テレワークは真の働き方改革か

新型コロナウィルスの勢いが衰える気配が見えないどころか、米国や欧州にも拡散し、株式市場や先物商品市場等が大変な状況になっています。この災いはいつかは収束することは確実ですが、その時期が現状全く予想できません。このような状況の中、会社で新型コロナウィルスが発症した人がいた場合、その方が勤めていたビルを数日閉鎖し消毒するところや社員全員を原則テレワークをさせているところなどが目につくようになってきました。私の所属する会社もテレワークを試行してみようとしていますので、それに関連してテレワークについて考えてみたいと思います。

テレワークとは

「テレワーク」とは「tele = 離れた所」と「work = 働く」をあわせた造語です。以前は、「在宅勤務」と良くいわれていました。離れたところでは、一般的に自宅ですが、現在の屋外通信環境やインターネット、高性能・低消費電力のノートPC、スマートフォン・タブレットの普及によりどこでも仕事をすることが可能になってきています。

会社の外でメール確認、作成・発信等をよく実施している方もいると思いますが、これもテレワークの一種です。

また、最近では、場所だけではなく、時間にもとらわれない働き方と広げて定義しているようです。

必要な環境・ツール

それでは、テレワークにはどのような環境が必要なのかと言えば、会社で仕事をする上で必要な環境やツールですので、インターネット環境、メール、情報等が格納されているデータベース、会議室に変わるコニュニケーションツールなどがあります。

インターネット環境

社内と同様にインターネットが繋がる環境が必要です。もしも家以外で仕事をする場合は、ポケットWi-Fiなどのモバイル環境が必要です。今はスマートフォンが普及していますので、通信料のことを考えなければ操作性がイマイチですがスマートフォンを直接使うか、スマートフォンのデザリング＋ノートPCで問題ありません。

メール

メールは、会社メール、Webメール、自宅のインターネットプロバイダと契約しているメール、フリーのGmailやYahooメール等々、今はいろいろなメールが使用できますので、全く問題ないですね。

情報等データベース

次は、会社の資料・データ類です。これらのデータを会社のローカルなディスクに保有している場合は、USBメモリやメール添付自宅送付等で持ち出さなければなりませんので、暗号化するなどセキュリティ的に注意しなければなりません。

これがクラウド型データベースになっていれば、どこからでも簡単にアクセスできるので、利便性・セキュリティが格段に上がります。 最近のノートPCでは、大容量のディスクを持たないでクラウドストレージを使うことを前提にしているものがあります。

そういえば、米国株式市場でクラウドストレージ会社のDropbox社が２月下旬頃に株価が急伸し、話題になっていました。今は全世界的な下落基調で連れ下がっていますが、これもテレワークを先取りした動きです。なかなか、先を読むのが難しく、ついていけません。

コミュニケーションツール

会社で打ち合わせを行う要領で、インターネットを活用して会議（以下簡単にWeb会議といいます）をすることを考えると、必要なものは、インターネット環境、PC/スマートフォン/タブレット等端末、カメラ、マイク、そしてWeb会議用ツールです。Web会議用ツール以外はそれほど用意するのが難しくないので、Web会議用ツールついて見ていきたいと思います。

一般にWeb会議システムでは、「Skype」が有名ですが、無料版では参加者数１０名までと制限がありますので、今うちの会社で検討しているのは「ZOOM」というツールです。

「ZOOM」の特徴は、次のとおりです。

• インターネットとPC、タブレット、スマートフォン等を介して、Web会議ができる。参加者は、自分のスクリーンを見て、資料を閲覧したり参加者と議論ができる。議論は、音声やチャットでも可能。
• 無料版と有料版があり、無料版は、100人の参加者まで可能。ただし、最大40分間の時間制限がある。
• 有料版は、2,000円/月と2,700円/月であり、参加者数のリミットが300人～500人に増えたり、クラウドストレージに議論内容を記録できたりするものがある。
• Web会議のみではなく、ウェブナー（Web経由のセミナー）にも活用ができる。等々

まず試行から

まずは、「ZOOM」の無料版を使い、試行から始めます。使用時間制限max40分間も会議にメリハリができ、良いかもしれません。事前準備をして、さっと終わらせる、いいですね。。。
もしも延長してもう少し会議となっても再度ログインすれば良いので、試行レベルでは問題になりません。ただ、延ばすよりは、終わらせることを考えた方が良いと思いますが。

さいごに

テレワークは、新型コロナウィルスの影響で、やむを得ず実施することを検討中ですが、意外と簡単にできるもので、既に実行できる環境が比較的容易に構築できるツールやシステムが用意されています。これが５Gになると、さらにストレスフリーになりますので、臨場感のあるWeb会議になっていきます。

今の日本は、東京一極集中と地方の過疎化の加速による朝夕の猛烈ラッシュ、よく発生する交通機関のトラブルや、働き方改革による生産性の向上、長時間労働削減と余力時間の捻出、健康で健全な生活の維持・向上等が課題ですが、新型コロナウィルスの災いを克服することにより、真の働き方改革が一気に進む可能性が生まれてきたのかもしれません。

「災い転じて福となす」、「朝の来ない夜は無い」ですので、現状の対策をしつつ、次に向けて進めていきたいと思います。

ただし、どんなに便利なシステムやツールでも、最終的には使う人により活きていくものですので、我々の心がけ次第ですね。