89倍
- 実績PBR:1.06倍
- 予想1株配当:1,435円
- 予想配当利回り:13.35%
- 信用倍率:6.54倍
株価チャート
次は、日本郵船の株価チャート(週足・2年間)で、単純移動平均線やボリンジャーバンドを加えて表示しています(SBI証券サイトから抜粋)。
株式分割と前回予想から増配のアナウンスがあり(2022年7月21日、8月3日)、動意づいています。現状では、ほぼボリンジャーバンド+2σに達しようとしているように見えます。まずは第一関門の11,500円、その次は12,500円などの抵抗値を超えてくると面白そうなのですが、なんとなく難しいように感じます。
さいごに
海運株は市況に影響される代表株です。コロナ禍での中国経済始め世界経済の低迷、ウクライナ危機で追いうちを掛けられている燃料高騰、さらには台湾情勢がものすごくきな臭くなってきました。
私自身はこの株式を保有していますが、(他の銘柄を含めて)早めの対応が必要かもしれません。面白い動きをしているとは言え、やはり平和が一番ですので、安定を願るばかりです。
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