企業によっては、退職金の代わりに企業年金を支給するところや、社員が退職時に退職金の一部を原資として拠出し、企業年金として受け取る形態を実施しているところがあります。私の場合は、退職金を一部原資として企業年金基金に拠出し、残りを一時金で受け取りました。企業年金の税金について調べましたので、報告します。
企業年金とは
企業年金とは、企業が社員に対して支給する年金のことです。 これに対して、国民年金や厚生年金などの公的年金があります。
企業年金の主な原資は、企業が退職金の代わりに原資を拠出するものや、社員が退職金の一部または全額を拠出するもの等があり、企業によりその形態は異なります。
企業年金の支給月と税金
企業年金の支給月は、主に 偶数月に支給されます。ただし、企業によっては、支給額により、年1回から3回等、若干の変則があります。
企業年金の税金
拠出された企業年金の原資は、退職時点ではまだ所得として発生していませんので課税されていません。課税されるタイミングは、実際に企業年金を受け取る時です。
つまり、 企業年金は「公的年金等に係る雑所得」として課税対象となり、年金の支払い毎に所得税が源泉徴収され、税引後の金額を受け取ります。
企業年金支給時の源泉徴収税額
年金支給額の多い少ないにかかわらず、年金支給額の7.6575%が源泉徴収されます。これには、復興特別所得税も含まれています。計算式は次のとおりです。
源泉徴収税額=年金支給額×7.6575%
※源泉徴収税額
=(年金支給額-年金支給額×25%)
×{所得税率(10%)+復興特別所得税10%×0.021)}
企業年金の控除
企業年金は、公的年金等控除の対象となり、公的年金の厚生年金や共済年金(厚生年金に一元化されましたが)と合算して計算します。
また、年末調整時点では、 年金時の一律7.6575%源泉徴収されたままとなっていますので、 公的年金や他の所得を含め、税額の最終調整を確定申告で行うことになります 。
公的年金等の控除額の計算方法は、65歳未満と65歳以上で計算式が異なります。
さらに詳しくお知りになりたい方は、下記のWebサイトをご覧ください。
なお、公的年金等は雑所得として扱われますが、主なものは次のとおり。
- 国民年金法、厚生年金保険法、公務員等の共済組合法などの規定による年金
- 過去の勤務により会社などから支払われる年金
- 外国の法令に基づく保険又は共済に関する制度で上記①に掲げる法律の規定による社会保険又は共済制度に類するもの
さいごに
今回は、源泉徴収される企業年金について調べてみました。公的年金等を受給されている場合は、確定申告するとほとんどの方は戻ってくると思いますので、忘れずに実施しましょう。
なお、「上記サイトの公的年金等に係る雑所得の金額の計算方法」に掲載されている「公的年金等に係る雑所得の速算表(令和2年分以後)」を見ると来年から控除額が減りますが、控除間の調整があり、結果的に変更なしでした。最近、自分で税金の計算をする機会が増えたので、税制に関心をもっているつもりでしたが、何気なく見過ごすことも多く、もっと目を光らせなければなりませんね。