楽クラライフノートで手軽に相続税シミュレーション、その結果は

スマホ終活アプリの楽クラライフノートで相続税を算出してみました。資産状況をアプリに登録しておくと簡単に実行できて便利です。しかし計算過程が見えないのであくまで参考値として活用するのが良いです。本稿では、具体的な実行方法等について説明します。

楽クラライフノートとは

楽クラライフノートとは、NTTファイナンスが提供するクラウド型エンディングノートアプリで、終活でのいろいろな自分の情報や関連情報等を整理し、家族と共有する事ができます。

概要は次のとおりです。

  • お金を管理:資産や家計の状況・推移等が管理できます。
  • 家族関係を整理:家族情報や家系図作成ができます。これらの情報は相続の時に参考になります。
  • 自分の希望等を整理:医療情報、介護、相続、葬儀、お墓、自分の経歴、その他の契約サービス等について整理できます。
  • 関連情報を提供:お金や終活に有益な情報サイトを閲覧したり、終活電話相談窓口サービスを利用したり、サポートを受けたりする事ができます。
  • 利用料:300円/月(税込)、ただし初回契約時から起算して6ヵ月間無料です。また、「共有される側(家族等)」は無料で利用できます。

このアプリは、6カ月間無料で利用できますので、私も試行中です。今回、このアプリ機能の一つである相続シミュレーションを実行してみました。

相続シミュレーションの実行と結果

シミュレーションは、楽クラライフノートのトップ画面下の「お金」をクリックし、「お金」画面の上部タグ「シミュレーション」を選択すると次の画面が現れます。

シミュレーション開始

「シミュレーション」タグでは、次のとおり「キャッシュフローシミュレーション」「相続税かんたんシミュレーション」が表示されますので、今回は「相続税かんたんシミュレーション」の部分をクリックします。

相続資産登録

ここでは、相続の対象となる資産を記入していきます。既にアプリに資産状況を登録済の場合は、「相続資産登録」画面の「最新の資産・負債情報を反映する」ボタンをクリックすると自動的に反映されます。

次の画面は「相続資産登録」に表示されるアプリ登録済の資産状況です(左画面の続きが右画面に表示されています)。ここで、反映する資産と反映しない資産を選ぶ事ができます。この画面の例では、ポイントを未反映としてしています(相続の対象外)。

資産・負債の反映が終わったら、「次へ」をクリックして先に進めます。

法定相続人登録

資産を相続する対象者を設定します。

相続の優先順位は次のとおりですので、あり/なしで表示が追加されていきます。

  • 第1順位:配偶者1/2、子供1/2です。子供が複数人いた場合は1/2をその人数で割った値が子供一人一人の持ち分です。また、配偶者がいなければ子供が全財産を相続します。
  • 第2順位:子供がいない場合で、配偶者2/3、直系尊属1/3です。直系尊属とは被相続人の自分の父母と同列以上にある目上の血族です。配偶者がいない場合は直系尊属が全財産を相続します。
  • 第3順位:子供も直系尊属もいない場合で、配偶者3/4、兄弟姉妹1/4です。配偶者がいない場合は兄弟姉妹が全財産を相続します。

法定相続割合

この例では、配偶者と子供一人ですので、法定相続の割合は配偶者50%、子供50%となります。遺言書等で相続割合を変更したい場合は、各々の%を変える事ができます。

相続税の結果

この結果では、相続税は0円です。少ない相続資産なので0円となっていますが、※印の注に「・・・実際の相続税と異なることがあります。」と書かれているとおり、あくまでも参考値です。また、相続税を算出した明細が見れないのも不満なところです。もしかすると正確な金額を出すと税理士法との絡みでまずいのかもしれません。

主な相続税の計算と比較すると

確かに相続税の計算方法は難しいのですが、相続シミュレーションとして反映している可能性のある主な控除等について確認したいと思います。代表的なものとしては、基礎控除額、生命保険金の非課税控除、小規模宅地等の減額特例があります。

これらからアプリだけに頼らず、ご自身で計算してみるのが良いと思います。

相続税の基礎控除

現在の遺産に係る基礎控除額の計算式は次のとおりです。今回は法定相続人は2人(奥さんと子供1人)ですので、4,200万円(=3,000万円+600万円×2人)が相続財産から控除できます。

  • 基礎控除額=3,000万円+600万円×(法定相続人の数)

生命保険金の非課税控除

生命保険金を受け取れる場合は、非課税控除があります。その計算式は次のとおりです。。今回は法定相続人は2人(奥さんと子供1人)ですので、1,000万円(=500万円×2人)が相続財産から控除できます。

  • 生命保険金の非課税控除額=500万円×(法定相続人の数)

小規模宅地等の減額特例

小規模宅地の減額特例とは、相続した宅地についてそのまま住み続ける等の一定条件を満たせば評価額を80%減額できる特例です。例えば個人と生計を共にしていた家族(奥さん)が居住用として使っていた宅地については評価額を80%まで減額できます(ただし宅地330㎡まで)。例えば、宅地の評価額が1,000万円の場合は、相続税対象金額は200万円(=1,000万円×(100%-80%))となります。

詳細は下記をご覧ください。

さいごに

今回は、楽クラライフノート・アプリを利用して相続税シミュレーションを実施してみました。簡単に実行できるのですが、その計算過程が分かりませんので、いま一つ信用ができません。アプリ結果は気軽にできる参考値にとどめ、ご自身で計算してみるのが良いと思います。

また、今回触れませんでしたが、奥さんは法定相続分(1/2)又は1億6,000万円まで非課税です。このため、奥さんに全て相続させれば良いと考えるかもしれませんが、2次相続の問題があり、これも要注意です。奥さんが亡くなって子供が相続する時の2次相続の際、子供にその遺産が集中します。このため、極力2次相続のことも事前に考えておく事が理想です。

このように相続税への対策は大変難しいですので、ある程度資産がある方は、やはり相続専門の税理士さんに相談した方が良いと思います。

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楽クラライフノートで相続税シミュレーション
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