米ドル投資で金と債券を考える、米国株式のリスクヘッジとして

投資の中心となる株式ですが、リスクを抑えるために債券や金(ゴールド)への投資もある程度必要です。債券や金は一般的に株式と逆相関といわれていますが、最近ではこれも崩れているようです。金や銘柄に広く分散投資する米国ETFでこの傾向を調べてみました。金ではIAU、債券ではAGGとJNK、これに比較する株式としてVOO、そして日経平均で比較してみました。

米国ETFの候補

金では設定期間が長いIAU、債券では米国国債中心のAGGと金利が高いJNK、そして比較にS&P500指数に連動するVOOと日経平均を比較して見たいと思います。

各銘柄の概要は次のとおりです。

  • IAU(iシェアーズ ゴールド トラスト):金(ゴールド)価格に連動するETFです。
  • AGG(iシェアーズ コア 米国総合債券市場 ETF):米国で公募発行される投資適格の米国国債、投資適格の社債等から成る米国の投資適格債券市場の指数に連動するETFです。
  • JNK(SPDR BB ハイイールド債券 ETF):いわゆるジャンク債と言われる格付会社の信用格付がBB以下の評価をされている債券の集合です。信用度が低い分、比較的金利が高くなっています。
  • VOO(バンガード S&P 500 ETF):低コストで有名なバンガード社の米国S&P500指数に連動するETFです。
  • 日経平均:日本の代表的な株式指数です。上記のETFと比較するためにあげています。

経費率と配当利回りの比較

次の表はコストと配当利回り等です。コストとしては、経費率(信託報酬率等)と売買手数料があります。SBI証券や楽天証券では、一部の米国ETF銘柄の買付手数料を無料にしています。表右端の〇は、両証券で買付手数料を無料にしている銘柄を現わしています。

Tiker 現在値
2022.12.7時点
経費率配当利回り純資産総額買付手数料無料
SBI証券&楽天証券
IAU$33.910.25%0%$25,425M
(〇:GLDM)
AGG$99.680.03%2.25%$80,536M
JNK$91.720.40%5.74%$9,650M
VOO$361.330.03%1.58%$278,645
日経平均¥27,686
【米国ETFの一例(2022.12.7時点)】 ※SBI証券から抽出。

経費率が最も安価な銘柄はAGGとVOO配当利回りが最も良いのはJNK純資産総額が最も多いのはVOOで次がAGGです。買付手数料無料では、AGGとVOOが対象です。ただし、金ETFではGLDMが買付手数料無料です。比較候補にあげなかったのは設定日が2018年6月と比較期間が短いためです。ただし、経費率0.18%と金ETFの中では最も安価ですので、実際に購入する場合はGLDMが良いかもしれません。

騰落率の比較

次に相対チャートで各米国ETF銘柄を比較してみたいと思います。

5年間の相対チャート

5年間前を0%として現在どのぐらい価格が変動したかの相対チャートです。

最も上昇率の高いのは、S&P500指数に連動するVOOですが、金ETFのIAUも健闘しています。両者は逆相相関を形成しながら上昇しているようにも見えます

金ETFの検討に比べて債券ETFのAGGやJNKは下落しています。利回りが良くとも下落して利益はほとんど無いように見えます

米国ETFの5年間の相対比較チャート
【米国ETFの相対比較チャート(5年間)】※Google Financeから抽出。

1年間の相対チャート

最近の1年間のチャートでは次のとおりです。

ここでも金ETFのIAUが米国市場低迷にもかかわらず健闘しています。また、意外にも日経平均も健闘しています。円安の影響が大きいのだと思います。

一方、1年間で見ても債券ETFは悪い状態です。株式ETFのVOOと同じぐらいの低迷さです。

米国ETFの1年間の相対比較チャート
【米国ETFの相対比較チャート(1年間)】※Google Financeから抽出。

騰落率

5年前と現在(2022年12月7日時点)の価格、そして1年前と現在(2022年12月7日時点)の価格でどの程度の騰落率になったのかをまとめたのが次の表です。

Tiker騰落率5年間騰落率1年間
IAU41.41%▲0.18%
AGG▲9.51%▲12.71%
JNK▲16.83%▲15.36%
VOO48.15%▲16.30%
日経平均21.37%▲4.07%
主な米国ETFの騰落率(2022年12月7日時点)
 ※Google Financeから抽出。

金ETFは5年間でみても株式ETFのVOOと遜色が無く、1年間では最も下落幅が小さい結果となっています。

その反面、債券ETFのAGGやJNKは酷い状態です。これでは、利回りが良くとも株式と同じように下落するようでは魅力がありません。

購入方針

これらの結果から次のことが言えそうです。

  • 株式ETFのリスクヘッジには、金ETFの方が債券ETFよりも比較的良い。

ただし、金ETFは利回り無しですので、値上り益だけ期待する事になります。このため、金ETFに資金を集中させるのでは無く、ご自身のポートフォリオの中で少し購入しておくのが良いと思います。

さいごに

昔から金資産は、全資産の内の5~10%程度が良いと言われています。リスク分散としては、資産分散、銘柄分散、時間分散があります。このうち、金ETFは金だけに投資しますので銘柄分散がありません。また、一度に購入するのではなく積立て等時間分散で購入すると、よりリスクが軽減されます。

あくまでお金と時間と心の余裕を持って臨むのが良いと考えます。

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米国株式のリスク軽減となるか、金ETFと債券ETFを考える
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