米国株式を売却した後の米ドルの行方、米ドルMMFか米ドル預金

FRBの政策金利利上げ継続により米国株式市場の不安定な状態が続いています。休むも相場なりの格言がありますので、米国株を一旦売却した人やこれから売却しようと考えている人も多いと思います。売却後の米ドル保有方法について、考えてみたいと思います。

米ドルの保有方法

米国株式の売却では、売却後の資金を円貨で受取る方法と米ドルで受取る方法があります。円安が進んでいますので、円貨で受取っても良いのですが、ある程度の自分のお金は米ドルで保有したい考えている人も多いのではないでしょうか。このため、本稿では米ドルで受取る事を前提にしています。

売却後の米ドルを保有する方法としては、一般的に次のとおりです。

  • 証券口座の預り金:売却資金は自動的に証券口座の預り金となります。この預り金には金利はつきません。
  • 米ドルMMFを購入:証券会社が取り扱う米ドルMMFを購入します。売却した証券会社と同じ証券会社ですので、資金の移動が無く簡単です。
  • 米ドル普通預金:証券会社から米ドル外貨預金(米ドル普通預金口座)を扱う銀行にお金(米ドル)を移して保有します。
  • 米ドル定期預金:上記の米ドル普通預金口座に移した後に米ドル定期預金として預けます。

これらについて、「証券口座の預り金」を除き(何もする事が無いので)、SBI証券と住信SBIネット銀行(NEOBANK)の例で説明します。

米ドルMMF

米国株式を売却した後では、同じ証券会社から米ドルMMFを購入するのが最も簡単な方法です。SBI証券で米国株式を売却した後に候補となる米ドルMMFの管理会社と利回り(税引き前)は次の表のとおりです。

管理会社利回り(税引き前)
ブラックロック・スーパー・マネー・マーケット・ファンド2.5740%
ニッコウ・マネー・マーケット・ファンド2.4970%
ノムラ・グローバル・セレクト・トラスト2.5000%
ゴールドマン・サックス2.6210%
※SBI証券サイトから抜粋(2022/10/28現在の平均利回り)

米ドルMMFを含めた外貨建MMFは、1ヶ月以上保有していなければなりませんが、少し頭を冷やすには良いのではないでしょうか。利回りは変動しますが、短・中期に運用するには少しぐらい動いても問題ない値だと思います。

米ドル普通預金と定期預金

次は、米国株式を売却した米ドルを米ドル普通預金や米ドル定期預金に預ける方法です。証券会社では普通預金や定期預金は扱っていませんので、銀行へ米ドルを移動させなければなりません。証券と銀行間の米ドル移動は、次節で説明するとして、ここでは、両預金の金利を見てみたいと思います。

次の表は、一例としてNEOBANKの米ドル普通預金、米ドル定期預金の金利(税引き前)です。まだ円安が進行続けると判断されるのであれば、短い期間の定期預金を選択するのが常道です。米国株式購入にいつ頃再度参入するかの時期によりますが(その間はクールダウン)、とりあえず1~3ヶ月前後ぐらいでしょうか。更に金利が上がる可能性もありますので、その場合は預け直しをして様子を見ていきます。

区分金利(税引き前)
米ドル普通預金0.90%
米ドル定期預金、1ヶ月2.10%
米ドル定期預金、3ヶ月2.60%
米ドル定期預金、6ヶ月3.10%
米ドル定期預金、1年3.30%
米ドル定期預金、2年3.60%
※NEOBANKサイトから抜粋(2022年10月28日現在)

普通預金は変動しますが、定期預金は預入時の金利で固定されるのである意味安心です。米ドル定期預金6ヶ月もので米ドルMMFの利回りを上回りますので安心のため、少し長い期間預ける手もあるのではないかと思います。

なお、米ドル定期預金には、円貨からの預入れ限定で特別金利が設定されています。例えば、3ヶ月もので金利4.50%、1年もので5.00%です。もしも、保有する米ドルが円安の時に交換したのであれば(以前に交換して米国株式を購入・売却し米ドルを保有)、直接円貨で外貨定期預金を購入した方が良いかもしれません。ただし、今後の為替の動きにより金利が良くても損失の可能性がありますのでご注意ください。

証券会社・銀行間の外貨入出金

先ほど少しふれた証券会社と銀行間の米ドルのやりとりについて、一例としてSBI証券とNEOBANK間の場合で説明します。

SBI証券とNEOBANK間では、手数用無料で外貨を移動できる「外貨即時決済サービス」があります。これは、NEOBANKの外貨普通預金からSBI証券の外貨建口座に入金・出金ができるサービスで、主な特徴は次のとおりです。

  • 入出金手数料:NEOBANKとSBI証券の外貨建口座の入出金手数料は無料です(SBI証券が負担してくれます)。
  • 利用可能通貨:米ドルはもちろんのこと、ユーロ、豪ドル、NZドル、カナダドル、南アフリカランド、香港ドルの7通貨です。
  • 円貨に交換する場合の為替手数料:NEOBANKで米ドル→円貨に交換する為替手数料は6銭です。
  • 利用時間:ネットから24時間可能です。
  • 即時反映:SBI証券の外貨建口座へ入金された米ドルは即時に買付余力へ反映されます。
  • 入金最小単位:10通貨単位以上で0.01通貨単位ごとです。米ドルの場合は10ドル以上1セント単位となります。
  • 利用条件:NEOBANKの外貨預金口座を保有し、SBI証券の外貨建口座を保有されている人が対象です。

このようにいつでも無料で米ドルをやり取りできます。暫くはNEOBANKで米ドル定期預金を行い、将来にSBI証券で米国株式・ETF投資を行う場合もスムーズに米ドル移動が可能です。

さいごに

米国株式市場が低迷していたと思っていたら急に動きが荒っぽくなってきました。金利上昇はまだ暫く続きそうなので、私としては米国個別株式については一旦手じまいしました。後は再開する時期ですが、静観期間によると思います。割り切り方としては、短期的であれば米ドルMMFを購入し、中期的であれば米ドル定期預金と考えています。

なお、外貨預金は預金保険制度の対象外ですので、(私のような小市民は関係ありませんが)この点にも留意してください。

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