定年後の不安を無くすため我が家のキャッシュフロー表を作りましょう

定年までにどのぐらい貯蓄をしなければならないかとか、老後破産を防ぐためにはどうすべきかなど、いろいろと悩まれている方が多いと思います。この悩みを少し解決する方法が、事前に我が家のキャッシュフロー表を作ることです。これを作ることにより、貯蓄が無くなりそうな時期が明確になりますので、事前に対策を考えることができます。心穏やかな老後を過ごすため、ダウンロード可能なサンプルを基に我が家のキャッシュフロー表の具体的な作成方法を説明します。全体を詳細に説明するにはボリュームがありますので、まずはメリハリをつけてザクっと説明します。

生活スタイルは人それぞれ

よく定年までにいくら貯蓄をしなければならないのかという話題があがりますが、生活スタイルは個人毎に異なります。

キャッシュフォロー表で少し安心

自分の老後の生活は大丈夫なのかと心配になりますが、お金の面で老後の安心を得るために、まず自分のライフイベントを想定し、それに合わせて家計の収入・支出を反映した我が家のキャッシュフローを作成してはいかがでしょうか。これにより、例えば貯蓄がなくなりそうな時期が明確になり、その対策を事前に検討することができます。

我が家のキャッシュフロー表

まずは、我が家のライフイベントとキャッシュフロー表を作りましょう。私が作成したひな形(Excel)が下記にありますので、よろしければダウンロードして次の作成方法を参考に作ってみてください。

作成方法

できれば源泉徴収票、給与明細、年金定期便等を用意してください。直ぐに手元にない場合は、とりあえず下記を参考にざっくりと作成し、順次精度を上げていってください。

何歳まで必要か

キャッシュフロー表は何歳まで作成した方が良いでしょうか。妻帯者であれば、奥さんの寿命まで作るのが良いのですが、寿命なんかわかりませんね。そこで、統計的な平均余命を一つの目安として考えてみました。

平均余命から決める

平均余命とは、今からあと何年生きていられるかの統計データで、厚生労働省から下表「平成30年管理生命表の概況」が発表されています。
今60歳とすると、男性で84歳、女性で89歳ぐらいまで生きているのが平均ですので、とりあえず上記のダウンロードできるサンプルでは奥さんが90歳までの期間で作成してみました。

もう少し長生きしてみる

平均余命で終えるのもドライすぎますので、実際はこれに5歳~10歳程度加えて寿命の目安としてはいかがでしょうか。例えば、奥さんのことを考えて、切りの良い数値の奥さん95歳~100歳ぐらいの年まで考えるとかです。

収入

キャッシュフォロー表に入力する主な収入は次のとおりです。必要に応じて追加、削除してください。

給与

自分の年収を記入します。

退職一時金

既に自分の退職金が分かっている方はその値を使ってください。不明な場合は、統計データから、平成30年の大卒の平均退職金は2,000万円程度ですので、退職金2,000万円、35年勤務と仮定すると退職所得控除額は1,850万円です。

(計算式:800万円+70万円×(35年₋20年)=1,850万円)

このため一時金が1,850万円以下であれば課税されませんので、サンプル表では、一時金を1,500万円、企業年金の原資を500万円としています。

老齢厚生年金(在職老齢年金)

年金定期便をご覧ください。昭和36年4月1日以前生まれの方は特別支給の老齢厚生年金がありますが、在職中であれば支給調整があります。60~64歳は28万円/月以下、65歳以上は47万円超/月の方は調整がありますが支給されます。
60~64歳の時は少々厳しいかもしれませんが、65歳以上ではほとんどの方が満額支給になると思います。

老齢基礎年金

年金定期便をご覧ください。加入期間、年収等によりますが、満額は約78万100円(令和元年度)です。

企業年金

各社の制度や拠出できる原資に依りますので、分かる方はその値を入れてください。サンプル表では原資500万円、20年間有期、支給額2.5万円/月と仮定しています。

個人年金

自分で個人年金に加入されている方は、将来貰える額を記入ください。受け取り方も一時金か有期年金かの選択があると思います。

加給年金

奥さんが年下で専業主婦等一定の条件に合うと自分が65歳以降奥さんが65歳になるまでもらえます。私の場合は、奥さんと3歳差ですので、私が65歳になってから自分の老齢基礎年金・老齢厚生年金に加えて39万100円/年を3年間もらえます。
本人と奥さんの年齢等条件により異なりますので、詳細は下記を参照ください。

