ヘルスケア系REITにおける投資主優待の比較

株式の株主優待があるようにREITでも投資主優待があります。老人ホームや介護施設等への割引や施設見学等の優待があるケネディクスレジデンタルネクスト投資法人とヘルスケア&メディカル投資法人のREIT投資主優待について比較してみました。

対象REITの概要

REIT(Real Estate Investment Trust)とは、「不動産投資信託」といわれる金融商品で、株式同様に上場されており、投資家が配当(分配金)や値上がりを目的に株式同様売買する事が可能です。

REITの種類は、住居系、オフィス系、ヘルスケア系、物流系、ホテル系、さらにこれらをいくつか組み合わせた複合系/総合系等々、いろいろな商品があります。

また、REITは法律により配当可能利益の90%超を投資家に分配しなければなりませんので、比較的利回りの高い商品が多い特長があります。

いつかは老人ホームや介護施設のお世話になる事があるかもしれませんので、本稿ではヘルスケア系のREITの投資主優待制度を見ていきたいと思います。

対象のREITは、ケネディクスレジデンタルネクスト投資法人(証券コード3278、以下KDRと称します)ヘルスケア&メディカル投資法人 (証券コード3455、以下HCMと称します)です。

KDRは、REITの分類からいえば「総合型」に入りますが、KDR(当時は住居系)が2018年に当時のヘルスケア系REITであったジャパン・シニアリビング投資法人を吸収合併しましたので、この部分が比較の対象となります。

最近の銘柄状況

REITのヘルスケア系銘柄であるKDRとHCMについて状況をみてみます。

KDRの状況

主な指標と2年間の価格チャートは次のとおりです。ここでNAV倍率(Net Asset Value倍率)とは株式のPBR(Price Book-value Ratio)相当のもので、1口あたりの純資産倍率を表しています。つまり、NAV倍率が1倍よりも低ければ割安、1倍よりも高ければ割高という事になります。

2020年3月のコロナ禍に端を発した大暴落から順調に推移しており、最近では22,000円/口前後となっています。分配金利回り3.81%は、全REIT平均分配金利回り3.58%より良く、NAV倍率も過熱感がありませんので、これからの動きに期待が持てそうです。

  • 決算期:1月、7月
  • 価格(1口):215,400円(2022年1月7日)
  • 分配金利回り:3.81%(2022年1月7日)
  • 予想分配金:8,202円(2022年1月)
  • NAV倍率:1.13
Yahoo!JapanファイネンスからKDRの価格チャート(2年間)
【KDRの価格チャート(2年間)】※Yahoo!Japanファイネンスから

HCMの状況

同じく主な指標と2年間の価格チャートは次のとおりです。先のKDRより、分配金利回り4.07%、価格159,100円と手ごろですが、NAV倍率は過熱感が無いとはいえ微妙なところです。

  • 決算期:1月、7月
  • 価格(1口):159,100円(2022年1月7日)
  • 分配金利回り:4.07%(2022年1月7日)
  • 予想分配金:6,474円(2022年1月)
  • NAV倍率:1.32
Yahoo!JapanファイネンスからHCMの株価チャート(2年間)
【HCMの価格チャート(2年間)】※Yahoo!Japanファイネンスから

投資主優待について

次に本題である投資主優待について見ていきたいと思います。

共通の優待条件

KDRとHCMの共通の内容は次のとおりです。

  • 権利確定条件:1月末と7月末に1口以上保有していることが必要です。
  • 利用対象者:投資主、配偶者、親族(二親等又は三親等まで)
  • 優待内容:主な内容は次のとおりです。(詳細は次の「比較」をご覧ください)
    • 施設の見学無料
    • 施設への体験入居費無料
    • 契約金・入居一時金や利用料の割引

KDRとHCMの比較

次の表は、KDR(証券コード3278)HCM(証券コード3455)の優待対象施設と優待内容を比べたもので、「〇」が付いているのが優待内容に対応していることを示しています。

両REITに重複している施設もありますが、片方にしかない施設も半分程度ありますので、意外とばらけているというのが正直な感想です。

晩年を施設で過ごす場合は、施設サービスの品質が大変重要ですので、無料の施設見学や体験入居などは早めに考えたいと思います。

ケネディクスレジデンタルネクスト投資法人とヘルスケア&メディカル投資法人の投資主優待比較(2022年1月)
【投資主優待の比較(2022年1月)】

留意事項

いくつか資主優待を受けるために留意事項を記載します。

  • 投資主優待の対象は、各決算期において、投資主名簿に記載・記録された投資主が基になります。また、優待内容は時期・対象施設で異なる可能性がありますので、実際に利用する際には施設に事前確認をしておくと安心です。
  • 優待を利用するためには、信託銀行等から送られてくる資産運用報告と同封の投資主の住所・氏名等を記載した書面(又は分配計算書)を各対象施設に提示しなければなりません。分配金が入った来たことで安心して捨てないようにしてください。
  • 優待には利用期間があります。上記の資産運用報告書に記載されている利用期間にご注意ください。

詳細は次のサイトをご覧ください。クリックするとサイトへ移動します。

→KDRの投資主優待をみる

→HCMの投資主優待をみる

さいごに

男性の場合は、65歳時点で平均余命約20年です。元気なうちの寿命が後10年だとすると、残り10年間は介護施設等にお世話になるかもしれません。こう考えると今回説明した老人ホームや介護施設の投資主優待に俄然興味が湧いてきます。

実際に入居しなくとも、どのようなサービスがあるのかを是非調べてみたいと思いませんか。そのような場合は、今回紹介したREITを購入して無料見学などで不安点・疑問点を解消しておくのが良いと思います。

HCMですと16万円弱で手に入り、配当率も良いですので、ご検討されるのも一考かと思います。

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