暴騰落を繰り返している暗号資産ですが、それでもじっと保有している人には大きな利益を与えており、すっかり定着した感があります。しかし、暗号資産の利益には源泉分離が使えませんので、事前に売却した後の税金の事も考えて置く必要があります。暗号資産に係る投資方法と税金について考えてみたいと思います。
暗号資産に興味を持ったきっかけ
最近の暗号資産は、イーロンマスク氏のビットコインでのテスラEV(電気自動車)購入停止発表や中国の金融機関での取引禁止措置等により大暴落しています。しかし、ビットコインも5~6年前は30万円前後でしたので、それから考えるとまだ10倍以上の価格になっています。もしも保有し続けている人がいるならばそれだけの含み益を得ているという事です。暗号資産もいろいろな種類が出ており、その内淘汰がされるのでしょうが、投資の一方法として定着しているのではないでしょうか。
これからどうなるのか予想できませんが、この記事では、もしも暗号資産に投資をするのであればという観点で考えてみたいと思います。
私は暗号資産のXRPを145保有しています。このXRPはSBI証券等を傘下に持つSBIホールディングスの株主優待でいただいたものです。株式優待制度は昨年3月末から開始され、100株保有者は2,000円相当のXRPが貰えます。
この145XRPは、一時期2万円を超え、今は先の暴落で下がっていますが、まだ1万円以上です。
また、その間にXRPはSEC(米証券取引委員会)から投資家保護の観点から訴訟されており、大きく下げる場面がたびたびありました。しかし、私の保有額は2,000円相当で当初購入し数量でしたので、あまり関心なく経過しました。
最近、暗号資産のニュースが慌ただしくなり、久しぶりにXRPの評価額を確認したところ、大きく値を上げていましたので、驚いた次第です。とは言え金額が小さいので、大きな顔はできませんが、倍率は1年弱で数倍~10倍程度と凄いものです。
株式でもなかなかテンバガー(10倍株)の株式購入はできませんが、このようにXRPは目の前でそれを実現してくれました。今の騒動が落ち着いてところで、無理をしない範囲でもう少し投資してみたいなと考えています。
なお、SBIホールディングスの株主優待でXRPが取得できる記事は次にまとめていますので、ご覧ください。
SBI証券等を傘下に持つSBIホールディングスは、株主優待制度で暗号資産(仮想通貨)のXRPが貰えます。2020年3月末から始まった制度で、その時点で2,000円相当でしたが、約6カ月経過した2021年4月で評価額17,500円前後と約9[…]
暗号資産への投資方法と税金
私が株主優待でいただいたXRPは、SBI VCトレードに運用のための口座を作らなければなりませんが、ここ以外にも有名な「bitFlyer」を始め暗号資産取引所が沢山あります。また、最近、SBI証券では、暗号資産の動きを対象としたeワラントの取扱いを始めました。
暗号資産取引所を介する暗号資産の直接投資とeワラントについて税金面から考えてみます。
直接投資
一例としてSBI VCトレードについて説明します。なお、先の関連記事でもまとめていますので、ご興味があればご覧ください。
SBI VCトレードの主な特長は次のとおりです。比較的簡単に取引が可能です。
- 取扱い暗号資産は、XRP、BTC(ビットコイン)、ETH(イーサリアム)です。
- 口座管理用や口座への入金手数料は無料です。
- 出金手数料は税込で、住信SBIネット銀行50円/回、住信SBIネット銀行以外の場合は160円(3万円未満)又は250円(3万円以上)です。
- 取引手数料は無料ですが、取引の買値と売値に差(スプレッド)があり、このスプレッドが負担するコストです。
主な費用としては、出金時の手数料と売買時のスプレッドになります。
暗号資産の税金は、所得税については雑所得になり総合課税で確定申告を行う事になります。住民税については、所得を基に翌年課税されます。
所得税は累進課税制度ですので課税所得4千万円以上で税率45%(復興特別所得税を除き、以下同様とします)となり、住民税は税率10%で合計税率55%となります。暗号資産の所得だけで課税所得4千万円以上はかなりハードルが高いですが、利益の半分は税金として納めなければなりません(ちなみに課税所得1千万円で所得税33%+住民税10%です)。
