楽天証券の積立投資信託における楽天クレジットカード決済でもらえるポイント付与率がアップします。改悪が続いていた楽天ポイントですが久しぶりの改善です。改善のきっかけとなったと考えられる2024年1月から実施される新NISAを含めて説明します。
楽天クレジットカード決済でのポイント付与率の改善
楽天証券では、投資信託の積立で楽天クレジットカード決済が可能で、その際に楽天ポイントが付与されるサービスを実施中です。
元々、この楽天ポイント付与率は、2022年2月にそれまでの1%から楽天が受取る代行手数料が年率0.4%(税込)を境に0.2%~1.0%に変更され、その代わりに楽天キャッシュでも可能になり、楽天カードと合わせて投資信託を10万円/月購入する事ができるようになりました。しかし、インデックス型・ノーロードの投資信託は代行手数料0.4%未満ですので、ほとんどがポイント付与率0.2%となり改悪となっています。
そして、今回は少しポイント付与率が改善され、年会費無料の楽天カードでは次のようになりました。
区分 | 変更前 | 変更後 |
---|---|---|
楽天証券が受取る信託報酬の代行手数料0.4%未満 | 0.2% | 0.5% |
楽天証券が受取る信託報酬の代行手数料0.4%以上 | 1.0% | 1.0% |
そして、積立投資信託は楽天キャッシュ決済でも購入が可能なので、楽天カードから楽天キャッシュにチャージしてから積立投資信託を購入すると0.5%のポイント付与がされます(各々上限5万円/月)。
これをまとめると次のようになります。
区分 | 楽天カードで購入 (上限5万円/月) | 楽天キャッシュで購入 ※楽天カードからチャージ (上限5万円/月) |
---|---|---|
楽天証券が受取る 信託報酬の代行手数料0.4%未満 | 0.5% | 0.5% (チャージ時に付与) |
楽天証券が受取る 信託報酬の代行手数料0.4%以上 | 1.0% | 0.5% (チャージ時に付与) |
通常の楽天カードであれば、少しポイント付与率が改善されます。なお、この見直しは楽天カードクレ2023年6月買付分からになります。
詳細については、次の画をクリックしてご覧ください。
ポイント付与率改善のきっかけとなった新NISA
楽天証券での積立投資信託へのポイント率改善には、2024年1月から実施される新NISAの影響があると考えられます。
この新たなNISAでは、NISA枠が従来の120万円/年から360万円/年に拡大等大きな変更があります。この新NISAの概要は次のとおりです。
- 非課税保有期間が無期限:口座開設可能期間及び非課税保有期間の期限がなくなり、恒久的な措置になります。
- つみたてNISAと一般NISAの併用が可能かつ投資枠拡大:つみたてNISAを引き継ぐ「つみたて投資枠」と一般NISAを引き継ぐ「成長投資枠」との併用が可能となります。各々の可能な投資枠は次のとおりです。
- 「つみたて投資枠」は一定の投資信託を対象とする長期・積立・分散投資で上限120万円/年に拡充されます。
- 「成長投資枠」は上場株式への投資が可能で上限240万円/年に拡充されます。
- 非課税保有限度額(総枠):一生涯にわたる非課税限度額の総枠は1,800万円です。ただし、この内数として「成長投資枠」は1,200万円が限度となります。また、NISA枠で購入した商品を売却した場合、その売却分をNISA枠として再利用することが可能になりました。
これらの措置は、2024年1月から適用されます。なお、2023年末までの現行つみたてNISAおよび一般NISAに投資したものは新制度の外枠で今の非課税措置が適用されます。
さいごに
現状の楽天ポイントが付与される上限は、楽天カードで5万円/月、楽天キャッシュで5万円/月の合計10万円/月(120万円/年)です。これが、新NISAでは、360万円/月(総枠1,800万円)となりますので、このNISA枠に対応した施策が楽天証券でも新たに現れるではないかと期待しています。
NISA口座は1つの金融機関にしか開設できません。このため、NISA口座の金融機関を変更するためには、暦年単位で対応する必要があり、今年少しでもNISA枠を利用していると金融機関変更は来年からになります。これを考えると遅くとも今年後半の9月ごろから新NISAを意識した楽天証券等金融機関の新たなキャンペーンや特典が現れてくるのではないかと考えています。
これらについて引き続き注視していきたいと思います。
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