インデックス型投資信託は比較的安定しているので安心ですが、年金収入が主体となる老年期には好配当の個別株式も生活費等に補填できて魅力があります。また、ある程度株式投資の経験があればデイトレにより、リスクを抑えて投資を楽しむ事も可能です。老後の資産を守るためには、預貯金や国債等で一定割合を確保した後、投資信託やデイトレを含めた株式投資を実行することでボケ防止を兼ねた資産延命が可能になると思いますので、これらについて説明します。
老後の投資区分(預貯金等以外)
リスクを伴う投資の割合は、よく言われるのが「100-年齢」%という考え方があります。例えば65歳であれば、リスクを伴う投資の割合35%、リスクを伴わない投資の割合65%です。リスクを伴う投資としては、株式投資や投資信託等ですが、その中でもある程度リスクを抑える方法もあります。
ここでは、リスクを伴わない投資の資産が確保済として、残りのリスクの伴う投資について極力リスクを抑える方法について述べたいと思います。
リスクを伴う投資の種類としては主に次のとおりです。
- 中長期投資
- インデックス型投資信託:ノーロード・指数連動型の先進国債権・株式・金、米国ETF
- 好配当株式:比較的時価総額が大きい好配当の個別株式、米国ETF高配当型
- 短期投資
- デイトレ(日計り取引):一日で株式の売買が閉じる取引。一般的に信用取引で行うので信用買→返済売だけではなく売却から入る信用売→返済買も可能。
インデックス型投資信託の例
老後になると残り期間が短くなる気がしますが、意外と長いものです。そうなるとリスクのある投資の中心はインデックス型投資信託の積立投資になります。また、証券会社(SBI証券や楽天証券等)では投資信託定期売却サービスの商品があり、運用しながら取り崩していく方法もあります。
一例としては次のとおりです(【】内は信託報酬率等の費用)。
- 投資信託
- 4資産均等:ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)【0.154%】
- 8資産均等:eMAXIS Slim 8資産均等【0.0968%】
- 金(ゴールド)の投資信託:SMT ゴールドインデックス・オープン【0.275%】
- 全世界株式型投資信託:SBI・全世界株式インデックス・ファンド(雪だるま(全世界株式))【0.1102%】
- 米国S&P500指数連動:eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)【0.0968%】
- 米国NASDAQ100指数連動:iFreeNEXT NASDAQ100インデックス【0.495%】
- 米国ETF(国内ETFは一部を除き出来高が小さいので)
- VTI(バンガード トータルストックマーケットETF)【0.03%】
- QQQ(インベスコ QQQ トラスト シリーズ1 ET)【0.20%】
- VYM(バンガード 米国高配当株式ETF)【0.06%】
- SPYD(SPDRポートフォリオS&P 500高配当株式ETF)【0.07%】
- AGG(iシェアーズ コア 米国総合債券市場 ETF)【0.03%】
- JNK(SPDR BB ハイイールド債券 ETF)【0.40%】
- GLDM(SPDR ゴールド ミニシェアーズ トラスト)【0.18%】
好配当株式の例
大型株でも配当が良い銘柄が増えています。例えば平均配当利回り4%とすると株式1,000万円保有で40万円/年の配当金を得る事ができます。生活費に補填するにはなかなか良い値だと思います。
好配当株式の一例としては次のとおりです(【】内の前の数値は証券コード、後ろの数値は2023年1月25日時点の配当利回り)。
- JT【2914、7.03%】
- 武田薬品工業【4502、4.27%】
- 日本郵政【6178、4.49%】
- 三菱商事【8058、3.49%】
- 三菱UFJフィナンシャル・グループ【8306、3.33%】
- 日本郵船【9101、15.73%】
- ソフトバンク【9434、5.77%】
リスクを抑えたデイトレ
デイトレは、意外とリスクを抑える事が可能で、慣れるまでは無理しないのが原則です。慣れてくると自ずと自分のスタイルができてくると思いますので、それまでは焦らない事が肝要です。まずは、次のような方針で1日1~2銘柄(注視する銘柄は多くとも可)を対象に小さな利益を積み重ねていくのが良いと思います。
- 出来高の大きな銘柄を選ぶ:刻一刻と株価が変動するので、指値が難しいときがあります。成行で大きく不利にならないように出来高が大きな銘柄を選ぶ。
- 順張り:素人の先読みは無謀。大勢に迎合して小さな利益を狙う。
- チャートの見方を学ぶ:基本です。
- 日頃から注目する銘柄を決めておく:自分で中長期保有している銘柄やブーム化された銘柄(最近では船舶や金融)を日頃から注視して動きや値幅等に慣れておく。
- 事前に方針を決めておく:日米株価指数、為替、原油・金先物、ニュース等を事前に確認し、当日の方針を決めておく。例えば、「A銘柄は雪で工場がストップしたので、今日はA銘柄だけに絞り、板を確認して問題なければ売から入るか」とか。
- 深追いしない:慣れるまでは小さな利益(数千円~1万円程度)で満足する。
さいごに
資産を守るためには、老後といえどもある程度リスクをとることが必要です。投資信託の積立は安心なのですが、大敵は何もしないので退屈ということです。また全くリスクが無いわけでもありませんので、知らない間にゆでガエル状態になっている可能性もあります。
個別株式は十分リスクを認識して臨めば、必要以上に不安になることもないと思います。とはいえ、個別株式の取引を行う場合は、十分な準備と知識が必要です。また、老後の株式投資については、75歳までとか、いつ終えるかも事前に決めておくことが重要です。これらを理解して残りの人生を楽しみたいものです。
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