SBI証券の米国ETF買付手数料無料の銘柄が変わります、そして楽天証券との比較

本稿の改訂版が公開されていますので、下記サイトをご覧ください(理由:米国ETF買付手数料無料の銘柄について楽天証券も銘柄変更がなされたため)。なお、本稿では楽天証券の銘柄が変更前のものになっている以外、2022年4月8日現在の情報です。

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SBI証券と楽天証券の米国ETF買付手数料無料銘柄の比較

米国ETFの買付手数料が無料になるサービスがありますが、SBI証券の対象銘柄が2022年4月1日から変わります。一般的に投資信託よりも経費率が安価なETFですが、SBI証券の変更内容と楽天証券の同サービス対象銘柄との比較をしてみたいと思います。

SBI証券の米国ETFの買付手数料無料サービス

SBI証券の米国株式売買手数料

米国ETF(上場投資信託)を購入する場合は、通常、次の米国株式手数料が適用されます。

  • 取引手数料(税込):約定代金 × 0.495 %
    • 最低取引手数料(税込):0円(約定代金が2.02ドル以下)
    • 上限取引手数料(税込):22ドル

ただし、SBI証券では特定の米国ETFについては、買付手数料(購入時)が無料になるサービスを実施中です。購入時に手数料無料ですが、売却時には通常の手数料が必要です。

買付手数料が無料になる米国ETFの銘柄

SBI証券において、米国ETF買付手数料が無料になる銘柄は現行9銘柄です。これについては、楽天証券との比較を次に記事でまとめていますので、ご覧ください。

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そして、SBI証券では、2022年4月1日以降、対象銘柄が変更になります。次の表は、SBI証券における現行と変更後の買付手数料無料の米国ETF対象銘柄を比較したものです。「現SBI証券」とは現行のSBI証券で対象となっている9銘柄、「新SBI証券」とは2022年4月1日以降に対象となる10銘柄です。

SBI証券における現行と変更後の買付手数料無料の米国ETF対象銘柄の比較
【現行と変更後の買付手数料無料対象銘柄(SBI証券)】

「新SBI証券」で対象となる銘柄について簡単に紹介します。

  • バンガード・トータル ワールド ストックETF(VT):全世界の先進国・新興国株式市場を対象にしています。
  • バンガード・トータルストックマーケットETF(VTI):米国市場のほぼ100%の株式を対象にしています。
  • バンガード・S&P 500 ETF(VOO):米国市場の大型株500銘柄の株式を対象にしています。
  • ウィズダムツリー・インド株収益ファンド(EPI):インドを対象にしたウィズダムツリー インド・アーニングス・インデックスに連動しています。
  • SPDR・S&P 500高配当株式ETF(SPYD):S&P500指数の採用銘柄のうち配当支払い上位80銘柄のパフォーマンスに連動しています。
  • iシェアーズ コア 米国総合債券市場 ETF(AGG):米国で公募発行される投資適格の米国国債、投資適格の社債、モーゲージ・パス・スルー証券及び資産担保証券など米国の投資適格債券市場のパフォーマンスに連動しています。
  • バンガード 米国情報技術セクター ETF(VGT):米国の情報技術セクター株式銘柄(テクノロジー・ソフトウェアおよびサービス、テクノロジー・ハードウェアおよび機器、半導体および半導体製造機器の3つの分野の企業銘柄)により構成された指数に連動しています
  • iシェアーズ 米国不動産 ETF(IYR):米国株式市場の不動産部門(不動産所有・開発及び不REIT等会社を含む)により構成された指数に連動しています。
  • SPDRゴールド ミニシェアーズ トラスト(GLDM):金地金、地金債権及び現金等を保有し、金地金の価格に連動しています。
  • インベスコ QQQ トラスト シリーズ1 ETF(QQQ):米国NASDAQの中で金融機関を除いた時価総額上位100社の株式を対象にしています。

S&P500の重複を解消し、金(ゴールド)、債券、REIT等が変更・追加されています。

SBI証券と楽天証券の対象銘柄の比較

楽天証券でも米国ETF買付手数料が無料になる銘柄が9つあります。SBI証券の新たな銘柄(新SBI証券)と楽天証券の銘柄を比較したのが次の表です。

SBI証券(改定後)と楽天証券の米国ETF買付手数料無料銘柄
【SBI証券(改定後)と楽天証券の米国ETF買付手数料無料銘柄】

SBI証券と重複の無い銘柄について簡単に紹介します。

  • SPDR・ダウ・ジョーンズ REIT ETF(RWR):商業用不動産等のREITに投資し、USセレクトREIT指数に連動しています。
  • グローバルX・AIビッグデータ ETF(AIQ):AI(人工知能)関連企業に投資します。
  • グローバルX・フィンテックETF(FINX):金融技術の最先端にある企業に投資します。
  • グローバルX・ゲノム&バイオテクノロジーETF(GNOM):ゲノム編集、ゲノム医療治療、バイオテクノロジー等の企業に投資します。

RWR以外は、今流行りの分野に特化したETFです。個人的には長期投資の対象銘柄としては疑問です。SBI証券の今回の銘柄見直し同様に、楽天証券でも2020年に見直しされて今の銘柄になっていますので、こらからも銘柄組み替えがあると思います。

雑感

今回の見直しで感じた事をいくつか述べてみたいと思います。

  • SBI証券の新たな銘柄構成では
    • アセットでみると現行株式銘柄が見直し後は金(GLDM)、債券(AGG)、REIT相当(IYR)と範囲を広げています。これによりアセット分散によるリスク低減を図る事が可能になっています。
    • S&P500指数連動銘柄が、現行ではVOOSPYで重複していましたが、見直し後はVOO一つになっており、代わりにSPYDが追加されるという整理がなされています。
    • 金(GLDM)が追加されました。金の米国ETFでは、IAU(経費率0.25%、設定2005年1月)が有名ですが、より経費率が低いGLDM(経費率0.18%、設定2018年6月)が採用されました。このGLDMは楽天証券でも買付手数料無料銘柄に採用されていますので、安心感があります。
    • NASDAQ100指数に連動するQQQが追加されました。この指数に連動する銘柄は、比較的長い期間を見るとS&P500指数に連動する銘柄よりも良い傾向にありますので、これも朗報だと思います。
  • 楽天証券の銘柄構成をみると
    • 金(GLDM)、REIT(RWR)以外は、株式指数連動型の米国ETFです。銘柄を絞って分散投資する場合はこれでも一考かと思います。
    • 特定分野のAIQ、FINX、GNOMは一過性の可能性があり、長期投資向きとは思えません。そのうち予想される銘柄組み替えの候補になりそうなので、個人的なお勧めできません。

なお、NASDAQ100指数に連動する銘柄は他のノーロード・インデックス型の銘柄よりも良い成績を上げています。これについては、次の記事でまとめていますので、ご覧ください。

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さいごに

今回は、米国ETF買付手数料無料銘柄について、SBI証券の銘柄見直しを中心に比較してみました。結果は、債券や金の銘柄、さらにNASDAQ100指数連動の銘柄も増えており、利用者の嗜好に合ったアセット割り付けが可能になっていると思います。これに刺激され、そのうち楽天証券でも同じような見直しが図られる可能性があります。

私自身でいえば、NASDAQ100連動の銘柄が追加されたのがうれしいですね。現状、米国利上げ等外部要因で株式市場の不安定かつ低迷が続いていますが、このような時に追加購入されるのも一考かと思います。

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