投資信託の費用の比較、日本株式型の場合

インデックスタイプの投資信託の多くはファミリーファンド方式を採用しており、当該投資信託であるベビーファンドの信託報酬の他にマザーファンドの信託報酬も必要です。この費用は一般的に運用管理費用として明記されていますので、日経平均とTOPIXに連動する投資信託で比較してみました。

多くの投資信託が採用しているファミリーファンド方式

ファミリーファンド方式とは、投資信託(当該ファンドをベビーファンドといいます)で集めた資金をさらにマザーファンドと呼ばれる投資信託やETF(上場投資信託)に投資し、実質的な運用をマザーファンドで行う仕組みです。

日経平均に連動する投資信託の比較

まずは、日経平均株式型の例として、eMAXIS Slim国内株式(日経平均)、ニッセイ日経平均インデックス・ファンド、日経平均高配当利回り株ファンドを比較してみました。

区分eMAXIS Slim国内株式(日経平均)ニッセイ日経平均インデックス・ファンド日経平均高配当利回り株ファンド
委託会社三菱UFJ国際投信ニッセイアセットマネジメント三菱UFJ国際投信
設定日2018/02/022016/11/212018/11/09
基準価額14,553円19,357円13,054円
純資産27,075百万円48,107百万10,596百万円
信託報酬
※ベビーファンド
下記に含む下記に含む
※ファミリーファンドでは無い
運用管理費用
(含.信託報酬)
0.143%以内0.154%程度0.693%
信託財産留保額000
ベンチマーク日経平均225(配当込)日経平均225(配当込)日経平均株価採用銘柄の予想配当利回り上位30銘柄の組入れ比率をベース
マザーファンド日経225マザーファンドニッセイ日経225インデックスマザーファンド無し
分配金自動再投資自動再投資分配金有り
(直近年間620円)
トータルリターン(3年間)14.58%14.58%24.46%
【日経平均投資信託の例】※SBI証券サイトから抜粋(2023.5.26時点)。

ここで、eMAXIS Slim国内株式(日経平均)、ニッセイ日経平均インデックス・ファンドは日経平均225指数に連動する投資信託です。

eMAXIS Slimシリーズは、業界最低水準の運用コストを目指すことを強調しており、eMAXIS Slim国内株式(日経平均)の信託報酬も2023年5月11日より0.143%以内(従来0.154%以内)に引き下げました。

一方、日経平均高配当利回り株ファンドは日経平均株価採用銘柄の予想配当利回り上位30銘柄から独自に組入れ比率を決めている投資信託で、ファミリーファンドでもありません。分配金も原則年2回支払われ(自動的に再投資されません)、直近では620円/年で基準価格13,054円として計算すると約4.7%の利回りになります。

TOPIXに連動する投資信託の比較

TOPIX(東証株価指数)型の例として、eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)、ニッセイTOPIXインデックス・ファンド、iFree TOPIXインデックスを比較してみました。

区分eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)ニッセイTOPIXインデックス・ファンドiFree TOPIXインデックス
委託会社三菱UFJ国際投信ニッセイアセットマネジメント大和アセットマネジメント
設定日2017/02/272015/04/272016/09/08
基準価額15,970円15,673円18,493円
純資産72,545百万円59,319百万10,138百万円
信託報酬
※ベビーファンド
下記に含む下記に含む下記に含む
運用管理費用
(含.信託報酬)
0.143%以内0.154%以内0.154%
信託財産留保額000
ベンチマークTOPIX(配当込)TOPIX(配当込)TOPIX(配当込)
マザーファンドTOPIXマザーファンドニッセイ国内株式インデックスマザーファンドトピックスインデックスマザーファンド
分配金自動再投資自動再投資自動再投資
トータルリターン(3年間)14.55%14.50%14.58%
【日経平均投資信託の例】※SBI証券サイトから抜粋(2023.5.26時点)。

3者とも同じTOPIXをベンチマークとしていますので、ほとんど差がありません。ただし、その中でもeMAXIS Slim国内株式(TOPIX)は日経平均型と同様に2023年5月11日より信託報酬を0.143%以内(従来0.154%以内)に引き下げました。今後他社の同様ファンドも追随してくる可能性があります。

eMAXIS Slimシリーズの信託報酬引き下げのプレスリリースは次のボタンをクリックしてご覧ください。

日経平均とTOPIXの比較

日経平均225は、日本を代表する225社の単純な平均株価です。対象となる225銘柄は、日本経済新聞社が、市場流動性の高い銘柄や業種間のバランスに考慮して選定しており、年一回銘柄の定期見直しが行われます。

一方、TOPIXは東証株価指数のことで(旧)東証一部上場の全企業が対象です。数値は、1968年1月4日の時価総額を100ポイントとし、現在の時価総額(株価と発行済株式数を乗じた額)を相対ポイントで示しています。2022年4月4日に東証再編が行われましたがこれにより影響を受けそうな指数です。

次の図は日経平均225とTOPIXの5年間の相対比較チャートです。

【日経平均とTOPIX(東証株価指数)の相対比較チャート(5年間)】
※Google Financeから抜粋。

これを見ると日経平均の方が良いパフォーマンスになっています。定期的な見直しにより銘柄が選別された結果だと考えられます。

さいごに

日経平均とTOPIXの投資信託を挙げてみました。比較すると日経平均に連動する投資信託がより値上がり益が期待できそうです。さらに良いパフォーマンスが期待できそうなのが、「日経平均高配当利回り株ファンド」です。まだ十分な比較期間がとれていませんし、標準偏差が大きな傾向にありますので、その点、少し不安が残ります。年2回の分配金が支払われますので、この時に課税されますが、この分配金を小遣いや生活費補填として期待するのも良いかもしれません。

どちらにせよ、長期か短期運用か・安定か積極的運用か等、ご自分の投資方針を明確にして検討されるのが良いと思います。

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日経平均型とTOPIX型の投資信託の比較
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