国内株式等の売買手数料はネット証券を利用すると安くなっています。さらに一日の約定金額が一定金額以下であれば売買手数料が無料になったり、指定された米国ETFの買付手数料が無料になるサービスが出てきました。米国ETFの場合は、為替コストも重要ですので、これらを含めて、ネット証券の代表格であるSBI証券と楽天証券について比較してみましたので紹介します。
SBI証券と楽天証券の主な特長
SBI証券は、SBIホールディングスのネット証券で国内では最大手です。SBI証券口座と銀行系の住信SBIネット銀行口座(ハイブリッド口座)の資金を自動振替することができ、特に外貨に強い特長があります。
楽天証券は、最近の伸長が著しい楽天グループのネット証券です。楽天証券口座と楽天銀行口座の資金を自動振替(マネーブリッジ)する事ができ、しかも楽天ポイントを貯めやすくなっていますので、楽天ポイントを活用される方にも利便性が良いという特長があります。
以下、このSBI証券と楽天証券について、国内株式の現物取引、米国株取引(特に米国ETF)の無料手数料と為替コストについて比較していきます。なお、表の手数料は全て税込の値です。
国内株式手数料の比較
国内株式手数料の主な方式としては、約定1回毎に課せられる手数料のコースと一日内であれば何度取引しても一定額の手数料のコースの2種類があります。
約定1回毎の手数料
株式等の約定(売買成立)1回毎に課せられる手数料を示したのが次の表です。SBI証券ではスタンダードプランと称し、楽天証券では超割コースと称しています(楽天証券では大口ユーザ用の優遇もありますが、ここでは記載しません)。
ネット証券の最もアピールするところは売買手数料の安さですので、両証券とも全く同じ手数料です。
この他に手数料に応じてポイントが貯まります(事前登録要)。
SBI証券の場合は、手数料1.1%相当のTポイントが貯まり、楽天証券の場合は、手数料1.0%相当の楽天ポイントが貯まります。
一日定額の手数料
一日に何度取引しても定額手数料のコースです。SBI証券ではアクティブプランと称し、楽天証券では一日定額コースと称しています
SBI証券と楽天証券は共に、1日の約定代金合計が100万円以内であれば、1日に何度取引しても手数料無料です。
一日定額の手数料の比較では、100万円を超えるとSBI証券の手数料の方が安くなります。
ただし、楽天証券の場合は、デイトレード割引があります。デイトレードとは、一日で取引を手仕舞う(例えば購入したその日の内に同じ銘柄を売却する)方法で、この場合に反対売買の手数料がゼロ(含めない)になります。
米国株式の手数料
次は、米国株式関係の比較です。
SBI証券と楽天証券は同じ手数料です。ただし、1回の約定代金の欄に4,444.45ドルと記載しているのは楽天証券の場合で、SBI証券は「約定代金×0.495%」と記載しています。計算すると同じ値になるので楽天証券の記載方法を使っています。
米国株式を購入する場合、円貨を米ドルに交換してから米ドルで購入する必要があります。また、円貨で受け取るためには米ドルから円貨に交換しなければなりません。
このため、円貨⇔米ドル交換の為替コストが生じますので、次に為替コストに比較をしてみます。
米ドル・円の為替コストの比較
次の表は、SBI証券と楽天証券の円貨から米ドル、又は米ドルから円貨への交換する際に必要な為替コストを示したものです。
例えば、25銭というのは、米ドル$100を円貨に交換する際に手数料として25銭必要になるという意味です。
SBI証券の欄の※とは、現在キャンペーン中なので、その手数料を記載しています。
また、SBI証券は住信SBIネット銀行と、楽天証券は楽天銀行と連携をしており、口座内資金の自動振替(住信SBI証券ではハイブリッド口座、楽天銀行ではマネーブリッジ)をしていますので、各銀行で実施した場合の為替コストを記載しています。
特筆すべきは、住信SBIネット銀行の4銭です。キャンペーン中では無く、常時4銭で交換してくれます。
なお、SBI証券の場合は、FX取引(外国為替証拠金取引)と現引き(FXで交換した米ドルを現物の米ドルとして口座に入金する事)を活用すると更に為替コストを0.2銭~0.3銭に下げる事ができます。大口でなければそれほどメリットがないと思いますが、ご興味があれば下記サイトをご覧ください。
海外旅行へ行くときに日本円を外貨に交換しますが、例えば市中銀行では米ドル1ドル当り片道1円交換手数料が取られます。また、ネット証券でも、外国株(ドル建て)や米国MMFを購入する際、米ドル1ドル当り数十銭手数料が取られます。日本円から米ドル[…]
また、SBI証券と住信SBIネット銀行は、外貨入出金サービス(外貨即時決済サービス)を利用できます。例えば、SBI証券で現引きした米ドルを住信SBIネット銀行へ移動したり、逆に住信SBIネット銀行の米ドルをSBI証券に移動し、米国株式を購入したすることができます。
楽天証券の場合は、米ドルを一旦円貨に交換してから楽天銀行に移動する事になります。米ドルを楽天証券に入金する場合は、SMBC信託銀行又は三井住友銀行からの場合のみ可能です。また、出金については、出金手数料が25ドル必要ですがSMBC信託銀行に限り、1回の出金につき1,000円のキャッシュバックがあります。
米国ETF買付手数料無料の銘柄比較
一部の米国ETF(上場型投資信託:株式と同じように市場で売買できる投資信託)は、手数料無料で購入できます。
次の表は、SBI証券と楽天証券の購入時の手数料が無料になる米国ETFの銘柄です。ここで、ティッカーコードとは、日本株式の証券番号に相当するもので、経費率とはその銘柄を保有している期間発生する経費を年率で示した数値です。
これらは、あくまで購入時の手数料が無料になるという事で、売却時の手数料は有料です。
なお、楽天証券の場合は、買付手数料無料は翌月下旬に円貨で全額キャッシュバックという形をとります。
NISAの場合
NISA(少額投資非課税制度)は、株式等売買益や配当が非課税になる制度ですが、両証券とも売買等の手数料を一部無料化しています。
SBI証券では、国内株式買付・売却、海外ETF(米国・中国・韓国)買付の手数料を無料にしています。
楽天証券では、国内株式買付・売却、海外ETF(米国、中国、シンガポール)買付の手数料を無料にしています。この場合、米国ETFと同じく購入月翌月下旬に円貨で全額キャッシュバックされます。
関連サイト
SBI証券と楽天証券ともに内容を日々改善しているように見えますし、よくキャンペーンを実施しているので目が離せません。最新の情報については、次のサイトをご覧ください。
さいごに
外貨に強いSBI証券、楽天ポイントが貯まる楽天証券と各々強みを持っています。SBI証券はネット証券では最大手ですが、最近では楽天証券の伸長が著しいように感じています。
私も両証券を利用させていただいています。(最近開設した)楽天証券は、使い勝手が良く、楽天ポイントも貯まり満足しています。また、一部米国株式にも手を出していますのでSBI証券も欠かせません。
これからも良質な情報提供とユーザーの使いやすさの更なる改善に期待したいと思います。
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