全世界株式型投資信託の低コスト化が止まらない、eMAXIS Slimシリーズとの比較

eMAXIS Slimシリーズの信託報酬率の引き下げのプレスリリースがありました。これをきっかけに同種の投資信託を調べてみると結構引き下げられているので驚いた次第です。いくつか比較してみましたので説明します。

eMAXIS Slimシリーズのプレスリリースから

三菱UFJ国際投信(株)から2023年8月18日付で、「業界最低水準の運用コストをめざす『eMAXIS Slim(イーマクシス スリム)』信託報酬率の引き下げを実施」のプレスリリースがありました。

eMAXIS Slimシリーズは、「業界最低水準の運用コストを将来にわたってめざし続ける」とのコンセプトに基づき、他社類似ファンドの信託報酬率が同シリーズの信託報酬率を下回る場合は、原則、信託報酬率を引き下げることを基本としています。

このコンセプトの下で、eMAXIS Slimシリーズの中で次のファンドの信託報酬率(税込・年率)が2023年9月8日から引き下げられる予定です。

ファンド名変更後:信託報酬率
(※実質信託報酬率)
変更前:信託報酬率
eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)0.05775%以内
(0.05765%)
0.1133%以内
eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)0.05775%以内
(0.05773%)
0.1133%以内
eMAXIS Slim全世界株式(3地域均等型)0.05775%以内
(0.05775%)
0.1133%以内
eMAXIS Slim新興国株式インデックス0.1518%以内
(0.1518%)
0.1859%以内
※変更後の実質信託報酬率は、2023年8月18日現在の値です。

信託報酬率の数値に以内がついているのは、総資産総額に応じてさらに低い信託報酬率が適用されるからです。

詳細は次のプレスリリースをご覧ください。

他の投資信託との比較

全世界型の投資信託の中で信託報酬率の低いファンドをいくつか比較してみたのが次の表です。三菱UFJ国際(投信)は、前述の信託報酬率を下げる前の数値です。

ファンド名設定日ベンチマーク信託報酬率(税込)
日興-Tracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式)2023/04/26MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス0.05775%
野村-はじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー)2023/07/10MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス0.05775%
SBI-SBI・全世界株式インデックス・ファンド (愛称:雪だるま(全世界株式))2017/12/06FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス0.1102%程度
三菱UFJ国際-eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)2018/10/31MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス0.1133%以内
三菱UFJ国際-eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)2018/03/19MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス0.1133%以内
【主な全世界型投資信託のファンド】※SBI証券サイトのデータから抜粋。

これをみると、日興(アセットマネジメント)や野村(アセットマネジメント)の信託報酬率は、各々0.05775%と三菱UFJ国際の信託報酬率を大きく下回っています。

各々の設定日が、2023/04/26と2023/07/10と今年になってから販売されている商品です。

SBIのファンドだけであればベンチマークが異なりますので(実質はあまり差がないと思います)同程度の信託報酬率で構わないとしたかもしれません。

しかし、日興や野村のファンドは同じベンチマークであるにも関わらず信託報酬率のコストが約半分なのでこれに危機感を受けたのかもしれません。また、eMAXIS Slimシリーズのコンセプトにも反することになりますので、今回の信託報酬率引き下げのプレスリリースのきっかけになったのではないかと思います。

さいごに

同じようなノーロード(売買手数料無料)・インデックス型の投資信託では、信託報酬率の低いものを選ぶのが鉄則です。現在、私が積み立て購入している全世界型投資信託は、SBI・全世界株式インデックス・ファンド (愛称:雪だるま(全世界株式))です。しかし、今回の結果を受けて、三菱UFJ国際のファンドに変更しようかと考えています。

一旦、落ち着いてきたように見えていた投資信託の信託報酬率引き下げ競争ですが、まだまだ競争が続く気配です。

積み立てをしていればほっぽいても良いと思っていましたが、久しぶりに見ると意外と差が出ているのでこれからも定期的な確認が必要そうです。

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