リスク分散方法としての米国株式投資のすすめ

2020年3月に日米株式を始めとする世界の資産の大暴落が発生しました。原因はご存じのとおり新型コロナウィルス感染拡大による世界の経済活動の停止です。米国株式も一挙に3年前に戻ってしまいましたが、同年4月からは急激に回復している状況です。暫くは不安定な相場が予想されますが、非常にタフな米国株式とこれを組み込むことによるリスク分散について考えてみたいと思います。

米国株式の状況

次の図は、ニューヨークダウ(以下、NYダウといいます)の2年間の週足チャートです。上げ下げを繰り返してはいますが、順調に上昇し、最高値を更新していました。しかし、新型コロナウィルスの影響で2020年3月の大暴落となっています。ひどいものです。

しかし、その後の2020年4月からは、急激に値を戻している途中に見えます。ある面では投機的な相場に見えますので、株式投資が嫌になった方も結構いたのではないでしょうか。

中長期で見た米国株式

次に過去10年間と過去20年間の株式の相対チャートを見てみます。

過去10年間の米国株式の相対比較チャート

次の図は、過去10年間のNYダウ(青色)、日経平均(赤色)、SPDR(黄色、金ETF)の相対比較チャートで10年前の時点を100として比較したチャートです。SPDRは金資産の代表として用いています。つまり、日米の株式と金資産の3資産について状況を見るのが目的です。

主な点は次のとおりです。

  • NYダウ、日経平均、SPDRとも2020年3月に大暴落し、その後反転し、上昇トレンドを作ろうとしている。
  • この3資産の内、金(SPDR)の回復が早く、既に最高値を一旦は更新している。
  • NYダウは、金の戻りには及ばないが一月足らずで10年前の値に戻っている。日経平均は、反転しているが、戻りが遅い。

過去20年間の米国株式の相対比較チャート

続いて、過去20年間の3資産の相対比較チャートです。先ほどの過去10年間のチャートでは、一見、金が良さそうでしたが、過去20年間ではそれが変わります。

主な点は次のとおりです。

  • 最も価値が上昇しているのは、米国株式のNYダウであり、SPDR(金)の約2倍の上昇を示している。
  • SPDR(金)は安定しており、全期間を通してマイナスになった期間が少ない。
  • 日経平均は、長らく低迷が続いており、プラスが継続するようになったのは最近数年間である。

やはり米国株式か

NYダウ(米国株式)は、今回の大暴落を考慮しても20年前と比較すると大幅に値を上げています。改めて見るとすごいですね。本当にこれからも続くのか不安になってしまいます。

リーマンショックは、2008年9月に発生しましたが、その後数年で最高値を更新していますので、今回の新型コロナウィルスを原因とした下落も数年後には、さらに最高値を更新するかもしれません。

将来のことを予測することは神様以外無理ですが、この実績を見るとアセットアロケーション(資産配分)で米国株式資産をある程度保有することはリスク低減になりそうです。

また、安定的な金資産を少し保有することも良さそうです。

資産クラス別のリターン

資産は、種類・地域・時間を分散することにより、リスクが低減できます。種類の分散では、下記の図がモーニングスター社のWebサイトに掲載されています。有名な図ですので、ご覧になった方も多いと思いますが、各種類の資産が各年でどの程度リターン(利益率)があったかを示した図です。1位の資産が毎年変わっており、次の年には最下位になっている場合もあります。

資産を集中して持つといかにリスクが大きいかを示しています。先のチャートでは中長期での米国株式保有の有効性を現していますので、積立投資信託のような形で時間分散を図りながらある程度保有すべきと思いますが、米国株式だけに集中保有はリスクが大きすぎることを示しています。

自分の我慢できるリスクを認識して、その中でバランス良く、各資産を保有することがリスクに強い資産保有になります。

出典:モーニングスター

さいごに

新型コロナウィルスの感染拡大がなかなか収まりませんが、株式市場では、既にこの厄災の後のことを織り込みつつあるように見えます。保有資産の急激な変更は「資産クラス別のリターン」の図のように大きなリスクを伴います。

大きな厄災による社会への打撃が続きますが、このような時にこそ落ち着いて、我が家の資産の種類・地域・時間の分散を考え、大切な資産を守っていきましょう。

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