高配当株式で長期投資、直近の権利確定日に間に合わなくとも次の機会で

3月末は、会社決済の多い月で株式配当や株主優待の権利確定月でもあります。2022年は3月29日が権利付き最終日ですが、これに間に合わなくとも中間配当の9月末に向けてや、例えば6月末配当日を狙う方法があります。配当利回りが良く、老後でも比較的安心して投資できそうなので自分でも購入している株式について紹介します。

決算月と株式優待確定月の企業数

ここで、企業の決算月を見てみます。次のグラフは、国税庁サイトに掲載されているデータを基に、決算月毎の事業年度年1回・資本金5,000万円以上の企業数を示したものです。通常、株式配当は、この決算月と6ヶ月後に配当があり、その合計が株式情報誌等に配当として掲載されています。

配当権利確定月と企業数
配当権利確定月と企業数】※国税庁データを基に作成。

そして、次のグラフはYahoo!ファイナンスに掲載されているデータから、権利確定月別に株式優待制度を採用している企業数として現したものです。

株主優待権利確定月と企業数
【株主優待権利確定月と企業数】※Yahoo!ファイナンスデータを基に作成。

株式配当と株主優待の権利確定月は、3月と12月、そして6ヶ月後の9月と6月が特に企業数が多く、注目したい月になります。

特に注目したい月と企業例

それでは、3月決算と(6ヶ月先の)中間配当時期の9月6月の中間配当時期と(6ヶ月前の)12月決算の企業について比較的株式配当が良く、注目している所をいくつか挙げてみたいと思います。実はこれらの株式は、私が保有しているものです。ただし、いつまで保有しているかは分かりませんが、売り買いしつつ、比較的長く持っていたいと考えてます。

3月末決算・9月中間配当企業

次に表は、3月末決算・9月中間配当の企業の一例です。株価は2022年3月25日終値、配当は当該年度の1株あたりの配当金、配当利回りは予想値です。単元株数は全て100株ですので、最低購入金額は株価100株購入の金額です。また、優待有無を〇で株主優待制度有りを現しています。

3月末権利確定株式の一例
【3月末配当権利確定株式の一例】

配当利回りの平均は7.10%、全て100株づつ所有していると合計2,640,420円の評価額になります。この中では、日本郵船の株価・配当利回りが全体を押し上げていますので要注意ですが、この株が無くとも配当利回り3%~5%台と高配当銘柄から構成されています。

だいたい半期ごとの配当を1/2とすると93,700円(=1,874円×100株×1/2)が6ヶ月毎に受取る事ができます(実際は決算月の方が多い傾向にあります)。

今年の3月末の権利付き最終日は3月29日と間もなくです。これらを購入したい人は、直ぐに購入するのではなく、3月末を過ぎて株価が落ち着いてきてから9月末配当を期待し、購入した方が良いと思います。

6月末中間配当・12月決算企業

次に6月末に中間配当がある銘柄例です。共に優待有りになっていますが、決算日は12月末ですので、その時点で保有していなければ株主優待権利の獲得とはなりません。

6月末中間配当権利確定株式の一例
【6月末中間配当権利確定株式の一例】

JT(日本たばこ産業)は、2022年12月末までで株主優待制度を廃止し、その代わりに配当を140円から150円に増額しています。また、ウクライナ危機の問題でロシアにある工場や販売に悪影響がありますので、要注意です。

すかいらーくHDは、コロナ禍等の影響で配当6円と苦しい状況です。しかし、株主優待制度が100株で3,000円相当の優待カードと充実しており、これを加味すると利回り2.32%(配当+株主優待)となります。個人的には、家族に評判が良いので売買を繰り返して保有している状態です。

留意点

高配当銘柄や株主優待銘柄は、株価が低そうな所で拾っておくと長期保有向きになります。これを含めて留意点をまとめてみました。

  • 3月末決算銘柄をこれから購入する場合は、3月末権利確定後に株価が下がる可能性があり、それを期待する。つまり、9月中間配当を狙って(思惑通りに)株価が低迷したら購入を考える。あまり下がらなければ諦める。
  • 特に日本郵船(同様傾向のある商船三井)は、配当が極端に期末配当偏重(配当1,200円=中間配当200円+期末配当1,000円)なので、これから購入する場合は期末を過ぎてから考える
  • JTは、2022年12月までで株主優待が無くなる
  • すかいらーくHDの購入については、6月末の中間配当が期待薄なので、12月決算月に向けて焦らず株価が下がるまで待つ(だいたい1,500円下ぐらいでしょうか)。家族受けするので未練がありますが、株主優待を含めても利回りはそれほどでも無いので、下がらなければ諦める。

さいごに

米国では、金利が上昇傾向にありますが、日本では超低金利がまだまだ続きそうです。定年後に大切なお金を守るためには、預貯金・国債以外に、投資信託や株式投資等を行う必要があると考えています。

投資信託はノーロード(売買手数料無料)のインデックス型の商品を積立購入すると意外と良い利回りも良いのでお勧めですが、一番の問題は退屈な事です。

このため、保有資金の一部を今回紹介した高配当・株主優待有りの銘柄に投資するのも良いと考えています。とはいえ、高値掴みは精神的に良くありませんので、あくまでも心に余裕を持って、株価低迷時期に購入したいものです。底値を判断する事は、まず無理なので、資金的にも精神的にも余力を持って臨みたいと思います。

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