本文で記載していませんが(サンプル表にはあります)、奥さんが65歳以降で条件に合えば、奥さんの年金に振替加算の額もプラスで受給できます。この説明も上記サイトにあります。

高年齢継続雇用給付金

60歳以降の給与が60歳時点の賃金の75%未満になる場合に高年齢雇用継続給付(高年齢雇用継続基本給付金または高年齢再就職給付金)が支給されます。その時の給与に影響されるので、予測が難しいです。残念ながら大した額にはならないと思いますので、面倒であれば、例えば1万円/月程度を入れても良いと思います。

計算方法等詳細は厚生労働省等資料の下記を参照してください。

支出

キャッシュフロー表に入力する主な支出は次のとおりです。必要に応じて追加、削除してください。

生活費

年間の生活費を入力します。ダウンロードした表の別シートにひな形がありますので、これを活用するか、20万円/月×12か月と適当に判断しても良いと思います。完全に会社からリタイヤした場合はそれ以前の90%にするとか、おひとり様になった時はそれまで70%にするとか調整してみてください。まずは全体を作り、徐々に精度を上げましょう。なお、物価上昇率を年率1%としています。

住居費(ローン、賃貸)

残っている住宅ローンや賃貸料を入力します。自宅の方は、家の補修費用を10年~15年毎に入れましょう。

税金(所得税、住民税等)

細かい計算は国税庁HP等を参照されると良いのですが、まずはざっくりと収入の10~20%で選択してみてください。給与明細等で分かればそれを使ってください。

社会保険費(厚生年金保険、雇用保険、健康保険、介護保険等)

これも厚生労働省HP等で詳しく記載されていますが、給与明細で値を決めるか、税金と合わせて15~20%程度と予測して入力してください。

教育費

このサイトでは子供も既に成人し、扶養していないことが前提では”0″としていますが、もしも扶養している場合の教育費については、次のサイトを参考にしてください。

車両関係(購入、車検)

車を保有されている方は、購入を例えば7年毎に200万円とか車検が12万円/回とからご自身の経験値を入れてください。

旅行費用

たまに旅行も出かけたいと思いますので、隔年で10万円とか、1乃至2回は海外旅行で50万円とか入れてください。

祝い金(結婚、孫関係)

親戚の冠婚葬祭費5~10万円/回や孫・親戚へのお祝い金(誕生、七五三、入学祝、就職祝等々)をイベントの時期を想定して入れてください。

その他

上記に含まれないその他イベントがあればその費用を入れてください。

貯蓄残高と対策

貯蓄残高

収入と支出が明確になれば、その差を今までの貯蓄残高に加えて当年の貯蓄残高が出ます。この値を自分や奥さんの寿命まで出してみてください。赤字であればなんらかの対策が必要です。なお、貯蓄残高は運用しているという前提で運用益+2%で計算しています。

キャッシュフロー表をどのように使うか

細かな項目の説明はサンプル表にある程度記載していますが、一番重要なところは、何時貯蓄残高が赤字になるかです。これを避けるためどうするかを事前に考える事が重要です。
サンプル表の場合は本人が85歳で貯蓄が無くなりますので、これを避けるために収入を増やす(もう少し働こうか)か支出を減らす(家計を見直し、さらに無駄な部分を変更/削る)等の対策が必要です。

定期的な見直しを

年金制度や会社の制度など状況は良く変わりますのでキャッシュフロー表の毎年/半年毎とかで定期的な見直しをしてください。私の場合は、年末年始の休暇の時に行い、問題はないかを見直しています。

将来を予測して、安心な生活をおくれるように、なるべく早い段階で我が家のキャッシュフロー表を作成し、事前に収入を増やす方策や支出を減らす方策等を考えてみてはいかがでしょうか。

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