ここで気を付けなければならない事は、もしも大きな売買益を得た場合は、税金分ぐらいは残しておかなければならないという事です。
例えば、大きな売買益を出た後、そのお金をそのままにしておくことは勿体ないと次の投資に回す場合が多いと思います。この次の投資で損失が出た場合は、税金を支払う際に目も当てられないことになります。
暗号資産を対象としてeワラント
SBI証券は、「eワラント」の新規銘柄として「ビットコインレバレッジトラッカー」の提供を2021年2月から、「イーサリアムレバレッジトラッカー」を3月から開始しました。
eワラント(eワラント証券が発行するカバードワラント)は、対象資産について一定の期日(権利行使日)にあらかじめ決められた価格(権利行使価格)と決済価格(最終参照価格)との間の差金を受け取ることができる権利を証券化した有価証券です。満期時にこの差額を受け取ったり、満期前に売買して差益を得ることができます。レバレッジ投資が可能で、ハイリスク・ハイリターン、手数料無料の商品です。
主な特長をまとめると次のとおりです。
- レバレッジをかけた少額投資が可能で、取引手数料が無料です。
- 上昇すると収益が見込める「コール」と下落で収益が見込める「プット」があります。
- 予想の値動きに反した場合、eワラントが0円になるリスクがありますが、損失は投資金額範囲内であり、追加で支払いが生じることはありません。
- 取引時間は、9:00~23:50です。
ビットコインレバレッジトラッカー・イーサリアムレバレッジトラッカーは、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)に上場している米ドル建同暗号資産先物を対象とするeワラントです。SBI証券のeワラント専用取引口座から、「ビットコイン(またはイーサリアム)先物リンク債プラス5倍トラッカー」(値上がり時に利益)と「ビットコイン(またはイーサリアム)先物リンク債マイナス3倍トラッカー」(値下がり時に利益)の取引が可能です。
主な特長は次のとおりです。
- SBI証券の証券総合口座で暗号資産(ビットコイン、イーサリアム)に投資が可能で、口座管理料は無料です。
- 各暗号資産先物の変動幅のほぼプラス5倍、マイナス3倍の値動きに連動します。
- レバレッジ投資でありながら追証はなく、最大損失は投資元本に限定
- 1万円程度の少額から暗号資産相場に投資が可能です。
eワラントの税金については、株や投資信託に適用されている申告分離課税となり、所得税率15%+住民税率5%の合計税率20%です。いくら利益が出ても税率20%です。
税金等の留意点
取引により所得が上がると、所得税、住民税、そして社会保険料(健康保険料、年金保険料等)も上がりますので、これに備えておかなければなりません。既に述べていますがまとめると次のとおりです。
- 暗号資産への直接投資の場合:売買益は雑所得として総合課税されます。所得税は累進課税制度なので特に税金負担が大きくなります。住民税や社会保険料は翌年徴収されますので、これらを含めてお金を準備しておかなければなりません。
- eワラントの場合:利益に対して、申告分離課税(所得税率15%+住民税率5%)で徴収されます。税金面では直接投資よりも良いですが、レバレッジが入りますので、直接投資以上のリスクが生じます。
さいごに
暗号資産の税金等についてまとめてみました。私自身暗号資産は、まだ勉強中のところがあり、この整理も兼ねています。しかし、最近の暗号資産はスリリングです。このような時こそじっくりと腰を落ち着けなければなりません。
相場の格言がありますね。「落ちてくるナイフはつかむな」と。チャートの底を読むのは困難ですが、注視中です。一番の底を逃すかもしれませんが、それならそれで良いと考えています。「頭と尻尾はくれてやれ」という格言もありますね。
どこにでも相場はありますので、無理しない範囲で楽しみたいと思います。
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