既にNISA口座を保有している人が金融機関を変更する場合は、10月から可能になります。2024年から開始される新NISAを活用するために、運用方針検討と共に現金融機関で良いのかの検討が必要です。これには、運用できる商品だけではなく最終的に取り崩していく方法も考慮する必要がありますので、これらを含めて考えてみたいと思います。
2024年からの新NISAのために準備する事
新NISAの概要
従来のNISAでは、つみたてNISA（一定の投資信託を40万円/年、最大20年間非課税で最大800万円まで可）と一般NISA（株式・投資信託等を120万円/年、最大5年間非課税で最大600万円まで可）がありました。
2024年1月から始まる新NISAでは、つみたてNISA（つみたて投資枠と称する）と一般NISA（成長投資枠と称する）の併用が可能になり。年間360万円、生涯合計1,800万円の非課税枠を保有期間の制限が無く利用できるようになります。
新NISAの特徴をまとめると次のとおりです。
- 非課税保有期間が無期限：口座開設可能期間及び非課税保有期間の期限がなくなり、恒久的な措置になります。
- つみたてNISAと一般NISAの併用が可能かつ投資枠拡大：「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の併用が可能となります。各々の可能な投資枠は次のとおりです。
- 「つみたて投資枠」：一定の投資信託を対象とする長期・積立・分散投資で上限120万円/年に拡充されます。
- 「成長投資枠」：上場株式への投資が可能で上限240万円/年に拡充されます。
- 非課税保有限度額（総枠）：一生涯にわたる非課税限度額の総枠は1,800万円（原資として）です。ただし、この内数として「成長投資枠」は1,200万円が限度となります。また、NISA枠で購入した商品を売却した場合、その売却分をNISA枠として再利用することが可能になりました。
準備する事
メリットの大きな新NISAですが、2024年1月から活用するためには今から準備しておかなければなりません。主な準備すべき事としては次のとおりです。
- 新NISAの運用方針を決める：新NISAでは投資枠360万円/年と拡大されます。この枠を活用するための商品を検討します。優先的にはコストの低いノーロード・インデックス型投資信託を購入し、余力があれば個別株式を購入等を考えます。これえらの購入候補を考えます。また、現NISAの処遇も検討します。個人的には複利効果を維持するために現NISAを一旦解約して新NISAに預け替えするのが良いと考えています。
- 新NISAの口座を決める：保有期間の制限が無くなります。また非課税限度額の総枠は1,800万円となり、一旦利用したNISA枠を再利用する事ができますので、NISA口座を開設して金融機関とは一生のお付き合いになります。このため、現NISA保有の金融機関で良いかを検討し、場合によっては変更手続きを行うのが良いと思います。一生のお付き合いという意味では長期運用もありますが、最終的な取り崩し方法の検討も必要です。
NISA口座の変更方法
NISA口座は1金融機関で1口座しか開設できません。ただし、年単位で金融機関を変更する事ができます。この手続きは、2023年10月1日から翌年の9月30日までに行うと2024年から新しい金融機関で新NISAの運用が可能になります。
このため、異なる金融機関でNISA口座を移管させるためには次の手続きが必要です。
- 現状のNISA口座がある金融機関から勘定廃止通知書を取得します。
- 勘定廃止通知書とその他の必要書類を一緒に新NISA口座を開設する金融機関に提出します。
ご参考までにSBI証券と楽天証券のNISA口座変更サイトを下記に示します。ご興味があればボタンをクリックしてご覧ください。
さいごに
新NISAに向けて金融機関では新たなサービスが目に付くようになってきました。特にSBI証券や楽天証券の国内株式取引手数料無料化が10月からスタートがあります。
特にSBI証券では、前々から手数料無料化の予告がありましたが正式ニュースリリースが8月31日にあり、これも一つの切っ掛けとなりSBIホールディングスの株価が上昇トレンドを形成しています。
NISAの金融機関変更は10月から可能になりますので、これから新NISAに向けた新たなサービスが金融機関については出にくい時期ではありますが、投資信託等の商品については、eMAXIS Slimシリーズの信託報酬率引き下げなど追随する動きが期待できます。
株式市場が少々高所恐怖症気味ではありますが、投資信託等の商品の動向に注視していきたいと思います。
にほんブログ村