NASDAQ100連動の米国ETFと投資信託の比較

運用成績が比較的良いNASDAQ100指数に連動する銘柄では、米国ETFと投資信託があります。これらについて、積立購入する場合の長所・短所を比較してみました。

何故NSADAQ100か

本稿では、株式に連動する指数としてNASDAQ100を選んでいます。その理由は、世界株式市場、米国株式市場、米国S&P500等の連動型と比較してNASDAQ100に連動する銘柄が良いパフォーマンスを示しているためです。詳細については、次の記事をご覧ください。

関連記事

米国株式は、過去の実績を見ると日本株式よりも優れていますが、個別株式になるとリスクが大きくなります。しかし、インデックス型の投資信託では、米国株式市場が低迷していても却って安く購入できると割り切る事ができ長期的に見れば利益が期待でき、比較[…]

米国ETFと投資信託の特長

ここで一旦、米国ETFと投資信託の特長を整理しておきたいと思います。

米国ETF(上場投資信託)は経費率が低い反面ドルでの購入や売買手数料が必要です。一方、投資信託は経費率が少し高い反面配当の自動再投資や売買手数料無料(ノーロードタイプ)のものがあり手軽に購入する事ができます。これらをまとめると次のとおりです。

米国ETFの長所

  • 長所
    • 投資信託と比較すると経費率が低い傾向にあります。
  • 短所
    • 米ドルで購入するので、購入時に円貨⇒米ドルに交換したり、売却時に円貨に戻す場合に米ドル⇒円貨に交換するための手数料が必要です。
    • 株式同様に売買手数料が必要です。ただし、証券会社によっては一定の銘柄について買付手数料が無料になるサービスや積立設定可能なものがあります(この部分は長所でも良いかもしれません)。

投資信託の長所

  • 長所
    • 指数連動型(インデックス型)の銘柄は、ノーロード(売買手数料無料)のものが多いです。
    • 自動的に配当を再投資してくれます。
  • 短所
    • 米国ETFと比較すると経費率が高い傾向にあります。

具体的な銘柄における比較

NASDAQ100指数に連動する銘柄として、米国ETFでは「インベスコ QQQ トラスト シリーズ1 ETF(ティッカーコードQQQ、管理費用率0.20%)」投資信託では「eMAXIS NASDAQ100インデックス(管理費用率0.44%)」を代表として比較してみたいと思います。

なお、同様の投資信託としては、「PayPay投信 NASDAQ100インデックス(管理費用率0.418%)」が現状最も管理費用率が低いのですが、楽天証券では購入不可・SBI証券購入可のため、両証券で購入可能な銘柄である「eMAXIS NASDAQ100インデックス(管理費用率0.44%)」を選んでいます。

次に各銘柄の代表的な指標を示します。共に2022年3月18日時点の数値です。

インベスコ QQQ トラスト シリーズ1 ETF(QQQ)

  • ティッカーコード:QQQ ※日本の銘柄コードに相当します。
  • 運用会社:インベスコ Ltd.
  • 設定日:1999年3月10日
  • 基準価格:$351.49
  • 管理費用(税込):0.20%
  • 分配利回り:0.50%
  • 分配回数/年:4回(3月、6月、9月、12月)
  • トータルリターン10年間(年率、円貨):23.33%
  • 標準偏差10年間:15.66

eMAXIS NASDAQ100インデックス

  • 運用会社:三菱UFJ国際信託
  • 設定日:2021年1月29日
  • 基準価格:¥12,379
  • 決済頻度:年1回(1月)
  • 分配金受取方法:再投資(または受取)
  • 管理費用(税込):0.44%
  • トータルリターン(1年間):20.34%
  • トータルリターン(交付目論見書の予想値):24.3%

比較

さて、ここで米国ETFのQQQと投資信託eMAXIS NASDAQ100インデックスの比較をしてみようと思いますが、ことは簡単ではありません。それは米国ETFの定期購入にあります。

米国ETFの定期購入の場合は、金額指定又は株数指定が可能ですが、金額指定の場合でもその金額以内で買える株数しか発注できませんので(端数での購入は不可)、株数指定で購入する事とほぼ同じになります。つまり、QQQの場合では現在の基準価格の$351.49毎で購入する事になります。例えば毎月1万円づつ購入資金を用意しても実際に購入できる回数は、年に2回以下(基準価格が下がれば3回でも)です。

あまり難しく考えないで、トータルリターンで見ると両者とも23%~24%ぐらいですので(投資信託の場合は予想値ですが)、あまり差がありません。結論としては定期購入する場合は、積立が容易な投資信託で決まりです。

なお、米国ETFのQQQについては、前述の管理費用以外の費用も発生します。粗い見積りになりますが、リターンは年率20%(10年後は元本含めて約3倍になります)、毎年1単位$350購入、期間10年間、為替レート1ドル=120円、SBI証券(口座連携先として住信SBIネット銀行)の場合で試算してみたいと思います。

  • 米国ETFのQQQは米ドルで購入しなければなりません。そして、最終的には円貨に戻します。ここで手数料が発生します。SBI証券の場合は住信SBIネット銀行を経由する事で1ドル4銭で交換できます。楽天証券の場合は1ドル25銭で交換できます。
    • 購入時の円⇒ドル交換手数料(住信SBIネット銀行経由):140円(=350ドル×4銭×10年間)
  • QQQはSBI証券で購入する場合、買付手数料無料対象(2022年4月以降)ですが、売却時には手数料が必要です。また最終的にはドルを円貨に交換して受け取ります。
    • 買付手数料:無料(SBI証券で2022年4月以降)
    • 売却手数料:2,640円(=22ドル×120円)
    • ドル⇒円交換手数料(住信SBIネット銀行経由):420円(=350ドル×10年間×3倍×4銭)

このようにSBI証券の場合で、管理費用以外の費用は3,200円(=140円+2,640円+420円)ですので、大した値ではありません。

まとめると

米国ETFと投資信託の特長から結論としては、次のとおりです。

  • 積立の場合は、投資信託「eMAXIS NASDAQ100インデックス(管理費用率0.44%)」が良い(これから始めるのであれば管理費用率の低い「PayPay投信 NASDAQ100インデックス(管理費用率0.418%)」もあります)。
  • 資金的余力がありスポット購入できる、かつSBI証券を利用している場合は、米国ETF「インベスコ QQQ トラスト シリーズ1 ETF(管理費用率0.20%)」が良い。

さいごに

運用成績の比較的良いNASDAQ100 指数連動型の米国ETFと投資信託を比較してみました。結果的にはリターンがそれほど差異が無いようなので、使い勝手の良い投資信託タイプがお勧めです。投資信託タイプは、一旦定期積立設定をしておくと後は手間いらずなので大変楽です。

とはいえ、手間いらず=退屈という事なので、資金的に余力があればNASDAQの個別銘柄にチャレンジするのも良いと思います。今の低迷時が買い時なのかいつも判断が難しいですが、世界の安定を祈りつつ、余裕を持って観ていきたいと思います。

にほんブログ村 ライフスタイルブログ 心地よい暮らしへ
にほんブログ村

楽天市場
5



NASDAQ100指数に連動する米国ETFと投資信託の比較
白ノ葉ブログの最新情報をチェック!