給与収入相当700万円のケース
計算方法は市民税と県民税の税額控除額の計算が異なるだけで、その他の方法は同じです。このため、税額控除の部分だけを記載します。
総合課税の税額控除額の計算
市民税⑮税額控除額8,400円の内訳は次のとおりです。
- 調整控除:50,000円×3%=1,500円
- 配当控除:③配当150,000円×1.6%=2,400円
- 配当割額(配当時に源泉されている分):③配当150,000円×3%=4,500円
県民税⑲税額控除額5,800円の内訳は次のとおりです。
- 調整控除:50,000円×2%=1,000円
- 配当控除:③配当150,000円×1.2%=1,800円
- 配当割額(配当時に源泉されている分):③配当150,000円×2%=3,000円
分離課税(源泉徴収)の税額控除額の計算
市民税の⑮税額控除額1,500円の内訳は次のとおりです。
- 調整控除:50,000円×3%=1,500円
- 配当控除:源泉徴収されているので対象外です。
- 配当割額(配当時に源泉されている分):源泉徴収されているので対象外です。
県民税の⑲税額控除額1,000円の内訳は次のとおりです。
- 調整控除(⑬が200万円以下なので):50,000円×2%=1,000円
- 配当控除:源泉徴収されているので対象外です。
- 配当割額(配当時に源泉されている分):源泉徴収されているので対象外です。
給与収入相当900万円のケース
これは給与収入相当700万円と計算方法は同じですので、結果の表だけを示します。
所得税額の場合
住民税の場合は、総合課税にしない方が納める税金が少なくなります。しかし、所得税額では、この逆で、高額収入の方でなければ総合課税にした方が税金は少なくなります。
このため、所得税では総合課税で申告し、住民税は源泉徴収のままで実行するのが税金的には有利です。
所得税を総合課税で確定申告すると何もしなければ住民税も総合課税扱いになりますので、別途、住民税については、「市民税・県民税では申告しない。」と届け出る必要があります。私の街では、「上場株式等の所得に係る市民税・県民税申告不要申出書」という書類になります。
所得税額については、次の記事でまとめていますので、ご興味があればご覧ください。
株式等の配当を受け取る際に、所得税等が通常源泉徴収されますが、高額年収でなければ、総合課税による配当控除を活用した方が有利だと言います。所得税について試算した結果では、確かに総合課税が有利です。確定申告は必要ですが、大切なお金ですので、し[…]
さいごに
住民税について、総合課税にする場合と源泉徴収のままにする場合との比較をしてみました。住民税については源泉徴収が有利との結果です。所得が増えると例えば国民健康保険料も上がりますので、なるべくなら所得が増えない源泉徴収にして置いた方が安心です。
収入が少なくなる中で安心して生活を送るために手間を惜しまず、しっかり確定申告や必要な手続きを行い、適正な納税に心掛けましょう。
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